ウルティマ
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『ウルティマ』(Ultima)は、オリジン社が発売したコンピュータRPGのシリーズ。作者はリチャード・ギャリオット

2DフィールドスタイルのコンピュータRPGの原形と言われており、ドラゴンクエストシリーズなど多くのコンピュータRPGが本作(もしくは本作に影響を受けたRPG)の影響を受けている。また、漫画化や小説化などもされている。

なお英語での呼称発音は「アルティマ」であるが、本シリーズではラテン語読みの「ウルティマ」が正しいとされる[* 1]
作品

ウルティマのベースとなっているのはアカラベスまたは、アカラベース(Akalabeth)と呼ばれるゲームである。

正編となるシリーズは全9作だが、大別すると以下の3部作に分類される。なお以下のU1からU9はナンバリングタイトルである『Ultima I』から『Ultima IX』までの略称を表す。
U1 - U3
暗黒時代(The Age of Darkness)ソーサリアや地球に襲来した悪の権化を打ち倒す英雄の物語。
U4 - U6
啓発の時代(The Age of Enlightenment)三原理と八徳という道徳理念を導入し、物語の根幹とする。U4ではゲームを通じてそれらを理解し、究めることで聖者アバタールとなるまでの軌跡を描く。その一方、U5では悪役ブラックソーンを通じて価値観の恣意的な曲解や強制から生じる危険性を訴え、U6ではガーゴイル族との戦争から和解に至る経緯を描くことで価値観の異なる他者との共存についての問題提起をしている。
U7 - U9
ガーディアン・サーガ(The Guardian Saga)三作を通して、ブリタニアを狙う最強最後の巨悪ガーディアンとの戦いを描く。強大な力を持ちながら敢えて力による征服を行わず、人々の心を腐敗させて悪に導くことでブリタニアを破滅させようとするガーディアンとの戦いは、アバタールにとってこれまで以上に過酷なものとなる。

またナンバリング以外のタイトルの略称は以下の通り。

World of Ultima: Savage Empire - SE

World of Adventure 2: Martian Dreams - MD

Ultima Underworld the Stygian Abyss - UW, UW1

Ultima VII add-on the Forge of Virtue - U7FV, FoV

Ultima Underworld II Labyrinth of Worlds - UW2

Ultima VII part two Serpent Isle - U7p2, SI, U7SI

Ultima VII part two Serpent Isle add-on the Silver Seed - U7SS, SS

Ultima Online - UO

Lord of Ultima - LoU

Ultima Forever Quest for the Avatar - UF

なお日本で発売されたタイトルは#移植版を参照。
Akalabeth「:w:Akalabeth: World of Doom」も参照

1979年発売。ロード・ブリティッシュの命により、世界にはびこる魔物を討伐し、騎士の称号を得るのが目的。すべてのマップがゲーム開始時に入力するラッキーナンバーにより自動生成されるという特徴がある。地上の2Dマップと地下の3Dマップが併存するU1と同様の設計は既に成立しており、後年発売された "Ultima Collection" には "Ultima 0" として収録されている。Apple IIバージョンのほか、Ultima Collection用に開発されたDOSバージョンと、GOG.comで配信されている別にDOSバージョンが存在する。マニュアル掲載のストーリーにはブリティッシュと対立する君主の名前としてモンデインの名が出てくるが、ゲームには直接登場しない。
Ultima I: The First Age of Darkness「:w:Ultima I: The First Age of Darkness」も参照

1981年発売。Ultimaシリーズの第1作。当初の題名は『Ultima』。不死の宝珠を持ち、その力によってソーサリア世界に災厄をもたらす魔導士モンデイン(Mondain the Wizard)を倒す、後にアバタールとなる勇者の冒険。

4つの大陸、8つの城と迷宮を駆け巡ってクエストをこなしつつ、ついには宇宙空間での戦闘艇戦も経て、王女に授かったタイムマシンを使ってモンデインが絶対的な力を得る前の1000年前の世界に戻り、不死の宝珠を破壊してモンデインを倒すことに成功した。

4大陸の1つである"Lands of Lord British"が後のブリタニアであり、残り3つのうち1つも後の作品で登場することになる。

後にリチャード・ギャリオットの正式なライセンスの下に、似た世界設定を持つQuestron(クエストロン)というコンピュータRPGが他社から発売されている。Apple II版は初期版と、U5のツールを使ったリメイク版が存在する。
Ultima II: The Revenge of the Enchantress「:w:Ultima II: The Revenge of the Enchantress」も参照

1982年発売。モンデイン討伐後、彼の弟子であり、歳若い妻でもあった魔女ミナクス(Minax)が復讐を開始する。

ムーンゲートをあやつり時間を移動することができた彼女は、太古の地球である伝説の時代に拠点を構え、歴史に介入して全面核戦争による世界の破滅を成し遂げる。これを修復するために、幾多の時代と太陽系を駆け巡ってミナクスを倒す手がかりを探す物語。

システム的にはほぼU1を踏襲している。
Ultima III: Exodus「:w:Ultima III: Exodus」も参照

1983年発売。甲板に「EXODUS」の血文字が書かれた無人の漂流船が発見された事件をきっかけに、ソーサリア大陸は再び災厄に見舞われる。ロード・ブリティッシュは再び勇者を召喚し、「EXODUS」の正体を探り、滅ぼすことを命じる。

シリーズ上パーティ制が初めて導入された作品で、Wizardryのように種族、職業が異なるキャラクターを自由に登録し、4人のパーティを編成できる。また、敵と接触すると戦闘画面に切り替わるようになった。戦闘ではタクティカルコンバットが採用され[1]、この形態は改良されながらU7まで引き継がれることになった。

本作では街などは10箇所以上、3D表示の地下迷宮は7箇所といった規模。「ムーンゲート」で各地をワープできるほか、海賊から船を奪い取って交通手段とすることができる。敵と戦い地下迷宮を探索し、ワールドマップとは別にある「アンブロシア」に突入、「EXODUS」の謎に迫る[2]
キャラクター

パーティーを組んで冒険をする4人のキャラクターを作成する。

種族は、全てに平均的な「人間」、器用さの最大値の高い「エルフ」、強さの最大値の高い「ドワーフ」、賢さの最大値の高い「ボビット」、器用さと知識の最大値の高い「ファジー」の5つ。

職業は、魔法は全く使用できないが重装備が可能な戦士や、なんでもこなせるレンジャーなど11種類。装備可能な武器・防具が設定されているほか[* 2]、罠外しや宝箱開けの適性および使用魔法、MP(マジックポイント)の値が設定されている[* 3][3]


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