ウルティマオンライン
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ウルティマオンライン
Ultima Onlineジャンル
多人数同時参加型オンラインロールプレイングゲーム
対応機種Microsoft Windows, Linux
開発元エレクトロニック・アーツ
運営元エレクトロニック・アーツ
販売元エレクトロニック・アーツ
人数マルチプレイヤー
メディアCD-ROM
稼働時期1997年7月24日
ダウンロード
コンテンツなし
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『ウルティマ オンライン』(Ultima Online 通称:UO)は多人数同時参加型オンラインロールプレイングゲーム。ネットワークRPGの始祖の一つと言われる。
概要リチャード・ギャリオット。
プロデューサー現役時代、ゲーム中では「ロード・ブリティッシュ」のキャラクターで参加していた。

本作はウルティマシリーズのプロデューサー、リチャード・ギャリオット (Richard Garriott) が指揮を執り開発された。ギャリオットが共同創設者の一人であり、1992年よりエレクトロニック・アーツ(EA)社の子会社であったOrigin Systems(OSI)社による制作である。2000年にギャリオットはOSI社退職の形でプロジェクトを離れ、また2004年にOSIが親会社に吸収され、現在はEA社が制作・販売を行っている。日本国内のサポート・運営は、EA社の日本法人であるエレクトロニック・アーツ株式会社が担当している。

初期の段階で様々に試みられた商用MMORPGにおいて、最初の成功例であり、またゲームシステムとしての完成度を示した作品でもあった。その後のオンラインRPGの発展に与えた影響には計り知れない物がある[1][2][3]。日本でも大きな成功を収め、現在では日本人ユーザーが利用者の半数近くを占めている[4]。米国で1997年9月24日発売開始。日本国内では1997年10月発売し、接続状況のあまり良くない海外サーバーでのみプレーできたが、後の1998年9月より日本サーバーの運用が開始された。

最大の特徴は、特に開発初期においてオンラインマルチプレイを前提とした、ワールドシミュレータを指向してゲームデザインが行われた事である。

広大なワールドマップにスキル制成長システムの創案、さらに生産システム、派閥戦争のサポート、殺人および殺人者の討伐(自警団)を成立させる独自の対人戦システム、本格的な家建築等々、今日のMMORPGに含まれるあらゆる要素の多くが、このゲームによって確立され、現在でも自由度において本作を超える完成度を持ったタイトルは存在しないと言われている。本作はレベルベースの成長システムを持つ戦闘だけを目的としたMMORPGとは異なり、一介の冒険者から、服屋や大工、果てはスリや凶悪殺人鬼まで、ありとあらゆる職業をロールプレイすることが可能である。
世界観

ウルティマオンラインのストーリーは本家ウルティマシリーズの1作目ラスト直前から始まる。かつて、邪悪な魔法使いモンデイン(Mondain)が、不死の宝珠(Gem of Immortality)の中に後のブリタニアとなるソーサリア(Sosaria)の世界を封印し、思うがままに支配していた。しかし異世界から召還された勇者(後のシリーズ作品でアバタール(Avatar)となる人物)によりモンデインは討伐され、不死の宝珠も粉々に砕かれたが、モンデインの力は消える事なく、砕かれた破片の一つ一つにも独立したソーサリアが存在する事となった。ウルティマ オンラインにおいて、1つのゲームサーバーの事をシャード(shard=破片)と呼ぶのはこの為である。

シャードには、幾つかの平行世界が含まれている。これらの平行世界は、破片の面に例えて、ファセット(Facet)と呼ばれている。魔法、もしくはムーンゲート(Moongate)によりファセット間を行き来する事が可能である。

時代設定としてはウルティマIの直後の世界ではあるが、これまでのウルティマシリーズおよび後年に追加された設定も盛り込まれている。例えば、派閥のひとつである「Minax」はウルティマIIの設定であり、その後の「Exodus」とそれに関連するイベントなどはウルティマIIIに端を発する。

それぞれは並行世界ではあるものの、シャードによっては世界の状況がまったく異なるという設定であるため、中にはひたすら戦乱が起きているシャード、極めて平和なシャードなどが存在し、いずれも独立して成長しているとされている。また、宝珠の破片=シャードはウルティマの現実世界ではモンデインの死後回収され、互いに影響しあわないように、クレイニンと呼ばれる魔法使いの手によって各地に分散・封印されている事になっている(つまり、ゲームサーバーが世界各地に設置されていることの暗喩である)。
冒険をする世界

ウルティマシリーズの舞台であるブリタニアが中心であるが、この世界はソーサリアの二つの月の名に由来する「トランメル」と「フェルッカ」と呼ばれる2つの平行世界に分かれている。トランメルが「平和」の世界であれば、フェルッカは「戦乱」の世界である。そのほかにも「ロストランド」「イルシェナー」「マラス」「徳之諸島」「ハートウッド」と呼ばれる世界がある。
フェルッカ
フェルッカ(Felucca)は最も初期から存在していたファセットの源流である。フェルッカは他のプレイヤーから攻撃されたり持ち物を盗まれるといったリスクがある世界でもある。そのため大半のプレイヤーはフェルッカでの活動を避ける傾向が顕著であり、トランメルに比べて人口が少ない。また、フェルッカとトランメルはその形状にほぼ違いはないが、孤島の「オクロー(Ocllo)」がトランメルには存在せず、トランメルの同座標には「ヘイブン(Haven)」という孤島が存在する(ウルティマシリーズのブリタニアとほぼ同一のマップ)。また、トランメルと比べて大地が荒れ果てているのが特徴的である(例えば、樹木に葉が茂っていない。骨が転がっている。血痕や墓石が至る所に点在するなど)。一方で戦闘に長けたプレイヤーはこのファセットを拠点として活動しているため、あえてこのファセットに乗り込み、独学では難しい対人戦の技術を、ここで活動する殺人ギルドや自警団(PKK。プレイヤーキラーキラー)ギルドなどに所属して学ぶプレイヤーも多い。フェルッカは他のファセットと比較して危険な冒険エリアではあるが、以下のような利点もある。

スキルの上限値を上昇させる特別なアイテム「パワースクロール」が入手できる

ステータスの上限値を上昇させる特別なアイテム「ステータススクロール」が入手できる

鉱石や木材などの資材が、他のエリアの2倍得られる

モンスターから取得できる戦利品の数が、他のエリアの2倍ある

一部のダンジョンにボスモンスターが存在する

拠点とするプレイヤー数がトランメルと比較して少ないため、建築用の土地にある程度余裕がある

トランメル
トランメル(Trammel)は、他者からのネガティブな干渉(攻撃・窃盗)をいっさい受けない世界である。本来、世界は一つのみであったが「フェルッカ」と「トランメル」に分裂した。フェルッカとほぼ同じ地形と街並みを持つが、フェルッカと比較して明るい雰囲気を持ち緑も豊かである。また、初心者のために用意された孤島「ヘイブン」が存在する。かつては対人戦を嫌ってトランメルに篭もっている者に対しての蔑称として「トラメラー(または、トラメリアン)」という言葉が存在した。しかし、現在では新たに追加された複数のファセットの大半が非対人戦エリアに設定されていることも手伝って、あまり聞かれることはなくなった。
ロストランド
ロストランド(Lost land)は正確にはファセットではなく、フェルッカとトランメルの地下にある広大な大地である。その大半が陸地で構成されており、亜熱帯の密林を思わせる。恐竜のような乗り物「オスタード」を飼いならせば馬と同じように便利な乗り物として使うことができる。当初は「ブリタニアの地下世界」として実装されたが、その後ブリタニアがフェルッカとトランメルに分裂したため、ロストランドは「フェルッカの地下」と「トランメルの地下」に別々に存在する。どちらのロストランドも住宅を建築する事はできない。ロストランドは「ザ・セカンドエイジ(The 2nd age)」で追加拡張された場所な為に、導入当時を知るプレイヤーの間で親しまれた「T2A」の名で未だに呼ばれることがある。
イルシェナー
イルシェナー(Ilshenar)は「冒険」をテーマとした世界であり、各地に特異なダンジョンや通常では出現しないモンスターが配置されており、未知の世界を探検する気分になれる。イルシェナー全土において一部の魔法の詠唱は制限され、住宅を建築することも出来ない。非対人戦エリアである。
マラス
マラス(Malas)は星海に浮かぶ世界であり、それまでの住宅地不足を解消するための広い平地と、「ドゥーム(Doom)」と呼ばれる高難易度の広大なダンジョンが用意されている。基本的にマラスにあるのは建築用の土地がほとんどであり、冒険には適さない。また、一見すると建築用の土地が有り余っているが、一部は制限がかけられており、システム的に住宅が建築できない状態である。このファセットも非対人戦エリアである。
徳之諸島
徳之諸島(Tokuno Island)は周りを海で囲まれた島々で構成された世界である。日本風の文化を持ち、日本的なアイテムが多数存在するが、それは日本風で日本的なだけであり、ニホンジンから見ればどことなく異質な雰囲気を感じさせられる土地である。島の集合体であるが故に土地は小さいものの、家を建築可能である。非対人戦エリアである。
ハートウッド
ハートウッド(Heartwood)はブリタニアと特殊なゲートで結ばれたエルフ達の住まう樹上の町である。住人のエルフからは金銭による売買ではなく(この世界のエルフには貨幣経済という概念がそもそも存在しないため)、多種多様な依頼(クエスト)を引き受けることでエルフ特有の様々な技術やアイテムを入手することができる。基本的に冒険用の土地ではなく、単なる街として存在するため、規模は他のファセットと比較してとても小さい。また、住宅を建築する事も不可能で非対人戦エリアとなっている。
テルマー
テルマー(Ter Mur)はガーゴイル族の独自文化をもつ世界である。独自の技術や文化、アイテムなどを入手することが出来る。忠誠度という独自のシステムがあり、ガーゴイル族の女王への忠誠度を高めることにより、特殊な施設の利用が可能になる、家の建築が可能になるなどの恩恵を受けることが出来る。一部にボスゾーンが設定されており対人可能なエリアも存在する。
スキルシステム

スキルシステムは本作最大の特徴の一つである。

キャラクターの成長には、他のRPGによく採用されている経験値の取得によるレベルアップ制ではなく「その技能にどの程度熟練しているか」を数値で表示するスキル制が採用されている。

魔法スキルなら、スキル値にあった難易度の魔法を実際に使うことによって魔法スキル値が上がっていき、上級レベルの魔法の使用の成功率も高まっていく。剣術等の戦闘技術ならば熟練することで命中率、回避率、与えるダメージなどが上がり、より強いモンスターと戦うことも可能になる。

スキルには戦闘に関した物だけではなく、資源を採取するための「採掘」や「伐採」、物を作るための「裁縫」や「鍛冶」、果ては「釣り」「窃盗」「地図解読」といった物まで用意されており、取得したスキルの組み合わせにより、キャラクター育成の自由度は非常に高いものとなっている。また、それぞれのパラメーターの上限が低いため、キャラクターの性能という点だけでは新しいプレイヤーが古くから参加しているプレイヤーに比べ、太刀打ちできないほど著しく不利になることは無い。
スキルとステータス
プレイヤーの基本的なステータス、体力・素早さ・知力もスキルと深い関わりがある。すべてのスキルはいずれかのステータスに常に作用する。魔法のスキルを上昇させれば知力が上がる、伐採のスキルを上げれば体力が上がると言った具合である。キャラクターのステータスを上げるにはスキルを上げる必要があり、上げたいステータスがあればそのステータスと連動したスキルを上げなければならない。また、ステータスにもスキルと同様に全体の上限と、各項目ごとの上限があり、基本的に上限を突破することはない。
スキルの限界と組み合わせ
キャラクターが持てる総スキル値には基本的に700.0という上限があり(プレイ年数を重ねる事により最大720.0まで上げる事が可能。また、アイテムなどによるスキルプラスはこの上限の制限を受けない)、一つのスキルの限界値は100.0(一部120.0のものもある)、上昇は0.1刻みとなっており、その範囲内で50種類以上あるスキルを自由に組み合わせることが可能である。基本としては7つのスキルを極める(100.0x7=700.0となる)のが一般的だが、必ずしもスキル一種類を100まで育て上げる必要は無く、中途半端に30や80などで止めるのも構わない。その場合、余った数値はまた別のスキルに回すこともできるため、一つのキャラクターで「侍・鍛冶屋・シェフ・魔法使い・獣医・裁縫屋・霊媒師・大工」などなんでも扱うことができるキャラクターを作る事も可能である(ただしこれは単に器用貧乏で、実際はほとんどなにもできないに等しい)。スキル性能をかならず最大限までスキルを上げなくとも良いという仕様により、スキルの組み合わせはほぼ無限であり、よりベストな組み合わせを試行錯誤する楽しみも大きい。また、自分がプレイしたいゲーム内の目的によってベストとなる組み合わせは常に変動するため、通常のレベル制MMORPGにありがちな、誰もが同じステータスで揃え、同じアイテムを装備しなければまともにプレイできないという状況になりにくいのも特徴的である。


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