ウォーキング・デッド
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この項目では、グラフィックノベルについて説明しています。

テレビドラマ版については「ウォーキング・デッド (テレビドラマ)」をご覧ください。

コンピュータゲーム版については「ウォーキング・デッド (ゲーム)」をご覧ください。

原題が「The Walking Dead」であるマイケル・カーティス監督の映画作品については「歩く死骸」をご覧ください。

『ウォーキング・デッド』(The Walking Dead)は、ロバート・カークマン、トニー・ムーア、チャーリー・アドラードによるグラフィックノベル・シリーズ[1]。なお、トニー・ムーアが作画したのは第一章までの数話のみで、以降はチャーリー・アドラードが描いている[2]。また、チャーリー・アドラードが担当後はキャラクターの性格設定や描写などが過激なものへ修正されている[3]。原作の日本語訳版は1?7までは飛鳥新社から発売されている[4]が、8からはヴィレッジブックスから発売されている。翻訳は風間賢二が担当している。2010年10月31日から2022年まで、アメリカ合衆国のケーブル・テレビ・チャンネルのAMCでドラマ化された。(ドラマ「ウォーキング・デッド」)
あらすじ

『ウォーキング・デッド』は、ゾンビによる世界の終末を迎えた後の物語であり、荒廃したアメリカ合衆国で安住の地を求めてウォーカーの集団から逃れつつ旅をする少人数のグループを描く。ウォーカーとはあらゆる生き物をむさぼり食う動く死人で、人間は脳が無事なまま死亡するとウォーカーになってしまう。第一章はアトランタでのウォーカーとの戦いで始まるが、第二章からは街を離れ主に刑務所を舞台とした人間同士のぶつかり合いが描かれていく。
第一章「過ぎ去りし日々」《Volume 1『DAYS GONE BYE』》

田舎町の警察官リック・グライムズは職務中に撃たれ、昏睡状態に陥る。どれほど気を失っていたのか、目を覚ましてみると病院内には人気がない。それどころか、動き回る死体で廊下はあふれ返っている。外に出ても状況は変わらず、荒廃しきった景色の中で、死体が蠢いている。

リックは、妻と息子の姿を求めて自宅へ戻る。だが、そこももぬけの殻となっていた。絶望する彼の頭を一撃するスコップ。気がつくと、黒人親子の姿がある。付近に残った唯一の生存者、モーガンとデュエイン親子だった。ゾンビと勘違いしたデュエインが、リックを殴り倒したのだった。

ゾンビの大発生と、社会システムの崩壊。その経緯を聞かされるリック。付近の住民たちは、最も近い大都市であるアトランタへの避難を指示されたのだと言う。ならば妻子もまたそこにいるに違いないと考える。

まずは勤務先であった警察署へ行き、武器を集め、車両を調達する。その土地に残ると言うモーガン親子と別れ、リックはひとりアトランタへ向かう。だが、ようやくたどり着いた街は、完全にゾンビの支配下にある。

危ういところで、ひとりの若者グレンに命を救われるリック。その手引きによってからくも脱出し、生存者たちの住むキャンプ地へ案内される。すると、そこには妻であるローリと息子のカール、そして元同僚の親友シェーンの姿があった。アトランタ入りに一歩遅れた人間たちが郊外に留まり、野営を続けていたのである。再会を喜び合う三人の姿を、なぜかひとりシェーンだけが複雑な表情で見守る。

仲間に迎え入れられたリックは、アトランタ市内からの武器調達を提案し、グレンと共に出発する。死体の腐臭を身体に染み付かせれば、ゾンビたちの目を欺き、市中深く侵入することができるのではないか、というのがリックの考えであった。

果たして、目論見は的中する。襲われることなく、ゾンビたちのただなかを鉄砲店にたどり着く。用事を済ませたところで、雨が降り始める。雨は臭いを洗い流し、たちまちゾンビが襲いかかる。だがふたりは、ふたたび危ういところで難を逃れる。

武器の揃ったキャンプ地では射撃練習がはじまり、仲間のひとりであるアンドレアが意外な才能を見せる。

一方で、野営地には冬が迫り始める。一行は、同じ土地に留まるか、移動を開始するかの判断を迫られる。リックは、救援部隊が来ることはないと判断し、危険な大都市近郊離脱を主張する。シェーンは、その悲観的な考えを否定し、あくまで留まるべきだと言い張る。そうした議論においても、奇妙に感情的になるシェーンを、リックはいぶかしげに見つめる。

しばらくの間判断は保留されるが、ある晩、キャンプ地はゾンビの大群に襲われる。アンドレアの妹エイミーが命を落とし、機械工のジムが負傷する。腕を齧られたジムは徐々に容態を悪化させ、同じように命を落とした家族に合流すべく、ゾンビになることを自ら選択する。

この事件を契機に、シェーンとの間でくすぶっていた議論が再燃する。激しい口論となり、シェーンは感情を爆発させる。リックさえ戻らなければすべてうまくいっていたのだと喚き散らすシェーン。だが、手にした銃をリックに向けたところで、一発の銃声と共に斃れる。父の身の危険を察知したカールが、シェーンを撃ち倒したのであった。
第二章「歩み来たりし道のり」《Volume 2『MILES BEHIND US』》

アトランタ近郊へと避難するに際して、ローリはシェーンの思いを受け入れていたのだ。リックの生死は絶望的、息子のカールを抱えてふたりだけでは生き延びられないという状況の中でなされた選択だった。シェーンの墓標に唾を吐きかけて立ち去るローリ。

一行はデールのキャンピングカーに乗り込み、野営地を後にする。

雪の闇夜で、タイリースと遭遇する。かれは娘のジュリーとそのボーイフレンドであるクリスを連れている。三人は、リックらと行動を共にすることになる。タイリースは、力強い男手として重宝される。

一行は、放棄された住宅地を見つける。しかもそこは周囲を塀で囲まれており、ゾンビの侵入も少ないように見える。ようやく安住の地を見つけたと喜ぶが、翌朝、そこはゾンビの巣となっていることを発見する。脱出の過程でドナが命を落とし、残された夫のアレンは、双子の息子を抱えて生きる気力を失う。

冬の山林を彷徨い、食糧難に陥るリックたち。狩りに出ても獲物はほとんどない。ある日、狩猟に同行したカールが、被弾する。付近の農場で働く男、オーティスによる誤射だった。農場主ハーシェルは獣医であり、人間の手当の心得もあるというオーティスの訴えに従って、カールを搬入するリック。

そのハーシェルの治療により、カールは命を取り留める。少年の傷が癒えるまでなら、と農場への滞在を許可されるリックたち。信心深く穏健な人物かと思えるハーシェルだが、ふとしたことをきっかけに、納屋に大量のゾンビたちを収納していることが判明する。かれらは正体不明の病に罹患しているにすぎない可能性がある、というのが、その言い分だった。ゾンビはすべて処分すべきだと主張するリックとの間に、激しい口論が持ち上がる。

その場では引き下がるリックだが、敷地内に迷い込んで来たゾンビの処理をするに際して、ちょっとした手違いからハーシェルの長男アーノルドと長女レイシーが餌食となってしまう。ようやくリックの言い分が正しいことを認めるハーシェル。

だが、屋内で寝泊まりさせてくれと頼み込むリックに対して、ハーシェルは直ちに立ち去るよう言い放つ。彼らが姿を現してからろくなことが起こらないから、と。ひとり、ハーシェルの次女マギーと親密な仲になったグレンだけが農場に残る。

ふたたび移動の日々に出る一行だが、ついに「安息の地」を見つける。刑務所を発見したのである。
第三章「塀の中の安全」《Volume 3『SAFETY BEHIND BARS』》

リックは、タイリースとアンドレアを従えて、ひとまずフェンス内をうろついているゾンビの一群を撃ち倒す。ブロックごとにゾンビを処分してゆけば、フェンスを閉じることで塀の内側に安全地帯を確立することができるように見える。

内部へと進んでゆくと、扉の閉ざされた一画に行き当たる。扉を開けると、デクスターら取り残された囚人たちの姿がある。大量の食糧も保管されており、大喜びでそれにありつくリックたち。

かれらが囚人であることを知り、警戒するリックらではあったが、他に選択肢もなく、共同生活を始める。リックはまた、ローリやタイリースの反対を押し切り、農場にいるハーシェル一家に刑務所の存在を知らせ、かれらを迎え入れる。

一方で、子ども扱いされているジュリーとクリスは、不満を募らせている。ある晩、ふたりは心中を図り、ジュリーだけが死に、クリスは死にそびれる。そこへタイリースが駆けつける。甦ったジュリーを撃つクリス。タイリースは、怒りに身を任せてクリスに襲いかかる……。

ゾンビに噛みつかれていないにもかかわらず甦ったジュリーの姿を目の当たりにしたリックは、ひとりシェーンの墓標を訪れる。墓を掘り返し、身を起こすシェーンにとどめをさす。

その間刑務所では、不思議なまでに平静な様子のタイリースが、体育館の「掃除」を提案する。内部のゾンビを一掃し、ウェイトリフティングをやりたいのだと言う。そして、グレンやアンドレアらを従えて作業に着手するが、やみくもに前進してゆくタイリースは、ゾンビの大群の中で孤立してしまう。やむなくかれを残し、脱出するグレンたち。

その頃刑務所内の別の場所では、ハーシェルの末娘である双子スージーとレイチェルの姿が見えなくなる。ふたりを探すハーシェルは、首を切断された状態で蠢く遺体を発見する。ローリらは、デクスターを犯人と決め付け、監禁する。

刑務所に帰還したリックはその報に接し、ハーシェルらを招き入れさえしなければと自らを責める。同時に、タイリースを放ってはおけないと体育館に侵入する。すると、すべてのゾンビを処分したタイリースが、汚物まみれの微笑みでリックらを出迎えるのであった。

双子殺しの犯人は、自称「詐欺犯」のトーマスであった。かれは、ひとりきりで作業をするアンドレアを見つけ、襲いかかる。リックはトーマスを殴り倒し、痛めつける。そして、「殺した者は殺される」というルールを共有すべきだと主張し、トーマスの処刑を訴える。

その意見に賛成するデール。トーマスによって頬を深く切り裂かれたアンドレアも、処刑を望む。タイリースは異論を唱えない。ただひとりローリだけが、トーマスを単に追放すべきだと訴える。だが「正義の執行者は殺人者ではない」と諭され、夫の立場を支持することを決心する。

オーティスのガールフレンドであるパトリシアは、トーマスの一見穏やかな外見をうのみにし、密かにかれを釈放する。だがトーマスはその行為に感謝することなく、たちまちパトリシアに襲いかかる。そこへ、妹たちふたりを惨殺され深い絶望に陥っていたマギーが姿を現し、トーマスを射殺する。

ハーシェルは、トーマスがフェンス外のゾンビたちに喰い散らかされる様子を静かに見つめる。

釈放されたデクスターは、リックたちには明かしていなかった場所から武器を調達し、反乱を起こす。そして、命惜しくば刑務所から立ち退け、とかれらに迫るのであった。
第四章「心の渇き」《Volume 4『THE HEART'S DESIRE』》

デクスターらによる反乱は成功を収めるかに見えたが、彼らの行動により開放された出入り口から大量のゾンビが移住空間になだれ込み、事態は一挙に混乱に陥る。それに乗じ、リックはデクスターを射殺し、事態を収拾するが、仲間には流れ弾が当たったのだと説明する。絶望したアンドリューは、柵の外へとひとり駆け出していく。

同じ頃刑務所の入口では、ゾンビを二体引き連れた謎の女剣士が到着していた。巧みな剣さばきで、窮地に陥ったオーティスの命を救う。女性の名はミショーン。武器を手放すことを条件に、刑務所内へと招き入れられる。

刑務所には再び平穏な時間が訪れる。アンドレアは囚人服を仕立て直すことで一同の洋服を作り、ハーシェルはアクセルや息子のビリーを従えて農作業を始める。グレンとマギーは以前にもまして愛情を確認し合うが、キャロルとの関係を続けるタイリースの視線の先にはミショーンの姿が侵入してくる。


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