エスシタロプラム
IUPAC命名法による物質名
IUPAC名S(+)-1-(3-dimethylaminopropyl)-1-(4'-fluorophenyl)-1,3-dihydroisobenzofuran-5-carbonnitril[1]
臨床データ
胎児危険度分類
US: C
法的規制
US: ?-only
劇薬、処方箋医薬品(日本)
投与方法経口投与
薬物動態データ
生物学的利用能80%
血漿タンパク結合~56%
代謝CYP2C19
CYP3A4
CYP2D6
半減期24.6~55.8時間
(20mg, β相, 単回)
排泄尿中: 35.1%
識別
CAS番号
⇒128196-01-0 (塩基)
ATCコードN06AB10
エスシタロプラム (Escitalopram) とは、選択的セロトニン再取り込み阻害薬 (SSRI) と呼ばれる抗うつ薬の一つである。レクサプロなどの商品名で販売されている。日本では2011年4月より販売されている。
エスシタロプラムは、アメリカでは90年代からあるSSRIのシタロプラム(英語版)の光学異性体のうちのS体である。 デンマークのルンドベック社により合成・開発され、2001年にスウェーデンで承認された。 エスシタロプラムシュウ酸塩として、レクサプロ (Lexapro) などの商標で発売されている。日本では2011年4月にレクサプロとして製造承認され、持田製薬製造販売、田辺三菱製薬販売、吉富薬品プロモーション提携として2011年8月より販売されている。 2010年10月現在には世界96ヶ国で使用されており、2010年8月現在で投与された患者数は2億3千万人以上にも上る。 日本での適応は、うつ病・うつ状態、社会不安障害である。 光学分割されたS-シタロプラム(エスシタロプラム)は既存のSSRIのなかで、最も選択的なセロトニン再取り込み阻害作用を有しており、ノルアドレナリンの1,190倍、ドパミンの19,000倍のセロトニン再取り込み阻害作用がin vitroで確認されている。 他にも薬剤開発後に光学分離された薬剤としてオフロキサシンやレボフロキサシン、セチリジン、レボセチリジンなどがあげられる。反対にR-シタロプラムは、エスシタロプラムのセロトニン再取り込み阻害作用を競合的に阻害し、その作用を減弱させる。 他にR-シタロプラムは、ヒスタミンH1受容体阻害作用やCYP2D6阻害作用を有している。そのため、ヒスタミンH1受容体を介した傾眠や鎮静、CYP2D6阻害作用による薬物相互作用のような副作用が発現する可能性がある。 日本うつ病学会のうつ病の診療ガイドラインは、有効性に関する様々な報告を併せて解釈すると、有効性と忍容性において、SSRI、SNRI、ミルタザピンを含む新しい抗うつ薬に優劣はつけられないとしている[3]。 以下は個々の研究である。 うつ病患者を対象とした各種SSRIの試験をメタアナリシスしたMANGA Studyにおける2009年の報告では、セルトラリンと共に最も有効性、忍容性が高いSSRIとして評価されているが、研究者はセルトラリンを推奨しているという報告がある[4]。 4つの二重盲検試験をプール解析した報告は、SNRIのベンラファキシンやデュロキセチンと同程度の有効性であるが、重篤な場合に忍容性が良いことを報告した[5]。
目次
1 開発と販売
2 適応
3 特徴
4 有効性
5 代謝
6 出典
7 参考文献
開発と販売
適応
特徴 レクサプロの錠剤
有効性
Size:20 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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