エインヘリャル
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エミール・デープラーによって描かれたヴァルハラ内の様子。(1905年)ローランス・フレーリクによって描かれた、戦死者を運んできた3人のヴァルキューレがヘイムダルに迎えられる場面。ヴィクトル・リュードベリ(英語版)の1906年の著書『Teutonic Mythology』の挿絵より。

エインヘリャル[1]古ノルド語: einherjar)は、北欧神話でいう戦死した勇者。日本語表記では他にエインヘルヤル[2]、アインヘリヤル[3]もみられる。「死せる戦士たち」[4]とも呼ばれる彼らは、ヴァルキューレによってヴァルハラの館に集められる[5]
概要 

ラグナロクの際に、オーディン神々と共に巨人たちと戦うために、彼らは毎日朝から互いに殺し合い、戦士としての腕を磨いている。その戦いで死んだものは、夕方になると皆生き返り、傷ついた者も同じく皆回復して、夜には盛大な宴を行う。

殺しても翌日蘇るイノシシセーフリームニル(ゼーリムニルとも)の肉を食べ、ヤギヘイズルーンの乳で作った酒をヴァルキリーの酌で楽しむ。そして、翌朝になると再び戦いあう[5]

ヴァイキングの間では、死後ヴァルハラに迎えられることこそ、戦士としての最高の栄誉とされていた。そのため、エインヘリャルとしての復活を信じて戦場においても死を恐れることなく、キリスト教徒より勇敢に戦うことが出来たと考えられている[6]
ギュルヴィたぶらかし

ギュルヴィたぶらかし』では、ラグナロクの時にはエインヘリャルが皆甲冑に身を固め、同様に武装したアース神族とともに、ヴィーグリーズの野に攻め込んできた巨人の軍勢に向かって進軍する様子が書かれている[7](オーディン対フェンリルのように、特定のエインヘリャルが特定の敵と戦うエピソードはない)。

『ギュルヴィたぶらかし』には、また、次のようなことが書いてある。アルファズル(万物の父。オーディン)はまたヴァルファズル(戦死者の父)とも呼ばれる。それは、戦死者が1人残らず彼の養子となるからだ。オーディンは彼らをヴァルハラヴィーンゴールヴ(女神の宮殿)に送る。彼らはそこでエインヘリャル(エインヘルヤル)と呼ばれる。 ?  、『エッダ 古代北欧歌謡集』241-242頁
脚注[脚注の使い方]^ 『オージンのいる風景 オージン教とエッダ』(ヘルマン・パウルソン(英語版)著、大塚光子、西田郁子、水野知昭菅原邦城訳、東海大学出版会、1995年、ISBN 978-4-486-01318-1)などにみられる表記。
^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』などにみられる表記。
^ 『北欧の神話』などにみられる表記。
^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』241頁。
^ a b 『北欧の神話』34-35頁。
^ 『ノルウェーの歴史』15頁。
^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』276頁。

参考文献

V.G.ネッケル他編『エッダ 古代北欧歌謡集』
谷口幸男訳、新潮社、1973年、ISBN 978-4-10-313701-6

山室静『北欧の神話 神々と巨人のたたかい』筑摩書房〈世界の神話 8〉、1982年ISBN 978-4-480-32908-0

エイヴィン・ステーネシェン、イーヴァル・リーベク『ノルウェーの歴史』岡沢憲芙監訳、小森宏美訳、早稲田大学出版部、2005年、ISBN 978-4-657-05516-3

関連項目

ヴァルハラ

ヴィーンゴールヴ

ヘイズルーン

セーフリームニル

アンドフリームニル

エルドフリームニル

英霊










北欧神話
神々
英雄
登場人物

アース神族
ヴァン神族

男神

ウル

オーズ

オーディン

クヴァシル

ダグ

テュール

デリング

トール

エーギル

ニョルズ

ヴァーリ

バルドル

ヴィーザル

ヴィリとヴェー

ヒューキ

フォルセティ

ブラギ

フレイイングナ・フレイユングヴィ

ヘイムダル

ヘズ

ヘーニル

ヘルモーズ

マグニとモージ

マーニ

ミーミル

メイリ

ロキ

ローズル

女神

イズン

イルムル(英語版)

イルパ(英語版)

エイル

グナー

グルヴェイグ

ゲフィオン

ゲルズ

ゲルセミ

サーガ

シェヴン

シギュン

シヴ

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