ウェールズ語
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ウェールズ語

Cymraeg、y Gymraeg
発音
IPA: [k?m?ra???]
話される国イギリスウェールズイングランド)、アルゼンチンチュブ州
民族ウェールズ人
話者数

ウェールズ: 853,900人(ウェールズの人口の28.2%、2020年)[1]

イングランド: 110,000人(2001年、推計)[2]

アルゼンチン: 1,500 - 5,000人[3][4]

カナダ: L1,<3,885[5]

アメリカ合衆国: ~2,235(2009年?2013年) [要出典]

言語系統インド・ヨーロッパ語族

ケルト語派

島嶼ケルト語

ブリソン諸語

ウェールズ語




初期形式共通ブリソン語

古ウェールズ語

中期ウェールズ語


方言パタゴニア・ウェールズ語
表記体系ラテン文字ウェールズ語アルファベット
ウェールズ語点字
公的地位
公用語 ウェールズde jure
統制機関アレッド・ロバーツ(ウェールズ語担当官、2019年4月1日から)[6] およびウェールズ政府 (Llywodraeth Cymru)
言語コード
ISO 639-1cy
ISO 639-2wel (B)
cym (T)
ISO 639-3cym
Glottologwels1247[7]
Linguasphere50-ABA
消滅危険度評価
Vulnerable (Moseley 2010)
 

注意: この表にはユニコードで記述されたIPA発音記号が含まれているかもしれません。

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ウェールズ語(ウェールズご、: Welsh)またはカムリ語[8](カムリご、ウェールズ語: Cymraeg [k?m?ra???] または定冠詞付きで y Gymraeg [? ??m?ra???]、: Cymric)は、ケルト語派ブリソン語である。ウェールズでは母語として話され、イングランド、ア・ウラドヴァ(英語版)(アルゼンチン、チュブ州にあるウェールズ人入植地)の一部の人々によって話されている[9]。歴史的には英語で British[10](ブリテン語)、Cambrian[11]および Cambric[12](カンブリア語)、Cymric[13] とも呼ばれてきた。

2011年イギリス国勢調査(英語版)によれば、 3歳以上のウェールズ居住者の19%がウェールズ語を話すことができた。2001年の国勢調査(英語版)では、3歳以上の21%がウェールズ語を話すことができた。これは、ウェールズ語話者の数が2001年から2011年まで、約58万2000人から約56万2000人に減少したことを示唆している。

国家統計局によって実施された2020年3月の年次人口調査は、85万5200人(28.3%)のウェールズ居住者(3歳以上)がウェールズ語を話すことができた、と結論付けた[14]。直近のウェールズ全国調査(2018年 - 2019年)の結果は、3歳以上の人口の22%がウェールズ語を話すことができたことが示唆され、さらに16%が「いくばくかのウェールズ語会話能力」を持っていたと言及されている[15]

2011年ウェールズ語(ウェールズ)措置法によって、ウェールズにおいてウェールズ語に公的地位が与えられた[16]。これによって、ウェールズ語は連合王国では唯一のde jure(法律上)の公式な言語となった(英語はde facto〔事実上〕公式である)。ウェールズ語は、英語と並んで、セネッズde jure(法律上)の公用語でもある[17]。ウェールズ政府は、2050年までにウェールズ語話者を100万人にする計画を持っている。1980年以降、ウェールズ語で教育を行う(ウェルシュ・ミディアム)学校(英語版)に通う子どもたちは増加し、ウェールズ語バイリンガル(二言語を使用する)学校や2つの教授言語を使用する(デュアル・ミディアム)学校に通う子どもたちは減少している[18]
概説

コーンウォール語ブルトン語と同じガロ・ブリトン語群Pケルト語に属する。一方、アイルランド語ゲール語)、スコットランド・ゲール語マン島語は、ゴイデル語群Qケルト語に属する。Qケルト語とは、kw という音を文字 q(後に文字 c)で書いたからであり、一方Pケルト語とは kw の音が文字 p で表される音に転化したからである。

ウェールズ語名のCymraegがカナ表記されることは稀だが、日本カムリ学会ではCymraegを「カムライグ」、「ウェールズ」の意味のCymruを「カムリ」としている。ウェールズ (Wales) とはもともと古英語で「よそ者」を意味するw?alesに由来し、侵略者であったアングロ・サクソン人から見た呼び名である。そのためもあって英語ではウェールズ語のことをWelshのほかCymric(キムリック)とも呼び、ドイツ語でもWalisischとKymrisch両方の呼び名が通用している。
歴史詳細は「ウェールズ語の歴史(英語版)」を参照1620年のウェールズ語訳聖書。サヌンダ(英語版)教会。1797年にフランス人侵略者の手から奪い返された[19]

ウェールズ人の言語はブリトン人の言語から発展した[20]。ウェールズ語の出現は瞬間的ではなく、明確に特定できるものではなかった。その代わり、移行は長い期間をかけて起こった。一部の歴史家は、移行が遅くとも9世紀までに起こったと主張する。言語学者のケネス・H・ジャクソン(英語版)は、分水嶺となる瞬間は、西暦577年西サクソン人とブリトン人の間で行われた軍事的な戦闘、ディラムの戦いであった[21]。これが、ウェールズ人との陸路での直接の接触から南西部のイギリス人を分けた。

ウェールズ語の歴史は、いくぶん不明瞭な境界によって、原始ウェールズ語、古ウェールズ語中期ウェールズ語、近代ウェールズ語の4つの時代に分けられている。ウェールズ語が出現した直後の時代が原始ウェールズ語と呼ばれることがあり[21]、その後には古ウェールズ語時代が続く。古ウェールズ語時代は一般的に9世紀の初めから12世紀のある時期で広がると考えられている[21]。中期ウェールズ語時代はその後14世紀まで続いていたと考えられており、14世紀に近代ウェールズ語時代が始まる。近代ウェールズ語は初期近代ウェールズ語と後期近代ウェールズ語に分割される。

"Welsh" という英単語は、ゲルマン祖語の単語 "Walhaz(英語版)" の子孫であり、古英語ではwealhやwieliscであった。"Walhaz" はウォルカエ族: Volcae)としてローマ人に知られていたケルト人の名称に由来し、ケルト系言語の話者を指すようになり、その後西ローマ帝国の人々を無差別に指すようになった。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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