エサレン協会[† 1](エサレンきょうかい、英: Esalen Institute、通称: Esalen)は、アメリカの非営利的リトリート施設であり、オルタナティブな人間性教育に取り組んでいるカリフォルニア州ビッグサーのインテンショナル・コミュニティ(意図を持った共同体)である[1]。ビッグサー温泉とも呼ばれていた[2]。エサレンという名称はアメリカ先住民の一部族名にちなんだもので、その部族の聖地とされる場所は当協会の敷地に所在している[3](→エセレン族)。人口は白人が大部分を占め、高い教育を受けた人が多い[4]。海野弘は、ある特定の時期に不思議な人々が集まってきた特別な場所としてアスコナのモンテ・ヴェリタになぞらえている[5]。
この協会は、1960年代に始まったヒューマン・ポテンシャル運動における最大規模の「成長センター」であり、最も重要な役割を果たした[6]。エサレンの集団感受性訓練グループの革新的な利用、心身相関性への傾注や、現在も継続中のかれらの個人的意識における実験は、後に主流となる多くのアイデアを提起した[7]。
エサレンはスタンフォード大学の卒業生マイケル・マーフィーとリチャード・“ディック”・プライスによって1962年に設立された。かれらの意図は、オルダス・ハクスリーが「人間の可能性」(潜在能力)と表現した人間意識のオルタナティブな手法を確認することであった[8][9]。それからの数年間でエサレンは、東洋の宗教・哲学から代替医療や心身介入療法、ゲシュタルト療法に至るまでの、ニューエイジ運動を構成する諸実践と諸信念の施設となった[10]。エンカウンターグループ、ゲシュタルト療法、ボディワークの3つは、エサレンで開発された要素の中心であり、1960年代という時代と深く結びついている。これらは、20世紀初頭ヨーロッパから大戦を逃れてアメリカに来た人々によって持ち込まれた文化・研究を源とする[11]。エンカウンターという言葉は現在のプログラムのタイトルには見られず、ボディワークが中心になっている。
2016年まで、エサレンは自己啓発、瞑想、マッサージ、ゲシュタルト療法、ヨーガ、心理学、エコロジー、スピリチュアリティ、有機食品といった諸分野において[12]、年間500以上のワークショップを提供した[13]。2016年にはおよそ15000人がそれらのワークショップに参加した[14][15]。 エサレンはスタンフォード大学の卒業生マイケル・マーフィー (著作家)
目次
1 歴史
1.1 前史
1.2 設立後
2 ワークショップ
3 自由と自己責任
4 薬物とセックス
5 世間の反応
6 影響
7 脚注
7.1 注釈
7.2 出典
8 参考文献
歴史
前史