ウリチ
[Wikipedia|▼Menu]
.mw-parser-output .hatnote{margin:0.5em 0;padding:3px 2em;background-color:transparent;border-bottom:1px solid #a2a9b1;font-size:90%}

この項目では、現代ロシアハバロフスク地方の民族について説明しています。キエフ・ルーシ期の歴史的部族については「ウリチ族 (東スラヴ系)」をご覧ください。

ウリチ1920年代のウリチの男女
総人口
約3200人
居住地域
ロシア 約3200人(1989年)
言語
ロシア語ウリチ語
宗教
シャーマニズム正教会
関連する民族
ナナイウィルタオロチネギダールニヴフアイヌ

ウリチ族(ウリチ語: нани、ロシア語: ульчи 、英語 Ulch)は、ツングース系民族の一つで、主にロシア連邦アムール川下流域(ハバロフスク地方ウリチ地区)に居住する。ナーニ(Naani)、オルチャ(Olcha)、マングン(Mangun)などの呼称でも呼ばれる。山丹交易で知られる山丹人はウリチに推定されている。現在は一部がロシア人との混血が進んでいる。
概要ウリチの男性(1960-70年代)

ウリチはアムール川最下流に居住するニヴフ、上流のウスリー川の合流地点などに住むナナイに挟まれる形でアムール川下流域に居住しており、他にも北でネギダールと、南でオロチと接している。

1989年の人口調査では約3200人がロシア国内に居住するが、その30%ほどのみがウリチ語を母語とする。ウリチ語は南部ツングース諸語に属しており、特にナナイ語の下流方言・ウィルタ語との共通性が高い。

主な生業は漁労であり、チョウザメコイをかぎ針、網などを用いて採集する。狩猟は二次的な生業であり、冬期に食用としてクマを、毛皮用にテンリスを狩猟する。ロシア人の進出によって現代ではジャガイモを中心とした農業、牛・豚の飼育も行われており、生活様式がロシア化している。
山丹交易

間宮林蔵が記録した山丹人の自称「マンゴー」とウリチの呼称の一つ「マングン」が一致すること(正確な形は「マングーニ(Manguni,アムール川の人々の意)」と推定されている)、山丹人の居住地が概ね現代のウリチの居住地域と一致することなどから、ウリチは日本語史料に登場する山丹人であると推定されている[1]

一方、清朝の史料ではアムール川最下流の集団をフィヤカ(ニヴフに比定)、その上流の集団をヘジェ(ナナイに比定)と呼んでおりウリチ(山丹人)にあたる集団が存在しない。しかし、清朝における「ヘジェフィヤカ」(満洲語: .mw-parser-output .font-mong{font-family:"Menk Hawang Tig","Menk Qagan Tig","Menk Garqag Tig","Menk Har_a Tig","Menk Scnin Tig","Oyun Gurban Ulus Tig","Oyun Qagan Tig","Oyun Garqag Tig","Oyun Har_a Tig","Oyun Scnin Tig","Oyun Agula Tig","Mongolian Baiti","Noto Sans Mongolian","Mongolian Universal White","Mongol Usug","Mongolian White","MongolianScript","Code2000","Menksoft Qagan"}.mw-parser-output .font-mong-mnc,.mw-parser-output .font-mong:lang(mnc-Mong),.mw-parser-output .font-mong:lang(dta-Mong),.mw-parser-output .font-mong:lang(sjo-Mong){font-family:"Abkai Xanyan","Abkai Xanyan LA","Abkai Xanyan VT","Abkai Xanyan XX","Abkai Xanyan SC","Abkai Buleku","Daicing White","Mongolian Baiti","Noto Sans Mongolian","Mongolian Universal White"}????
????????, heje fiyaka)はアムール川下流域一帯の住民の代名詞という意味合いが強く、ウリチ(山丹人)はヘジェとフィヤカ両方にまたがる形で居住していたと考えられる。

清朝の辺民制度に入ったアムール川下流域の氏族の内、キジン姓、ハルグン姓、ウディル姓、ロンキル姓などは現代のウリチにあたる氏族であったと推定されている[2]。また、トゥメリル姓、ガキラ姓、チャイセラ姓、ブルガル姓などはナナイとウリチの境界地帯に居住しており、一概に帰属を決めるのが難しい両者の中間氏族と考えられる。
遺伝子

ウリチは他のツングース系民族と同様、ハプログループC2 (Y染色体)が高頻度であり、69%見られる[3]
脚注^ 佐々木史郎『北方から来た交易民?絹と毛皮とサンタン人』日本放送出版協会、1996年 第一章
^ 松浦茂『清朝のアムール政策と少数民族』京都大学学術出版会、2006年 第七章
^ E. V. Balanovska, Y. V. Bogunov, E. N. Kamenshikova, et al., "Demographic and Genetic Portraits of the Ulchi Population." ISSN 1022-7954, Russian Journal of Genetics, 2018, Vol. 54, No. 10, pp. 1245?1253. doi:10.1134/S1022795418100046

参考文献

綾部恒雄『世界民族辞典』弘文堂、2000年

朝克(丸山宏・上野稔弘編訳)東北アジア研究シリーズB『ツングースの民族と言語』 東北アジア研究センター、2002年

松浦茂『清朝のアムール政策と少数民族』京都大学学術出版会、2006年

佐々木史郎『北方から来た交易民?絹と毛皮とサンタン人』日本放送出版協会、1996年

関連項目

山丹交易

ナナイ

ウィルタ










ツングース系民族
北方群



エヴェン

エヴェンキ系

エヴェンキ(ソロン族(英語版) / キリ

オロチョン

ネギダール


南方群

ナナイ系

ナナイホジェン族 / ゴリド / サマギール)

ウィルタオロッコ

ウリチ

ウデヘ系

ウデヘ

オロチ

ターズ

満洲系

満洲族

シベ族


歴史上



粛慎 (定説無し)

?婁 (定説無し)

勿吉 (定説無し)

室韋 (定説無し)

靺鞨 (定説無し、黒水靺鞨粟末靺鞨など)

女真 (五国部;建州女真海西女真野人女真)

ドゥチェル(英語版)

マネギール


カテゴリ










ロシアおよび周辺の民族
印欧系

スラブ系

ロシア人

ウクライナ人

ロシアのウクライナ人(英語版)

ルシン人


ベラルーシ人

ポーランド人

ブルガリア人

インド・イラン系

オセット人

タジク人

ロマ

その他

アルメニア人

ロシアのアルメニア人


モルドバ人

ポントス人

ヴォルガ・ドイツ人


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:25 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef