エグモント_(劇音楽)
[Wikipedia|▼Menu]

音楽・音声外部リンク
全曲を試聴する

Beethoven - Overture to "Egmont", Op. 84 (Kurt Masur, Gewandhausorchester Leipzig)【映像】クルト・マズア指揮 ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団(2009)Euro Arts Channel 公式YouTubeMusica incidental para el drama 'Egmont', Op.84. L.van Beethoven - Natalia TrejosのS独唱、Alberto Correa指揮メデジン・フィルハーモニー管弦楽団(Orquesta Filarmonica de Medellin)による演奏。メデジン・フィルハーモニー管弦楽団公式YouTube。
.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}ポータル クラシック音楽

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの『エグモント』(Egmont)作品84は、ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテによる1787年の同名の戯曲(英語版)のための劇付随音楽。現在では序曲のみが単独で演奏されることがほとんどだが、他にソプラノ独唱を伴う曲を含む9曲が作曲されている。
概要エフモント伯爵ラモラール

1809年、ウィーン宮廷劇場の支配人であるヨゼフ・ハルトルはゲーテとシラーの戯曲に音楽をつけ、一種のオペラのようにして上演する計画を立てた。そして、ゲーテの作品から『エグモント』を選んでベートーヴェンに作曲を依頼した。ちなみに、シラーの作品から選ばれたのは『ヴィルヘルム・テル』であり、こちらはアダルベルト・ギロヴェッツに作曲が依頼された(なお、ベートーヴェンが弟子のカール・チェルニーに語ったところによれば、ベートーヴェンは本当は『ヴィルヘルム・テル』に曲をつけたかったようである)。しかし、敬愛するゲーテの作品ということもあり、否応なしに引き受けた。1809年10月から1810年6月までに作曲され、1810年5月24日ブルク劇場でベートーヴェン自身の指揮で初演された。なお、序曲は初演に間に合わず、6月15日の4回目の公演から付されたと考えられている。

作品の題材は、エフモント(エグモント)伯ラモラールの物語と英雄的行為である。作品中でベートーヴェンは、自らの政治的関心を表明している。圧政に対して力強く叛旗を翻したことにより、死刑に処せられた男の自己犠牲と、とりわけその英雄的な高揚についてである。初演後、この楽曲には称賛の評価がついて回った。とりわけE.T.A.ホフマンがこの作品の詩情を賛えたものが名高く、ゲーテ本人もベートーヴェンは「明らかな天才」であると述べた。
曲の構成.mw-parser-output .listen .side-box-text{line-height:1.1em}.mw-parser-output .listen-plain{border:none;background:transparent}.mw-parser-output .listen-embedded{width:100%;margin:0;border-width:1px 0 0 0;background:transparent}.mw-parser-output .listen-header{padding:2px}.mw-parser-output .listen-embedded .listen-header{padding:2px 0}.mw-parser-output .listen-file-header{padding:4px 0}.mw-parser-output .listen .description{padding-top:2px}.mw-parser-output .listen .mw-tmh-player{max-width:100%}@media(max-width:719px){.mw-parser-output .listen{clear:both}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .listen:not(.listen-noimage){width:320px}.mw-parser-output .listen-left{overflow:visible;float:left}.mw-parser-output .listen-center{float:none;margin-left:auto;margin-right:auto}}「エグモント」序曲Musopenよりこの音声や映像がうまく視聴できない場合は、Help:音声・動画の再生をご覧ください。

音楽・音声外部リンク
序曲のみ試聴する
Beethoven - Overture to 'Egmont' op.84 - クルト・マズア指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団による演奏。EuroArts公式YouTube。
L.v.Beethoven - 'Egmont' Overture, Op.84 - Cin-Chao Lin指揮Podlasie Opera and Philharmonic Orchestraによる演奏。Podlasie Opera and Philharmonic Orchestra(Orkiestra Opery i Filharmonii Podlaskiej)公式YouTube。
Beethoven:Egmont Overture - Shalom Bard指揮Toronto Symphony Youth Orchestraによる演奏。トロント交響楽団公式YouTube。
L.v.Beethoven 'Egmont' Overture, Op.84 - ソン・ギソン(成耆宣)指揮江南シンフォニー・オーケストラによる演奏。芸術の殿堂公式YouTube。

付随音楽は以下のような楽曲が含まれ、とりわけリート《太鼓が鳴ると Die Trommel geruhret 》や「クレールヒェンの死」が名高い。
序曲: Sostenuto, ma non troppo - Allegro、ヘ短調ヘ長調力強く雄渾多感な序曲は、ベートーヴェン中期の終わりに位置する作品で、序曲《コリオラン》や、2年早く完成された《交響曲 第5番》と同じくらいに有名であり、また作曲様式でも類似点が見られる。

リート: "Die Trommel geruhret"(太鼓が鳴ると)第1幕第3場の民家の場面で、クレールヒェン(クラーレ)が歌うリート。

アントラクト: Andante第1幕の幕が下りると演奏される幕間の音楽。

アントラクト: Larghetto第2幕の幕が下りると演奏される幕間の音楽

リート: "Freudvoll und Leidvoll"第3幕第2場でクレールヒェンが自宅で歌うリート

アントラクト: Allegro - Marcia第3幕の幕が下りると演奏される幕間の音楽

アントラクト: Poco sostenuto e risoluto第4幕の幕が下りきらないうちに演奏される幕間の音楽。下りきらないうちに演奏するのは、第4幕の最後でエグモントが逮捕され、冒頭3小節がその場面の音楽だからである。

クレールヒェンの死: Clarchens Tod第5幕第3場で、クレールヒェンの自宅の場面で演奏される音楽。ここでクレールヒェンが毒をあおって自決する。

メロドラマ: "Suser Schlaf"第5幕の獄中のエグモントの場で、エグモントのモノローグに続いて演奏される音楽

勝利のシンフォニア: Allegro con brioエグモントの最後の台詞の後、幕が下り始めると演奏される音楽。序曲のコーダと同一の楽曲であるが、こちらが先に完成されたと言われている。

上演について

初演後、「エグモント」が劇として上演された回数は不明(1973年ザルツブルク音楽祭の演劇部門で上演された記録がある)。一方で、劇の内容を語り手が説明し、上演する方法が比較的早い時期から行われていたようである。その際に使う説明文としては、かつてはフランツ・グリルパルツァーらが手がけたものを使用していたが、最近ではゲーテの原作から自由に台詞を抜粋して(ただし、話の流れを無茶苦茶にしない程度)上演する方法も多い。演奏会や録音等での語り手役には俳優などがしばしば起用され、例えば1991年ベルリン・フィルのジルヴェスター・コンサートで演奏されたときは、ブルーノ・ガンツが語り手を務めている。日本では1969年にNHK交響楽団川久保潔を語り手として上演している[1]
楽器編成(序曲)

フルート2(セカンドがピッコロ持ち替え)、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン4、トランペット2、ティンパニ弦5部
参考文献

藤田由之「劇音楽《エグモント》Op.84」『作曲家別名曲解説ライブラリー ベートーヴェン』音楽之友社、1992年

注・出典^ 1969年5月26日/27日 東京文化会館 指揮 ロブロ・フォン・マタチッチ ソプラノ 砂原美智子 台本 鈴木松子 ⇒第527回 NHK交響楽団定期公演

関連項目

ラモラール・ファン・エフモント

外部リンク

『エグモント』作品84
の楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト










ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン序曲

プロメテウスの創造物 - レオノーレ序曲第1番 - レオノーレ序曲第2番 - レオノーレ序曲第3番 - フィデリオ - コリオラン - エグモント - アテネの廃墟 - シュテファン王 - 命名祝日 - 献堂式


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:15 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef