ウランゲリ島保護区の
自然体系
(ロシア)
ウランゲリ島に広がるツンドラ
英名Natural System of Wrangel Island Reserve
仏名Systeme naturel de la Reserve de l'ile Wrangel
面積916,300 ha
(緩衝地域 3,745,300ha)
登録区分自然遺産
IUCN分類Ia
登録基準(9), (10)
登録年2004年
公式サイト世界遺産センター
ウランゲリ島(ウランゲリとう、ロシア語: Остров Врангеля, ラテン文字転写: Ostrov Vrangelya、英: Wrangel Island)は、北極海、東シベリア海とチュクチ海との間にあるロシア領の島。英語名はランゲル島[1]。極東連邦管区のチュクチ自治管区に所属している。大陸とはロング海峡を挟む。経度180度の子午線が通るが、日付変更線は島の東側に引かれている。 ウランゲリ島はツンドラ気候に属するが、第四紀の氷河期に氷河に覆われなかったため、生物多様性は非常に高く、23種の固有種を含む417種または亜種の維管束植物が確認できる。島は多くのタイヘイヨウセイウチ、トナカイ、ホッキョクギツネの生息地およびアザラシ、ウランゲルレミング
概要
島の名前は探検家フェルディナント・フォン・ウランゲルにちなむ[3]。彼はチュクチ族から島の位置を聞いて探索に向かったものの、見つけることはできなかった。島を「発見」したのはアメリカの捕鯨船船長トマス・ロング(Thomas Long)である。
1911年には、ロシア人のグループが上陸した。1921年、カナダの探検家ヴィルヒャムル・ステファンソンはこの島をカナダ領とするため、カナダ人1名・アメリカ人3名・イヌイット1名、合計5名からなる移住者の一行を送った。しかしこの初期メンバーで生き残ったのはイヌイット1人のみであった。1923年にはあらためて13名(アメリカ人1名・イヌイット12名)からなる移住グループをこの島に送り込んだが、1924年にソビエトはステファンソンの送り込んだイヌイットを国外退去させ、現在ある町をつくった。
最後の氷河期、ウランゲリ島にはマンモスが生息していた。このマンモスは島嶼化によって一般的なマンモスより小型だった。考古学的証拠から、紀元前1700年頃に最後のマンモスがこの島で原住民に狩猟されて絶滅したと考えられている。
ただし最新の研究で、こうした考えに疑問が出され、人類の到達する約100年前にマンモスが絶滅していると考えられること、遺伝的多様性も維持されていたという調査結果から、環境の緩やかな変化や狩猟によってではなく、巨大な嵐、細菌、ウイルスといった突発的な事件によってマンモスは絶滅したのではないかという説も出されている[4]。詳細は「マンモス#絶滅」を参照
同島と周辺のヘラルド島(ゲラリド島)を含む自然保護区は、2004年にはユネスコの世界遺産に自然遺産として登録された[2]。 ケッペンの気候区分ではツンドラ気候(ET)に属する。 ウランゲリ島の気候
気候
月1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月年
最高気温記録 °C (°F)1.5
(34.7)?0.2
(31.6)0.2
(32.4)2.5
(36.5)9.6
(49.3)15.9
(60.6)18.2
(64.8)16.7
(62.1)11.9
(53.4)5.3
(41.5)1.8
(35.2)2.0
(35.6)18.2
(64.8)
平均最高気温 °C (°F)?19.4
(?2.9)?19.9
(?3.8)?18.6
(?1.5)?12.8
(9)?2.9
(26.8)3.4
(38.1)5.9
(42.6)5.2
(41.4)1.8
(35.2)?4.1
(24.6)?10.4
(13.3)?16.8
(1.8)?7.4
(18.7)
日平均気温 °C (°F)?22.8
(?9)?23.5
(?10.3)?22.4
(?8.3)?16.6
(2.1)?5.7
(21.7)0.9
(33.6)3.0
(37.4)2.8
(37)0.0
(32)?6.1
(21)?12.9