エコエコアザラク
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この項目では、古賀新一のホラー漫画『エコエコアザラク』について説明しています。タイトルの由来ともなったチャント(詠唱)については「エコ・エコ・アザラク」をご覧ください。

『エコエコアザラク』 は、古賀新一による日本ホラー漫画。また、それを原作としたテレビドラマ映画も繰り返し製作された。古賀自身の原動画による「止め画」と「動画」を混合したアニメ風の作品も製作された。
解説

黒魔術を駆使する若い魔女・黒井ミサ(くろいミサ)を主人公とし、ミサに関わる奇怪な事件、人々の心の闇を描く。原作の黒井ミサは、善人であれ悪人であれ場合によっては人を平気で惨殺する非情な魔女として登場、特に自分に対する性犯罪者に対しては容赦なく報復する場面がたびたび描かれた。

古賀新一へのインタビューによれば、ホラー漫画家としての15年間でネタが尽きた結果、苦手としていた魔女ものが浮かんだという。ミサのキャラクターはホラーの世界から自然に生まれ、その一方で親近感のある、どこにでもいそうな女の子であることに重点をおいたとしている[1]

ミサは魔女としての残忍さと普通の中学生(続編では高校生)としての可愛らしさを併せ持つ得体の知れないキャラクター(単発読み切りであった第1話では年齢等も含め完全に正体不明の辻占い師でしかない)であるが、回が進むにつれ、比較的明るい性格の娘へと変化していった。当初は怪異を起こす「加害者」としての立場が多かったが、連載後半では怪事件に巻き込まれる「被害者」になることも多くなった。また、別の悪と対決するスーパーヒロイン的要素も加味される。しかし、基本的には邪悪さを隠し持ったダークヒロインであった(REBORNでは得体の知れなさ、残忍さを強調した初期のキャラクターに近い描写に戻っている)。
漫画

秋田書店発行の『週刊少年チャンピオン』にて1975年9月1日号から1979年4月9日号まで連載するロングヒットとなった。単行本は全19巻。角川書店から文庫版全10巻が出ている。

ブラック・ジャック』(手塚治虫)、『ドカベン』(水島新司)、『750ライダー』(石井いさみ)、『がきデカ』(山上たつひこ)、『マカロニほうれん荘』(鴨川つばめ)などと並んで、同誌の黄金期を支えた連載漫画作品の一つであり、『ブラック・ジャック』の「魔女裁判」という話では、間接的に本作品を意識したと思われるコマが存在している[2]

1980年代には『月刊少年チャンピオン』にて「魔女黒井ミサ」「魔女黒井ミサ2」として高校生編を連載、さらに1993年からは同じく秋田書店のホラー漫画誌『サスペリア』に居を移し、「エコエコアザラク II」を連載した。

1998年10月からサスペリアにて新シリーズ[真・黒魔術エコエコアザラク]として連載開始。1999年2月にシリーズ最終回を迎えた。サスペリア に作者から最終回にあたってのコメントが掲載された。作品は単行本化されていない。

2009年5月28日発売の『週刊少年チャンピオン』第26号にて、同誌の創刊40周年記念企画として、30年ぶりの同誌登場となる読切新作が掲載された。

『エコエコアザラク REBORN』が、『チャンピオンRED』(秋田書店)にて2020年5月号から2023年5月号まで連載。全30話。作画は山田J太
ミサのキャラクター

本作品は上記の通り、主人公黒井ミサの特異なキャラクター性によって成立している。黒井ミサのキャラクター、設定は原作、映像作品を跨ぎ複数のバリエーションがある。ここではその原作版準拠の基本設定を中心に代表的な物を紹介する。
プロフィール

年齢:15歳

職業:原作1作目は中学生。続編である魔女黒井ミサ、魔女黒井ミサ2、エコエコアザラクII、REBORN、および映像版では高校生

出身:東京都

家族:臣夫(父)、奈々子(母)、恵理(亡妹※映像版ではアンリの名で登場)、サトル(叔父)、他に祖母が存在(名称不明)

身体的特徴

長い黒髪の美少女であり首筋にカエルの手のようなアザがある。これは悪魔との契約の証であり痛覚が無く、実際の魔女伝説に基づいている。

顎を外して顔をくしゃくしゃに出来る。そのためあだ名は「くしゃくしゃ人間」。

特技

タロット占い

剣道などの武術や、柔術らしき護身術を使い映像版では剣を使ったアクションも見せる

魔術に精通しており達人。復讐のため悪魔アスタロトを自らに憑依させ山犬に変化する、現場に落ちていた呪符を悪魔シャックスのものであることを即座に見抜くなどの場面が描かれている。

アルバイト

占い師の仕事のアルバイトをしており、原作の第1話でも辻占い師として登場している

黒井医院で看護師(看護婦)として働いている。映像版にも登場。

家政婦。映像版ではメイド姿も披露している。

その他、映像版では古本屋でのアルバイトや喫茶店でのアルバイトもしている。また原作版では、中学生であるにもかかわらず喫茶店の経営までしている。

呪文

"Eko, eko, azarak. Eko, eko, zomelak." というのはジェラルド・ガードナーが1949年に書いた小説 High Magic’s Aid に出てくる歌である(17章)。[3]以後、ガードナーの影響を受けた Book of Shadows によく出てくる[4][5][6][7]。ガードナーと共に Book of Shadows を書いたドリーン・ヴァリアンテによると、古い歌であり、意味は分からないとのこと[7]。Alex Sanders による1970年の録音 A Witch is Born や1971年映画 Secret Rites などによって一般に知られるようになった。漫画作品の中ではあたかも呪文 (spell) のように扱われているが、ガードナーの流れをくむウイッカ (Alexandrian Wicca も含む) では単なる歌 (song, chant) である[7]
映画
エコエコアザラク -WIZARD OF DARKNESS-

1995年4月8日公開。監督は佐藤嗣麻子。音楽は ALI PROJECT片倉三起也SFXスーパーバイザーに白組山崎貴。エコエコアザラク初の映像作品。ゆうばり国際冒険・ファンタスティック映画祭ヤング・ファンタスティック・グランプリ部門南俊子賞(批評家賞)受賞[8]

ラブストーリーの監督を希望する佐藤により、ほのかな恋愛要素が重視された[8]

本作品において、ミサがロケットに入れた何者かの遺髪に語りかけるシーンがあるが、これは後述の『エコエコアザラクII-BIRTH OF THE WIZARD』のある登場人物の物である。が、それだけでなく、このシーンが後発のある作品にも影響を与えている。
キャスト(映画第1作)

黒井ミサ:
吉野公佳

倉橋みずき:菅野美穂

新藤剣一:周摩

水野隆行:高橋直純

白井響子:高樹澪

田中和美:角松かのり

渡辺千絵:柴田実希

小沢由香:前園樹里

池野祐太:平林達樹

安倍伸宏:奥澤裕太

松本玲子:織原かおり

高田圭:南周平

吉田麻貴:田村美保

木村謙吾:須藤丈士

中村加奈:平山美花

沼田秀樹:岡村洋一

茶風林笹岡繁蔵梛野素子 ほか

スタッフ(映画第1作)

製作 -
ギャガ・コミュニケーションズ、円谷映像

監督・ストーリー原案 - 佐藤嗣麻子

脚本 - 武上純希

音楽 - 片倉三起也ALI PROJECT


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