ウイルス性肝炎
概要
診療科感染症内科学, 消化器学
分類および外部参照情報
ICD-10B15
ウイルス性肝炎(ウイルスせいかんえん、英:Viral hepatitis)とは、肝炎ウイルスが原因の肝臓の炎症性疾患のことを指す。 種類ウイルス発見年度形態 その他、サイトメガロウイルス・EBウイルス・単純ヘルペスウイルス・風疹ウイルス・麻疹ウイルス・パルボウイルスなどのウイルスによって肝炎を起こすことがある。 ほとんどの場合、A型肝炎・B型肝炎・C型肝炎が多く、E型肝炎は発展途上国を中心に流行しているが、その他の肝炎は少ない。 それぞれ各項目の記述を参照 A型肝炎・E型肝炎は急性肝炎を呈することが多く、B型肝炎・C型肝炎の場合慢性肝炎を生じることが多い。またA型肝炎・B型肝炎・E型肝炎は劇症肝炎を生じる場合も多い。詳細は「肝炎」を参照 主なウイルス性肝炎病名A型肝炎B型肝炎 C型肝炎D型肝炎E型肝炎 アメリカではB型肝炎の予防接種を受ける事が義務付けられている。垂直感染したB型肝炎ウイルスは感染者肝臓や血液中に長時間とどまり、キャリアとなる。キャリアの10?20%は生涯のどこかの時期に慢性肝炎を発病するので、フォローアップが必要である。これは病気にしか保険適応がない一般医療機関の適応にはならないので、そのような機関としてキャリアクリニックがある(1985年より開設された北海道赤十字血液センター内のキャリアクリニックなど)。 ミドリ十字社(現・田辺三菱製薬)が製造販売していたフィブリノゲン製剤の投与によるC型肝炎感染(フィブリノゲン問題)も、社会問題になっている(薬害肝炎)。米国では、食品医薬品局(FDA)が、B型肝炎感染の危険性があること及びフィブリノゲン製剤の臨床効果を評価するのは困難であり有効とされる適応症がほとんどないことを理由に、1977年12月、フィブリノゲンと同成分の製剤の製造承認を取り消していた。 日本でも、1979年には、一部の研究者がこうした事実を指摘していた(国立予防衛生研究所血液製剤部長の安田純一著「血液製剤」)。また、ミドリ十字社も、1978年1月に、FDAによるフィブリノゲン製剤の承認取消が掲載された米国連邦広報を入手し、社内で回覧していた。にもかかわらず、旧厚生省が初めて実態調査を指示して自主回収が始まったのは、青森県三沢市における肝炎の集団感染が発覚した1987年からであり、完全に回収されたのは実に10年間以上かかった。 日本では、厚生労働省や各自治体が「肝炎ウイルス検査」を推進している。 東京都は、ゾウをモチーフにした「かんぞうくん」を、肝炎ウイルス検診事業キャラクターに据えている[1]。
種類
A型肝炎A型肝炎ウイルス1973年RNA
B型肝炎B型肝炎ウイルス1964年DNA
C型肝炎C型肝炎ウイルス1989年RNA
D型肝炎D型肝炎ウイルス1977年RNA
E型肝炎E型肝炎ウイルス1980年RNA
F型肝炎F型肝炎ウイルス1994年RNA
G型肝炎G型肝炎ウイルス1995年RNA
TT型肝炎TT型肝炎ウイルス1997年RNA
臨床
感染
経口感染:A型肝炎ウイルス・E型肝炎ウイルス
非経口感染:B型肝炎ウイルス・C型肝炎ウイルス・D型肝炎ウイルス等
発症
治療詳細は「肝炎」、「A型肝炎」、「B型肝炎」、「C型肝炎」、および「E型肝炎」を参照
主なウイルス性肝炎の早見表
病原体A型肝炎ウイルス(HAV)B型肝炎ウイルス(HBV)C型肝炎ウイルス(HCV)D型肝炎ウイルス(HDV)E型肝炎ウイルス(HEV)
感染経路経口感染血液感染、性的感染、母子感染血液感染、母子感染血液感染、性的感染経口感染
潜伏期間約2週間?2ヶ月約1ヶ月?半年約2週間?3ヶ月約1ヶ月?半年約1?2ヶ月
急性症状重いやや重い軽い、または無症状単独では無症状
B型肝炎との混合感染で重症化重い
慢性化稀あり多いあり稀
劇症化ありあり稀あり多い
治療薬特になしインターフェロンインターフェロン、直接作用型抗ウイルス薬(DAA)特になし特になし
ワクチンA型肝炎ワクチンB型肝炎ワクチンなしD型肝炎自体には無し。ただしB型肝炎ワクチンが有効。なし
感染症法四類感染症五類感染症五類感染症五類感染症四類感染症
その他高齢者は劇症肝炎を起こしやすい。感染した時期やHBVの遺伝子の型によって予後が異なる。肝硬変や肝細胞癌の原因として重要。B型肝炎の重症化に関与している。妊婦は劇症肝炎を起こしやすい。
トピックス
B型肝炎について
薬害C型肝炎問題
肝炎ウイルス検査
脚注^ ⇒肝炎ウイルス検診を受けましょう 東京都福祉保健局
関連項目
猫伝染性腹膜炎
犬伝染性肝炎
世界肝炎デー (7月28日)
外部リンク
⇒知って、肝炎 - 厚生労働省
⇒肝炎 - メルクマニュアル家庭版, はじめに 137 章 肝炎
各自治体の「肝炎ウイルス検査」についての取組
表
話
編
歴
日本の感染症法における感染症
一類感染症
エボラ出血熱
クリミア・コンゴ出血熱
天然痘(痘そう)
南米出血熱
ペスト
マールブルグ熱
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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