ウルクの大杯
ウルクの大杯のオリジナル。前3200年-前3000年頃。イラク国立博物館収蔵。2019年3月時点
材質アラバスター
製作前3200年-前3000年頃
所蔵イラク、国立博物館
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ウルクの大杯またはワルカの大杯(Uruk vase、Warka Vase)は、古代都市ウルクの遺跡にあるシュメールの女神イナンナの神殿複合体跡(エアンナ地区)で発見された大型の杯。アラバスター製の浮彫が施されており、現在のイラク南部、ムサンナー県にある。ウルクのボウル
(英語版)やエジプトのナルメルのパレット(英語版)と同じく、物語の浮彫彫刻が施された作品の中では現存する最も古い作品の一つで、前3200年-前3000年頃のものと見られる[1]。シュメール美術の代表的傑作の一つとされ、図像の中に杯が2つ描かれていることから、本来は2つあり対になっていたと考えられている[2]。対応するペアの大杯は発見されていない[2]。製造時期がウルク古拙文字(楔形文字の原型)の登場時期前後であることから考古学的にも極めて重要な遺物である[2]。 ウルクの大杯はドイツのアッシリア学者たちが1933-1934年にウルクでの6回目の発掘を行った際に15個の断片となった状態で発見された[3]。この発見は1934年1月2日付けの調査フィールドブックに発見番号W14873として記録され、「"Groses Gefas aus Alabaster, ca. 96 cm hoch mit Flachrelief"(アラバスターの大きな容器。高さ約96センチメートルで浮彫(flat-reliefs)がある)と記載された[4]」。ウルクの大杯は古代に修復された痕跡があり、高さ1メートル(3フィートと4分の1インチ)であった[1]。別の資料はそれよりも僅かに大きな数値を記載しており、高さ106センチメートル、上部の直系は36センチメートルであるとしている[5][6]。ウルクの大杯あるいはワルカの大杯という名称は現代のワルカ村(古代シュメール人の都市ウルク)にちなんで名づけられた。オリジナルから石膏で型を取って作られたレプリカはドイツにあるベルリン中東博物館 ウルクの大杯の外周には3つの彫刻のレジスタ(registers
発見
装飾
ウルクの大杯の図像下段は豊穣の光景を、中段は収穫物の奉納を描いたものと思われ、上段は都市国家の王が豊穣を祈願または感謝する場面であると考えられる[12]。