この項目では、植物について説明しています。
その他については「うめ」をご覧ください。
ウメ
ウメの花(白梅)
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
Siebold et Zucc. (1836)[2]
シノニム
Armeniaca mume Siebold (1830)[3]
Armeniaca mume (Siebold et Zucc.) K.Koch (1853)[4][5]
和名
ウメ(梅)
英名
Chinese plum[6][7][8][注釈 1]
Japanese apricot[11][12][13]
Japanese plum[14][注釈 2] (日本語)
ウメ(梅、学名: Prunus mume)は、バラ科サクラ属の落葉高木、またはその果実のこと。果実を利用する品種は「実梅」として扱われ、未熟なものは有毒であるものの、梅干などに加工して食用とされる。樹木全体と花は鑑賞の対象にもなり(花梅)、日本には花見や梅まつりが開かれる梅林や梅園が各地にある(月ヶ瀬梅林、偕楽園[16]、吉野梅郷など)。枝や樹皮は染色にも使われる。
日本では6月6日が「 梅の日 」とされている。天文14年4月17日(旧暦、1545年6月6日)、賀茂神社の例祭に梅が献上された故事に由来する[17]。 中国中部原産の落葉広葉樹の小高木から高木[18][19]。古くから栽培され、野生化もしている[18]。日本でもよく知られる果樹や花木で、多数の園芸品種がある[20][21]。樹皮は紫褐色で縦に不規則に割れ、小枝の先はとげ状になることもある[22]。一年枝は、緑色でほぼ無毛であるが、白い細かな点がある[22]。老木の樹皮にはウメノキゴケなどの地衣類がよくつく[22]。冬芽は互生し、花芽と葉芽がはっきりしている。花芽は赤褐色の広卵形で、11 - 14枚の芽鱗に覆われ、1か所に2、3個つく[23][22]。葉芽は濃褐色の円錐形でごく小さく、多数の芽鱗で覆われ、枝先には仮頂芽がつく[22]。葉痕は半円形で、維管束痕が3個ある[22]。 早春、葉に先だって前年枝の葉腋に1 - 3個の花がつく[21]。毎年1 - 3月ごろに[24]、5枚の花弁のある1センチメートルから3センチメートルほどの花を葉に先立って咲かせる。花の色は白、淡紅、紅色など[20]。花柄は短い[25]。葉は互生で先が尖った卵形で、周囲が鋸歯状。 果実は6 - 7月頃に結実し[20]、形は丸く、片側に浅い溝があり、細かい毛が密生する[21]。果実の中には硬い核が1個あり、中果皮で、表面にくぼみが多い[21]。未熟果に青酸を含むため、生で食べると中毒を起こすと言われている[21]。青ウメの果実は燻製にして漢方で烏梅(うばい)と称して薬用されるほか、民間で梅肉エキス、梅干し、梅酒に果実を用いる[21]。可食部である果肉部分は、子房の壁が膨らんだもので、構成する細胞の遺伝子は母となる雌由来である[19]。中にある種子は、半分は花粉由来なので、種子から発芽した株は母株と同じ性質になるとは限らない[19]。しかし、果肉については母由来のため、雄親である花粉が様々異なっても、同じものができる[19]。 ウメは花・香り・樹形が観賞の対象とされるほか[26]、果実が食用にされる。また、ウメの花の萼(がく)を梅干しの梅肉とともに漬けたものに梅花漬がある[27]。 日本では北海道から沖縄までの各地で栽培されている[18]。あまり土質を選ばない性質で、刈り込みにも強く、樹形の仕立てが容易である[18]。栽培品種の数は300あまりといわれ[28]、自家結実する品種[29]と自家結実しない品種[30]がある。ウメは自家不和合性が強いため、果実を目的とした栽培では、1品種だけの栽培を避けて、花粉親として少しだけ性質が異なる異品種を混植して栽培を行う[21][19]。ウメの果実を植えてて育ててもなかなか開花しないため、もっぱら挿し木あるいは接ぎ木による苗作りが必要となる[28]。
特徴