ウィ・ウィル・ロック・ユー_(ミュージカル)
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ウィ・ウィル・ロック・ユーの新宿公演

ウィ・ウィル・ロック・ユー(We Will Rock You)は、題名曲を含むクイーンのヒット曲22曲で構成されている、ベン・エルトン脚本によるミュージカルABBAの「マンマ・ミーア!」同様、既存のバンド曲を使用したジュークボックス・ミュージカルと類されている。ストーリーは、遠い未来、皆が同じ服を着用し、同じ思考を持ち、同じ行動をする世界で、思考、ファッション、ライヴ・ミュージックの自由を取り戻そうとするボヘミアンについて描かれる。この世界では楽器や作曲が禁じられ、ロック・ミュージックは世の中の人はほとんど知らない。

2002年5月14日、クリストファー・レンショウ演出、アーリーン・フィリップス振付、メイン・キャストにトニー・ヴィンセント、ハンナ・ジェーン・フォックス、シャロン・D・クラーク、ケリー・エリスでロンドンのウエストエンド、ドミニオン劇場(Dominion Theatre)で初演された。開幕時は、批評家の評価は概ね否定的で、とりわけSF要素の強い突飛過ぎるストーリーは酷評されたが、大掛かりな舞台美術とロックコンサート的色彩の強い演出は観客に好評で人気作品となり、2012年5月14日、ドミニオン劇場での公演10周年を迎え、ドミニオン劇場史上最長の公演期間となった[1][2]。なお、開幕一年後の2003年から、ロンドンの劇場前には巨大なグラスファイバー製のフレディ・マーキュリー像が設置されている。2014年5月31日をもって、12年余、4600回に渡る当劇場でのロングランは幕を閉じた。

また、ロシアスペインオーストラリアなど各地でも現地プロダクションによる上演が行われ、日本には2004年、オーストラリア・キャストでの来日公演により初上陸を果たした。この際、従来の劇場を用いず、歌舞伎町新宿コマ劇場で行われたことも話題となった。
製作

ブライアン・メイによると、クイーンのマネージャーであるジム・ビーチは1990年代半ばからクイーンの曲を使用したジュークボックス・ミュージカルの製作についてクイーンと話し合っていたそうである。当初、フレディ・マーキュリーの伝記的物語になる予定であった。この時、ロバート・デ・ニーロのプロダクション会社であるトライベッカはクイーンの曲を使用したミュージカルの製作に興味を示したが、この原案に難色を示した[3]

2000年、ベン・エルトンはメイおよびテイラーにこの計画についてアプローチを始めたが、『タイムズ』紙の見出しに「エルトンは成功するか?」と書かれたのみであった。その後、エルトンは曲に描かれた精神を汲み取った、原案と違ったオリジナルの作品を提案し、クイーンの曲をミュージカルに合致させるためにメイおよびテイラーと頻繁に会合を持った。後にエルトンはSF映画『マトリックス』で描かれたコンピューターが支配するディストピアに部分的にインスパイアされたと語った。脚本は最終的に2001年半ばに完成した[3]。製作開始前までメイもテイラーもこのジャンルのミュージカルは好きではなかった[3]
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この節の加筆が望まれています。

公演
ウエスト・エンド公演およびイギリス・ツアー

2002年5月12日、イングランドロンドンにあるドミニオン劇場でオリジナル公演が初演された。主役のガリレオ役にトニー・ヴィンセント、相手役のスカラムーシュ役にハンナ・ジェーン・フォックス、キラー・クイーン役にシャロン・D・クラーク、ポップ役にナイジェル・プレイナー、ブリット役にナイジェル・クローツェル、ミート役にケリー・エリスが配役された。2003年、クラークがローレンス・オリヴィエ賞ミュージカル助演賞にノミネートされた。

2005年8月17日、ドミニオン劇場で上演されたミュージカルで『グリース』を越えて公演期間が最長となった[4]。ドミニオン劇場は2,163席あり、ウエスト・エンドでも最大の劇場の1つであるため、この記録は特別なものと言える。2011年、ローレンス・オリヴィエ賞観客賞を受賞した[5]

この長い公演期間の中で、何度か役者が交替した。ガリレオ役はトニー・ヴィンセントからミグ・アエサ、2004年4月、キラー・クイーン役はシャロン・D・クラークからメイズ・マレイに交替した。2011年8月、メイン・キャストで最長出演(2010年9月、産休で短期間休養)となったマレイが脱退した。2005年の『Xファクター』準決勝出場者のブレンダ・エドワーズがその後キラー・クイーン役を演じた。2008年9月22日から2009年9月19日、『I'd Do Anything』準決勝出場者のレイチェル・タッカーがミート役を演じた。その後この役は『マンマ・ミーア!』、『ガイズ&ドールズ』、『メリー・ポピンズ』など多数のミュージカルに出演してきたアイルランド系のルイス・ボウデンが演じ[6]、2010年5月に突然脱退し、元々ボウデンの代役であったアマンダ・カウツがミート役の本役となった。ウエスト・エンド公演は9人の生演奏バンド、スチュアート・モーレイ指揮で上演された[7]

2009年、イングランドマンチェスターにあるパレス劇場からイギリス・ツアー公演が始まった[8][9]。当初、ガリレオ役にアレックス・ゴーモンド、スカラムーシュ役にサラ・フレンチ=エリス、キラー・クイーン役にブレンダ・エドワーズ、ミート役にジョージナ・ヘイゲン、カショーギ役にジョナサン・ウィルクス、ポップ役にケヴィン・ケネディが配役された。ガリレオ役のゴーモンドとスカラムーシュ役のフレンチ=エリスはウエスト・エンド公演に出演することとなった[10]

2010年12月、2度目のイギリス・ツアー公演がパレス劇場から開始された[11]
2013年10周年記念アリーナ・ツアー

この節の加筆が望まれています。

オーストラリア公演および日本公演

2003年8月7日、オーストラリアメルボルンにあるリージェント劇場で最初の世界公演が行われた[12]。出演者はガリレオ役にマイケル・フォーゾン、スカラムーシュ役にケイト・フーラン、キラー・クイーン役にアニー・クラマーが配役された。ロンドン公演ではアンサンブルの1人であったアマンダ・ハリソンはメルボルン公演でオズ役を演じた。2004年3月4日、リージェント劇場での公演を終え、2004年4月27日から6月までパースにあるバースウッド劇場、2004年7月27日から9月25日までブリスベンにあるクイーンズランド・パフォーミング・アーツ・センター、2004年10月9日から2005年3月13日、シドニーにあるスター・シティ・リリック劇場でオーストラリア・ツアー公演を行なった[12][13]


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