ウェスタン・デジタル
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ウエスタンデジタル コーポレーション
Western Digital Corporation

ウエスタンデジタル本社
種類公開会社
市場情報NASDAQ: WDC
本社所在地 アメリカ合衆国
カリフォルニア州サンノゼ
設立1970年4月23日
事業内容ハードディスクドライブ/フラッシュメモリー製品製造
代表者デビッド ゲクラー[1]
売上高130億USドル (FY2015年)
従業員数63,800 (2020年)
外部リンクwww.westerndigital.com
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ウエスタンデジタル製HDD(写真は一般消費者向けシリーズ、WD Blue)

ウエスタンデジタル コーポレーション(: Western Digital Corporation、WDやWDCと略記される)はハードディスクドライブフラッシュメモリー製品を製造する米国のストレージ製造企業である。
歴史
1970年代 - 創業

1970年4月23日、ゼネラル・デジタル(: General Digital)として設立された。当初は主にMOS半導体の試験装置の製造企業だったが、何人かの個人投資家と大企業のエマーソン・エレクトリックから資金提供を受けると、特殊な半導体を製造する企業となった。1971年7月、現在の名称に改称するとともにカリフォルニア州ニューポートビーチに移転し、直後に最初の製品WD1402A UARTをリリースした。

1970年代の初期、ウエスタンデジタル(以下WDと表記)は電卓用チップで売り上げを稼いでいた。1975年には、世界最大の独立系電卓チップメーカーとなった。しかし、1970年代中頃の石油危機と最大の顧客だった電卓メーカーボーマー(Bowmar)の倒産によって、業績は激変する。1976年にはWD自身も連邦倒産法第11章の適用を申請した。その後、エマーソンはサポートをやめ、WDは自主再建を目指すこととなる。

WDはこの時期に特筆すべき製品をいくつか発表している。MPC-1600はマルチチップ型のマイクロプログラム方式CPUであり、DECLSI-11システムに使われるとともに、UCSD p-SystemバージョンIIIとUCSD Pascalを実行できる独自のPascal MicroEngineとしても発売された。WD1771などの一連のフロッピーディスクドライブコントローラーチップもある。
1980年代前半 - ストレージ事業に参入

WD1771と関連製品によってWDはストレージ関連産業へ参入した。1980年代初期には、ハードディスクのコントローラーを作っており、1983年にはIBMPC/ATに供給する契約を勝ち取った。そのコントローラーWD1003は ATAインターフェイスのベースとなった。ATAは、WDがコンパックおよびCDCのMPI部門(現在のシーゲイト・テクノロジーの一部)と共に1986年に共同開発したものである。
1980年代後半 - 事業の多角化

1980年代中盤以降、WDはグラフィックカード(1986年に子会社化したパラダイス(Paradise)による)、チップセット(1987年に買収したファラデーによる)、ネットワーキングなどに拡大していった。それらは事業としてうまくいったが(特にパラダイスはVGAカードで成功)、ストレージ関連のチップとディスクコントローラーが最も大きな収入源であった。1986年、シングルチップのSCSIコントローラーWD33C93をリリース。これは最初の16ビットバス・マスタリングSCSIカードWD7000 FASSTで使われた。1987年、PC/ATのフロッピーディスク・コントローラー回路をワンチップ化したWD37C65をリリース。これは後のスーパーI/Oと呼ばれるチップの先祖にあたる。1988年、WD42C22 Vanilla(バニラ)をリリース。世界初のシングルチップATAハードディスク・コントローラーである。

1988年にはWDの歴史上最も大きな変化があった。その年にPCハードウェアメーカータンドン(Tandon Corporation)のハードディスク生産工場を買い取ったのである。WDがそこで最初に生産したのは「Centaur」(センタウル)シリーズと名づけたディスクドライブである。
1990年代 - ハードディスク事業に専念

1991年には、PC業界がST-506ESDIドライブからATAとSCSIに移行するにつれてハードディスク・コントローラーの必要とされる個数が減り(デイジーチェーン接続により、一台のコントローラーに複数のディスクを接続できるようになったため)、徐々に成長が減速してきた。同年、WDはCaviar(キャビア)ドライブをリリースした。これには組み込み型サーボという最新技術を使い、診断システムもコンピュータ化した。

Caviarドライブは大成功を収め、WDはハードディスクに専念することを決め、他の部門を売却した。Paradiseはフィリップス社に売られ、ネットワーキングとフロッピードライブ・コントローラー部門は SMC Networks に行き、SCSIチップ部門はアダプテックに行った。1995年頃になるとCaviarの技術的優位性に翳りが見え始めた。特にクアンタム(Quantum)の追い上げが激しく、ウエスタンデジタルは低迷期を迎えた。

今回の製品やアイデアはうまくいかなかった。3インチのPortfolio(ポートフォリオ)ドライブは失敗し、CD-ROMインターフェイスのSDXハードドライブも失敗した。また、製品品質が悪化しつつあり、他社に追い抜かれるようになる。それまでWDを採用してきたシステム構築業者やPC愛好家は、ライバル(特に1990年代後半に頭角を現してきたマックストア(Maxtor))に流れていった。

1998年、この流れを断ち切るため、WDはIBMに援助を求めた。この協定によりWDはGMRヘッドなどIBMの技術を使用する権利を得て、IBMの生産設備にもアクセスすることができた。この成果は1999年初期のExpert(エキスパート)シリーズに生かされた。結果として(2000年にモーター制御チップの不良によるリコールがあったものの)WDは市場での地位を取り戻した。WDはその後IBMとの協定を終了させた。
2000年代

WDは2001年、8MBのキャッシュを主要なATAハードドライブに内蔵した。当時、そのクラスのHDDでは2MBのキャッシュが普通だった。WDは、この8MBキャッシュのモデルをSpecial Editionと呼び、型番上も2MBのものと区別している(8MBはJB、2MBはBB)。最初の8MBキャッシュドライブは100GBの WD1000JB であり、すぐに40GBから250GBまでの製品がリリースされた。WDではJBモデルをファイルサーバ向きの製品と位置づけている。

2003年、WDは最初の10,000rpmシリアルATAHDDをリリースした。容量は36GB、平均アクセス時間は6ミリ秒以下である。さらに静粛性の高い74GBのWD740GDをリリース。2004年現在、Raptor(ラプター)ドライブは5年間の動作保証付きとなっている。

WDは1年保証という短い保証期間のドライブを低価格で売っているが、これに追加の保証オプションを購入して保証期間を延ばすサービスを行っている。これにより、1種類の製品を2つの市場に提供することが可能となっている。
2010年代

2011年、日立製作所からHDD部門を買収。HDD業界での影響力をさらに強める。

また2015年にはサンディスクを買収しフラッシュメモリ事業に参入。今日、同社はフラッシュメモリ事業においても世界有数の地位を築いている。

日立グローバルストレージテクノロジーズ買収.mw-parser-output .ambox{border:1px solid #a2a9b1;border-left:10px solid #36c;background-color:#fbfbfb;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .ambox+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+link+.ambox{margin-top:-1px}html body.mediawiki .mw-parser-output .ambox.mbox-small-left{margin:4px 1em 4px 0;overflow:hidden;width:238px;border-collapse:collapse;font-size:88%;line-height:1.25em}.mw-parser-output .ambox-speedy{border-left:10px solid #b32424;background-color:#fee7e6}.mw-parser-output .ambox-delete{border-left:10px solid #b32424}.mw-parser-output .ambox-content{border-left:10px solid #f28500}.mw-parser-output .ambox-style{border-left:10px solid #fc3}.mw-parser-output .ambox-move{border-left:10px solid #9932cc}.mw-parser-output .ambox-protection{border-left:10px solid #a2a9b1}.mw-parser-output .ambox .mbox-text{border:none;padding:0.25em 0.5em;width:100%;font-size:90%}.mw-parser-output .ambox .mbox-image{border:none;padding:2px 0 2px 0.5em;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-imageright{border:none;padding:2px 0.5em 2px 0;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-empty-cell{border:none;padding:0;width:1px}.mw-parser-output .ambox .mbox-image-div{width:52px}html.client-js body.skin-minerva .mw-parser-output .mbox-text-span{margin-left:23px!important}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .ambox{margin:0 10%}}

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2011年3月7日日立グローバルストレージテクノロジーズ(日立GST・当時、現・HGST)の親会社であるヴィヴィティテクノロジーズ(: Viviti Technologies Ltd.)の全株式を、その親会社である日立製作所より現金35億ドルおよびウエスタンデジタル株2,500万株(7億5,000万ドル相当)で取得し、WDの完全子会社とすることで合意、正式契約を締結したと発表した[2]


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