ウィリアム・ネヴィル_(ケント伯)
[Wikipedia|▼Menu]

ウィリアム・ネヴィル(William Neville, 1410年頃 - 1463年)は、イングランドの貴族であり軍人。最初フォーコンバーグ男爵で、後にケント伯に叙される。ガーター勲章受勲者。
若き日の生活

1410年頃、ウェストモーランド伯ラルフ・ネヴィルと彼の2番目の妻ジョウン・ボーフォートとの2番目の息子として生まれた。彼の母ジョウンは、ジョン・オブ・ゴーント(国王エドワード3世の息子)とキャサリン・スウィンフォードの娘である。ウィリアムはつまり、エドワード3世の曾孫(great-grandson)と言える。ただし、ジョウンとの結婚に際してのボーフォート家の条件として、ウィリアムやその子孫には王位継承権は与えられていなかった。

ウィリアムはネヴィル家の「たくさんいる息子の1人」であったため、フォーコンバーグ男爵家の跡取り娘と結婚し、フォーコンバーグ卿の称号を手に入れた(このあたりの経緯は、甥のリチャード・ネヴィルがウォリック伯の跡取り娘と結婚してウォリック伯になったのと同じやり方である)。ウィリアムの結婚は、1422年以前のどこかで執り行われた。妻ジョウンは彼より4歳年上で、記録には「生まれつき馬鹿者(idiot from birth)」と記されている。フォーコンバーグの地所は北ヨークシャー、ネヴィル家の勢力圏の中心にあった。
ランカスター派への忠誠

彼はどうやらヘンリー6世統治下の早い時期には、軍人としてのそこそこのキャリアを重ねていたようである。

1426年 5月:騎士に叙される。

1435年  :スコットランドの国境に赴任。

1436年  :ヨーク公リチャードと共にフランスに赴任。(後にウィリアムの忠誠を受ける男との最初の接触)

1439年まで:フランスで、タルボット・スカレス卿と一緒の野戦指揮官。

1440年  :ガーター勲章受勲

1443年までのどこか:イングランドに帰任。

1443年3月7日:ロックスバラ城の守備に赴任。

彼は辺境維持のための俸給として、国庫から平時には年間1000ポンド(2005年の価値に換算して100万ポンド)、スコットランドとの戦時であればその倍を与えられていた。だが、1449年に外交使節の一員としてフランスに戻り、1449年5月にノルマンディーのラルク港で捕えられた。フランスで囚われ2年間、彼は城の維持を自費でまかなってきた。だが1449年に俸給を受けたにもかかわらず、1451年には4109ポンドの負債ができており、一部の支払いを余儀なくされた。

1453年、8000エキュ(現在の価値で2?3千万円以上)の身代金を払って解放された。彼はまだロックスバラ城を持っていたが、城の維持のための出費とフランスに監禁された事による減収で、貧しくなっていた。今や彼は国庫から1000ポンドを借りていた。そこで彼はニューキャッスルの地所について俸給を受け取って支払った。この時の支払額は借受金には足りなかったが、彼には収入の見込みがなかったのである。グリフィス曰く、「彼の物語で注目に値するのは、ランカスターの王権が(彼の)忠誠を受けられていた事だろう。」
離反

この時までは彼はランカスター家の忠実な支持者に見受けられる。だが、この後の2年で彼の忠誠は揺らいでいく。彼はヘンリー6世の2度目の狂気の期間に、ヨーク公リチャードの評議会のメンバーであった。薔薇戦争勃発当初の1455年のセント・オールバーンズの戦いではランカスター派の貴族であったが、戦闘後にヨーク公によってウィンザー城の共同の治安官に指名された。

なぜランカスター派から離反してヨーク派に付いたかは不明である。ヨーク公が他の貴族への便宜を図ってフォーコンバーグの忠誠心を増したのかもしれない。いずれにせよネヴィル家の一員であるフォーコンバーグとしては、義弟(妹セシリー・ネヴィルの夫)であるヨーク公を支持する血縁的理由もあった。また、甥のウォリック伯はセント・オールバーンズの戦い以来その名声を高めており、フォーコンバーグは向こう5年間は「ウォリック伯の叔父」と位置づけられるだろう。甥の名声が高まるにつけ「辺境のロックスバラ城守備」という待遇は、彼をいらだたせたに違いない。

1455年から1460年のうちに、フォーコンバーグはヨーク派陣営のメンバーとしての地位を強固にし、ウォリック伯の同盟者としての姿勢を明確にした。1457年に彼はウォリック伯(この時カレーの長官)の代理として、ウォリック伯と合流している。ウォリック伯はカレーを海賊的行為のための基地として使っており、フォーコンバーグは進んで手伝っていたようである。彼は1458年にイングランドにいて、5月にロンドンで短期間収監されている。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:13 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef