このページ名「ウガリット文字」は暫定的なものです。
代案としてはウガリト文字があります。
議論はノートを参照してください。(2019年6月)
.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}この項目には、一部のコンピュータや閲覧ソフトで表示できない文字(追加面)が含まれています(詳細)。
ウガリット文字
類型:アブジャド (ただし音節文字3文字を含む)
言語:ウガリット語, フルリ語
時期:紀元前1500年頃
親の文字体系:原シナイ文字 + 楔形文字
ウガリット文字
Unicode範囲:U+10380-U+1039F
音素文字の歴史
青銅器時代中期-原シナイ
前19-15世紀
ウガリット 前15世紀
原カナン 前14世紀
フェニキア 前11世紀
古ヘブライ 前10世紀
サマリア 前6世紀
アラム 前9世紀
ブラーフミー 前6世紀
(インド系)
チベット 7世紀
クメール 7世紀
ジャワ 9世紀
他多数
ヘブライ 前3世紀
シリア 前2世紀
ナバテア 前2世紀
アラビア 4世紀
ペルシア 7世紀
ウルドゥ 11世紀
ターナ 18世紀
パフラヴィ 前2世紀
アヴェスタ 4世紀
ソグド
突厥 5世紀
ウイグル 8世紀
(契丹小字 10世紀)
(女真小字 12世紀)
モンゴル 13世紀
満洲 16世紀
シベ 20世紀
トド 17世紀
ワキンダラー 20世紀
ギリシア 前9世紀
エトルリア 前8世紀
ラテン 前7世紀
ルーン 2世紀
オガム 4世紀
ゴート 4世紀
コプト 300年
グルジア 4世紀
アルメニア 405年
グラゴル 862年
キリル 10世紀
イベリア 前6世紀
南アラビア 前9世紀
ゲエズ 前5–6世紀
メロエ 前3世紀
カナダ先住民 1840年
注音 1913年
ウガリット文字(うがりっともじ、英: Ugaritic alphabet)は、ウガリット語の表記に用いられた表音文字。また、フルリ語の表記にも用いられた。原シナイ文字に続く世界最古の音素文字の一つであると言われる。
地中海沿岸の古代都市ラス・シャムラ(シリア)のウガリットの遺跡で発見された粘土板文書が代表的史料とされる。1930年にドイツ人ハンス・バウアーによって解読された。楔形文字の一種だが、メソポタミアで用いられたものが表意文字の性格を色濃く残しているのに対しこちらはほぼ完全に表音文字となっている。音素文字化もある程度進んでおり、字母数はメソポタミアのものよりはるかに少ない。また画数が大幅に減らされているなど、簡略化が進んでいる。発見された粘土板の中に、文字を学ぶ者のために書かれたと思われる文書が存在している。アルファベット文字をギリシア語のアルファ、ベータ…と同じ順に並べて記している。
音節文字3字と音素文字(子音のみを表す)27字、句読点1字の計31文字から構成される。左から右に横書きされる。
以下に画像で字形とラテン文字転写を示す。
以下は、各文字に対してのラテン文字転写とおおよその発音である。いずれも再建音であり、史実とは異なる可能性もある。参考程度にとどめられたい。
ウガリット文字ラテン文字転写発音
??a/ʔa/ 原則として音節文字で声門破裂音と母音/a/の組み合わせ。外来語の音写では音素文字として母音/a/を表す。 また、長母音/a:/の長音符号として使われる場合もある。
?b/b/
?g/g/
?ḫ/x/ 無声軟口蓋摩擦音。kの位置で発音される「ハ」音。
?d/d/
?h/h/
?w/w/
?z/z/
?ḥ/?/ 舌を奥に引いて発音する強勢音の「ハ」行子音。
?ṭ/t?/ 舌を奥に引いて発音する強勢音の「タ」行子音。
?y/j/ 「ヤ」行子音
?k/k/
?š/ʃ/ 「 シャ」行子音。
?l/l/
?m/m/
?ḏ/δ/ 英語での"the"のth音。
?n/n/
?ẓ/θ?/ 舌を奥に引いて発音する強勢音の「ザ」行子音。
?s/s/
?‘/ʕ/ アラビア語のアインに近い有声喉頭蓋摩擦音。
?p/p/
?ṣ/ts/ ツァ行子音。または舌を奥に引いて発音する強勢音の「サ」行子音。
?q/q/ 舌を奥に引いて発音する強勢音の「カ」行子音。
?r/r/
?ṯ/θ/ 英語での"think"のthに近い無声歯摩擦音。
?ġ/γ/ アラビア語ガインに近い有声軟口蓋摩擦音。
?t/t/
??i/ʔi/ 原則として音節文字で声門破裂音と母音/i/の組み合わせ。