ウシエビ
ブラックタイガー・フィリピン産
分類
界:動物界 Animalia
門:節足動物門 Arthropoda
亜門:甲殻亜門 Crustacea
綱:エビ綱(軟甲綱) Malacostraca
目:エビ目(十脚目) Decapoda
亜目:クルマエビ亜目(根鰓亜目)
Dendrobranchiata
上科:クルマエビ上科 Penaeoidea
科:クルマエビ科 Penaeidae
属:ウシエビ属
ウシエビ(牛海老)、学名 Penaeus monodon は、十脚目クルマエビ科に属するエビの一種。インド太平洋の熱帯・亜熱帯域に広く分布する大型のエビである。食用として世界各地で利用されており、ブラックタイガー[1]という別名でよく知られている。漁業や養殖の重要種である。 成体の体長は30cmほどで、クルマエビ科でも最大の部類に入る。最大で体長36cm・体重600gという記録もある。体は前後に細長く、額角の鋸歯は上縁に7-8歯、下縁に2-3歯がある。頭胸甲背面中央には額角から続く隆起があるが、両側の側溝は前半部だけに限られる[2][3]。体色は全体的に灰褐色で、不明瞭な黒い縞模様がある。ただし新鮮な個体では腹節や歩脚・腹肢に黄色の縞模様が入る。 クルマエビに似ているが、生体は全身の黒みが強く黒の縞模様も不明瞭なこと、額角の鋸歯の数が異なること、頭胸甲背面中央の側溝が前半部しかないことで区別できる。 西日本、オーストラリア北岸、南アフリカ東岸まで、インド太平洋の熱帯・亜熱帯域に広く分布する。日本では東京湾以南に分布するが、分布域の北限にあたり個体数が少なく、日本産・天然もののウシエビが市場に流通することはまずない[2][4]。 浅い海の砂泥底に生息するが、汽水域、さらには淡水域にも適応する[2]。食性は雑食性で、藻類や貝類、多毛類などを食べる。 食用として重要な種類である。東南アジアを中心とした分布域各地でさかんに養殖され、日本を含む世界中に流通する[2]。日本のエビの輸入量の4割前後を占める重要種で、主な輸入元はインドネシア、インド、ベトナムである。クルマエビ科の中では大型に成長し、成長も早い。 クルマエビに比べると生の状態では黒っぽいが、熱を通すと一様に薄紅色になる。日本では国産クルマエビよりも安価に流通し、エビフライ、天ぷら、塩ゆで等様々な料理に使われる。 しかし、熱帯地域では本種の大量養殖によるマングローブや汽水域の環境破壊・排水による環境汚染が問題視されている。また高密度で飼育するため伝染病が蔓延しやすいこと、伝染病予防のため使用する抗生物質、エビ流通に係る関税等の諸問題もあり、これらへの対策も含めて世界中で研究が続いている[5]。 台湾では1968年に廖一久
特徴
利用
日本では、「東南アジアのエビ養殖場に出資すれば利益になる」とし金を騙し取る大規模な詐欺事件が起こった(ワールドオーシャンファーム詐欺事件)。