エアバッグ
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この項目では、自動車などの安全装置について説明しています。エアサスペンションの空気ばねについては「空気ばね」を、レディオヘッドの楽曲については「エアバッグ (レディオヘッドの曲)」をご覧ください。
エアバッグ作動の状態 (完全展開時)エアバッグ作動後の状態(スペインの自動車セアト・イビサ、衝突を感知してから0.3秒で膨らむ).mw-parser-output .ambox{border:1px solid #a2a9b1;border-left:10px solid #36c;background-color:#fbfbfb;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .ambox+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+link+.ambox{margin-top:-1px}html body.mediawiki .mw-parser-output .ambox.mbox-small-left{margin:4px 1em 4px 0;overflow:hidden;width:238px;border-collapse:collapse;font-size:88%;line-height:1.25em}.mw-parser-output .ambox-speedy{border-left:10px solid #b32424;background-color:#fee7e6}.mw-parser-output .ambox-delete{border-left:10px solid #b32424}.mw-parser-output .ambox-content{border-left:10px solid #f28500}.mw-parser-output .ambox-style{border-left:10px solid #fc3}.mw-parser-output .ambox-move{border-left:10px solid #9932cc}.mw-parser-output .ambox-protection{border-left:10px solid #a2a9b1}.mw-parser-output .ambox .mbox-text{border:none;padding:0.25em 0.5em;width:100%;font-size:90%}.mw-parser-output .ambox .mbox-image{border:none;padding:2px 0 2px 0.5em;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-imageright{border:none;padding:2px 0.5em 2px 0;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-empty-cell{border:none;padding:0;width:1px}.mw-parser-output .ambox .mbox-image-div{width:52px}html.client-js body.skin-minerva .mw-parser-output .mbox-text-span{margin-left:23px!important}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .ambox{margin:0 10%}}

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エアバッグ(英語: airbag)とは、膨らんだ袋体を用いて移動体の運動エネルギーを吸収、もしくは衝撃緩和する装置のことである。

本項では後述のシートベルト補助として使われるSRSエアバッグも含め「エアバッグ」と記述する。

身近なところでは自動車の乗員保護システムの中の1つとして、シートベルトと併用して使われるSRSエアバッグシステム(SRSはSupplemental Restraint System(補助拘束装置)の略)がある。Supplemental(補助。栄養補助食品の意味で知られるSupplementの変化形。)とあるように、シートベルト着装をした上で、本来の効果がある乗員保護システムの1つである。したがって、シートベルトを着用していないとその効果は発揮されない。それどころか、最悪の場合はエアバッグにより死亡する場合もある(後述)。俗称や口頭上の説明では、SRSやシステムを省略して「エアバッグ」と呼ばれる。

前席(運転席と助手席)に加え、一部車種では後部座席用も用意された。現在では側面からの衝突に対応するサイドエアバッグやカーテンエアバッグ、膝にかかる衝撃を緩和するためのニーエアバッグ、さらにはシートベルトを膨らませる方式のものもある。

オートバイ自転車のライダー用や歩行者用のエアバッグも販売されている。また、火星探査機が火星に着陸する際にエアバッグを利用して着陸するなど、さまざまな方面で衝撃吸収のために利用されている。なお、エアバッグは保安基準の対象外であるため取り外しても特に罰則等はないが、取り外しや故障によって警告灯が点灯している場合は車検が受け付けられない[1]
エアバッグの仕組み[ソースを編集]
エネルギー吸収の原理[ソースを編集]エアバッグによるエネルギー吸収の概念図

例えばブレーキは、車体の運動エネルギーを熱エネルギーに変換して吸収するが、エアバッグは移動体の運動エネルギーを、ガスの運動エネルギーに変換し吸収する。

移動体がエアバッグに衝突するとエアバッグの容積を減少させる。この時エアバッグ内の圧力が高まるが、予めエアバッグには排出口(ベントホール)が開けられており、そのベントホールよりガスが勢いよく噴出する。(右図参照)

つまり、移動体がエアバッグに衝突するとエアバッグ内のガスが外へ噴出する構成とされている。このエアバッグの中から外へ移動するガスの運動エネルギーに置換されるのである。

ガスの運動エネルギーは、移動するガス重量とその速度で算出することが可能である。自動車用エアバッグの場合、移動するガス重量を25g、エアバッグに開いたベントホール(vent hole)から出るガス速度を350m/sec(高温の音速程度)とした場合、エネルギーの公式:E=mv2/2に当てはめると、2000Jのエネルギーを持つものとわかる。
エアバッグ特有のエネルギー吸収特性[ソースを編集]FMVSS 208試験による電気計測値グラフ(シートベルトなし、速度:25mph、助手席における)

ところで、上記のエネルギー吸収(以下EA:Energy Absorption)メカニズムは、エアバッグ内の圧力が充分高まった後にもたらされる作用で、移動体の接触直後には一定程度、空走が必要であることが知られている(右図赤線参照)。つまり、移動体がエアバッグに接触し、押し潰して容量が減少することにより、圧力が上昇するというプロセスが必要ということである。

これは同じくEAを目的とするショックアブソーバーと大きく異なる点で、ショックアブソーバーは「定型の容器」と内容物にはオイル等の非圧縮体を用いることが出来るので、荷重が加わると即時に内圧が高まり、最小限のストロークで抗力が立ち上がることが出来る。またその後一定の効力を保つことも容易で、効率的なEAとすることが可能である。理想的なEA波形とエアバッグのエネルギー吸収波形の比較

対してエアバッグは、形が定まっていない「不定形の袋体」と可圧縮体のガスを用いるので、接触初期には空走距離が構造的に必要で、ストロークの後半にやっと抗力が発生してEA効果を発揮することになるため、理想的なEAには程遠いものとなる。これは通常使用時に、コンパクトに収納できることとの相反で「エアバッグ」の宿命である(右図:エアバッグとショックアブソーバーのGS波形比較。面積がエネルギー)。
他[ソースを編集]

自動車用エアバッグにおける展開初期のアスピレート(aspirate)効果について:コンパクトに折り畳まれたエアバッグは、展開プロセスの初期にインフレーターのガス圧で急に移動させられるが、この時「発生したガス量はバッグ容量よりも少ない」場合、バッグ内は負圧となる。この時、ベントホールより周辺の空気をバッグ内へ吸引するアスピレート現象が発生し、インフレーター出力よりも多くのガスをエアバッグに取り入れることがある。

自動車用エアバッグにおいてベントホールの無いものもある。一般的なカーテンエアバッグ、サイドエアバッグ、ニーエアバッグ等がそうであるが、これらは袋体の厚みが運転席・助手席用に比べて薄いため、ベントホールを付けることが出来ず、袋体の容量も小さいため袋体内のガス移動によるEA効果も期待できない。そのためエネルギー吸収効果はほとんど無く、バッグを圧縮して上がった圧力は、ゴムボールのように再度移動体を跳ね返す仕事に変換される。しかし、これらは車室内構造物に直接接触するのを防ぐ事で衝撃を緩和し、ピークGの低減に貢献している。また、膨らんだ後にしばらく(数秒?十数秒)形状を保持する製品もあり、その形状(カーテン状等)が機能として衝突安全に寄与するものもある。

非自動車用途では、落下する物体を受け止めるためのエアバッグが存在するが、これらはスペース的な制約があまり無く、バッグの容量も自動車用に比べると非常に大きいため、バッグ内だけのガス移動のみで、エネルギー吸収が可能である。
歴史[ソースを編集]

最初の航空機および自動車のエアバッグに当たる発明は、二人のイギリス人歯科医Harold RoundとArthur Parrottによってアメリカで1919年に申請され1920年に受理された特許まで遡ることができる[2][3]

他の用途での空気で膨らませたクッション・バッグは1951年までには利用されるようになっていた[4][5]

ドイツ人技術者Walter Lindererはエアバッグの仕組みの特許を1951年10月6日にドイツにて申請し、1953年11月12日に承認された(#896,312)。衝突によってバネが跳ねると空気圧縮機がクッションを膨らませる仕組みであり、現在のより反応速度が速い火薬やより最新の電子スイッチ式の装置と比べると、この機械仕掛けのエアバッグの反応は安全な速さとは言えなかった[6][7]

アメリカ海軍に所属していた技術者John W. Hetrickは、現在のエアバッグにあたる安全クッションを1952年に設計し、8月5日に特許を申請、翌年1953年8月13日に承認された(#2,649,311)[8][9][10][11]。魚雷で用いられている空気圧縮技術を応用して、自動車事故の安全性を高める仕組みだった。Hetrickはアメリカの自動車会社でも働いていたが、会社側は彼の発明を製品化することに興味を示さず、この発明から10年以上たつまで市場に出ることはなかった。初めて彼の発明が搭載されたのは、1971年のフォード車だった[12]

Allen K. Breedは画期的な衝突検知の技術を1960年代後半に発明した。この技術では、磁石によってチューブに引っ付いた鉄球でできた電子機械式のセンサーで衝突から30ミリ秒でエアバッグのクッションを膨らませることができた[13]。また、圧縮空気ではなくアジ化ナトリウムの爆発でバッグを膨らませる技術も初めて用いられた[7]。Breedコーポレーションは、1967年にこの技術をクライスラーの車に搭載し初めて市場に出た。同様の衝突抑制器 Auto-Ceptor はEaton YaleとTowne Inc.によって開発され、フォードに搭載された[14][15]


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