ウィザードリィのシリーズ一覧
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ウィザードリィのシリーズ一覧(ウィザードリィのシリーズいちらん)では、1981年に発売されたコンピュータ・ロールプレイングゲームウィザードリィ』(Wizardry)の各シリーズについて解説する。

総合的な情報など他の項目については「ウィザードリィ」または 「Category:ウィザードリィ」を参照。
オリジナルシリーズ

1981年にサーテックによってApple II向けに第1作目が発売された。格子状に連結されたダンジョンマップ構成、ワイヤーフレームを用いたダンジョンの立体的表現、店や寺院・宿などの各種施設、職業やアライメント(性格)・種族、独特の呪文体系、迷宮内の罠や宝箱といったウィザードリィを形作る要素のほとんどが第1作目で実装された。

作品タイトルを指し示す用語として「シナリオ」という単語が使われることがある。これはテーブルトークRPGゲームマスターが事前に用意する筋書きを「シナリオ」と呼ぶことに由来し、シナリオ#1が第1作目、以降同様に第5作目までをシナリオで表す。

システムや世界観など設定の違いから、便宜的にシナリオ#5以前を「旧Wiz」、また画面表示を派手に、呪文や選択できる職業・種族等を拡張して世界を広げた6 (BCF)以降を「新Wiz」と称する場合がある。

本シリーズは様々なプラットフォームに移植されており、演出やシステムなどがオリジナルと異なる場合がある。たとえば、日本語PC版のシナリオ♯1から♯3における魔法は単語入力方式となっており、ターン消費こそないが入力を誤った際に「その様な呪文はない」と表示される。

2020年、同シリーズのうち、ドリコムが『Wizardry 6』『Wizardry 7』『Wizardry 8』、そして『Wizardry Gold』の版権を取得したことが同社の決算説明会で発表された[1]
Wizardry - Proving Grounds of the Mad Overlord詳細は「ウィザードリィ 狂王の試練場」を参照

Wizardry - Proving Grounds of the Mad Overlord(邦題:ウィザードリィ 狂王の試練場)は現在まで続く全てのウィザードリィ・シリーズの原型となった作品である。1981年にApple II用ソフトとして発売されて以来、様々なプラットフォームに移植されてきた。
Wizardry II - Knight of Diamonds

詳細は「:w:Wizardry II: The Knight of Diamonds」を参照

Wizardry II - Knight of Diamonds(邦題:ウィザードリィII ダイヤモンドの騎士)はリルガミンの街に再び神の加護を得るため、伝説のダイヤモンドの騎士の装備を集めて、ニルダの杖を迷宮から持ち帰るのが目的[2]。ダンジョンは全6層。シナリオ#1をクリアしたユーザーが、そこで育てたキャラクターを転送してプレイすることを前提としているため、続編というより追加シナリオである[2]。従って、敵となる魔物のレベルは#1の終盤級から始まり、謎や迷宮の難度も高めで、新たに作成したキャラクターのみのパーティでは事実上プレイできない[2]。また、転送を行うとキャラクターはシナリオ#1のディスクから抹消され、さらに所持品と500G.P.を超える所持金[注釈 1]を全て没収されてしまうため、思い入れのあるキャラを転送するのがためらわれるという仕様上の問題もあった[2]

この作品は、強力なパーティーを転送してプレイすると簡単に終わってしまうという事もあり、ゲームバランスはあまりよい物ではなかった[3][4]
プラットフォーム一覧


1982年 Apple II、C64

1985年 IBM PC

1986年 日本語PC

1989年 MSX2

1990年 FC(『ウィザードリィIII』)発売:アスキー 開発:ゲームスタジオ

ROMカセットの制約上、パーティ転送にバックアップ周辺機器ターボファイルを必要とするため、そのままの移植では市場性がないと判断された。そのため、このシナリオ移植を跳ばし、初めてでもプレイ出来る『リルガミンの遺産』が「ウィザードリィII」として発売された。その後、本作『ダイヤモンドの騎士』は、初めてのユーザーが新規作成キャラクターを用いてプレイ出来るよう、大幅なバランス変更や迷宮の再構成を行い、さらに#4・#5からの追加モンスターや#5からの新魔法を加えた上「ウィザードリィIII」として発売された。これらの更なる移植であるSFC版(同時収録)やGBC版も、2作目と3作目が入れ替わっているため注意を要する。


1993年 PCE(『1&2』収録)発売:ナグザット 開発:アクセス

1998年 PS/SS/Windows(以上3点『リルガミンサーガ』収録)

1999年 SFC(NP・『ストーリーオブリルガミン』収録)

2001年 GBC(『ウィザードリィIII』)

ゲームボーイカラー版の追加ダンジョンは、称号を受けたパーティが再び伝説の装備を手に、災いの根源を断ちに「地獄」へと向かう、というものになっており、最初のフロアは1人で探索する必要がある。


2004年 NTTドコモ iアプリ/FOMA900i以降(『Wizardry ORIGINAL #2』)[5]

Wizardry III - Legacy of Llylgamyn

詳細は「:w:Wizardry III: Legacy of Llylgamyn」を参照

Wizardry III: Legacy of Llylgamyn(邦題:ウィザードリィIII リルガミンの遺産)は天変地異の原因を究明するため、伝説の龍エル’ケブレス[注釈 2]が護る神秘の宝珠を探索するというシナリオ[4]。シナリオ#1で活躍したキャラクターの子孫の物語であるため、キャラクターを転送してもそのままのレベルにはならず、ある程度祖先の能力傾向を反映した弱小なキャラクターとして「転生」される[4]

またプラットフォームによってはモンスター名の変更を多く強いられたシナリオでもある[注釈 3]

前2作はダンジョンを攻略するために地下深くまで進んだのに対し、本作では山中の洞窟を昇っていく[4]。迷宮のフロアの数は#2と同じく6層と、#1(10層)と比べて小規模なものである。しかし、キャラクターのアライメントにより侵入を拒まれるフロアが存在するため、2つのパーティを同時進行で育てる必要がある。

全体的に戦闘で得られる経験値の相場が低い為にレベルが上げにくく、(オリジナル版に忠実な移植の場合は)上級職の専用アイテムも乏しい為、効率的な探索にはこれまでスポットが当たる事の少なかった中立の基本職キャラクターの育成が重要になっている。反面、シリーズの他作品に比べてモンスターの強さに関してはインフレが少ない。シナリオ後半になってもほとんどのモンスターがマカニトで全滅する程度のレベルであり、更に終盤は経験値のそこそこ高いモンスターが登場するようになる。呪文は全2作と同じだが、村正や手裏剣など一部アイテムが削除されている[4]

シナリオ#1と2ではタイルウィンドウ表示であった画面構成が、シナリオ#3からマルチウィンドウに改められた(後にTrilogyPackageとして再発売された際、シナリオ#2はマルチウィンドウに改められている)。
プラットフォーム一覧


1983年 Apple II

1984年 C64

1986年 IBM PC

1987年 日本語PC

1989年 FC(『ウィザードリィII』)発売:アスキー 開発:ゲームスタジオ

FC版は、タイルウィンドウとマルチウィンドウの折衷のような形となっている。また当時雑誌メディア等で「三種の神器」と呼ばれた村正・聖なる鎧・手裏剣をはじめとするアイテムが追加されたほか、敵から得られる経験値が全体的に上方修正されているなどのバランス調整が行われている。


1990年 MSX2

1994年 PCE(『3&4』収録)発売:ナグザット 開発:アクセス

1と2のクリア勲章を持つキャラクターを転生させると7層に進入可能。非常に強力な龍族が待ち構えている。


1998年 PS/SS/Windows(以上3点『リルガミンサーガ』収録)

1999年 SFC(NP・『ストーリーオブリルガミン』収録)

2001年 GBC(『ウィザードリィII』)

ゲームボーイカラー版の追加ダンジョンは善のパーティが剣術、悪のパーティが魔法の修行者となり、「極めし者」を倒して「証」を勝ち取る、というもので本シナリオのように性格ごとに受け持つフロアがあり、キーアイテムをやり取りしながら進めていく。


2004年12月20日 NTTドコモ iアプリ/FOMA900i以降(『Wizardry ORIGINAL3 -Legacy of Llylgamyn-』)[6][5]

Wizardry IV - The Return of Werdna詳細は「ウィザードリィIV ワードナの逆襲」を参照

Wizardry IV - The Return of Werdna(邦題:ウィザードリィIV ワードナの逆襲)は1987年にApple II用ソフトとして発売された。

日本では1988年にApple II版をローカライズしたPC-98版が発売された。また1994年にPCエンジン用ソフト『ウィザードリィIII&IV』がリメイク版としてナグザットより発売され、1999年にはオリジナル版を踏襲したクラシックモードに加え、難易度調整などを施したアレンジモードが追加された『ニューエイジオブリルガミン』がPlayStation向けに(廉価版は2001年発売[7])、2002年にはWindows向けに発売された[8]
Wizardry V - Heart of the Maelstrom

詳細は「:w:Wizardry V: Heart of the Maelstrom」を参照

Wizardry V - Heart of the Maelstrom(邦題:ウィザードリィV 災渦の中心)は4つの自然の力の調和を司る大魔術師ゲートキーパーを救出し、元凶を創った魔術師を倒して世界を渾沌の渦から救うという内容である。SFC版では Maelstrom に「災渦(さいか)」の訳語を当て、「災渦の中心」という日本語タイトルが付けられた(『ニューエイジオブリルガミン』での表記は「災禍の中心」)。以降#7までデイヴィット・W・ブラッドリー(David W. Bradley)が開発全般を担当しているので、あわせて「Bradley三部作」などとも呼ばれる。#4に比べシリアスなファンタジーを取り戻したように見えるが、時間停止空間やコールドスリープといったSFガジェットも登場する。

システムには大幅な変更が加えられた。武器に射程の概念が追加され、従来は魔術以外の物理攻撃のできなかった後衛も、物理攻撃(など)ができるようになった。さらに盗賊・忍者は、戦闘中に影に隠れて奇襲できるようになった。呪文の追加[4][8]や削除も行われ、宝箱のトラップも大幅に変更された。ダンジョンに池や井戸などの水辺が追加されたことに伴い、スキルとして水泳能力が追加された。水泳能力にはスイムレベルというレベルがあり、このレベルが足りない場合、とその深さより下で溺死することもある。また、鍵が掛かったドアを盗賊や忍者が開ける(正式な鍵・アイテムを使わなければならないイベントを除く)というアクションが追加された。この他、細かい点ではレベルアップが可能になったキャラクターの名前の横にマークが付くようになり、画面中央に向いた方角が認識出来るコンパスが付いた。移動キーを押した時のみ表示される。

ビジュアルにも改変があり、ワイヤーフレームにマルチウィンドウというスタイルは踏襲しつつ、敵キャラクターやイベントグラフィックの表示エリアが大幅に拡大された。

1階層が20×20ブロックの正方形からなる定型のダンジョンを脱した、初のシナリオでもある[4]。迷宮をただ踏破するだけではクリアは不可能で、迷宮攻略のヒントやキーアイテムを所持している多彩なノンプレイヤーキャラクター(NPC)との交渉が、クリアにおいて重要となった。

本作は複数の機種に移植されており、PC-8801/9801版のグラフィックには、シナリオ#1のFC版移植で実績をあげた末弥純が起用されている。対してFM TOWNS版では、幡池裕行をメイン起用した複数人によるグラフィックが使用されている。SFC版における音楽は羽田健太郎が手掛けた一方、FM TOWNS版はゲーム『ジャストブリード』(1992)やテレビアニメの作曲で知られる田中公平が担当した[9]
プラットフォーム一覧


1988年 Apple II、C64

1990年 PC-8801/PC-9801[8]FM TOWNS

1992年 PCE 発売:ナグザット 開発:アクセス、SFC 発売:アスキー 開発:ゲームスタジオ

SFC版のタイトル画面は、裸体の女性が描かれているため一部モノクロ仕様とされた。オリジナルのカラー版は、攻略本「ウィザードリィXのすべて」の表紙で確認できる。


1999年 PS(『ニューエイジオブリルガミン』収録)

2002年 Windows(『ニューエイジオブリルガミン』収録)

攻略本


ウィザードリィVのすべて(SFC):JICC出版局

ウィザードリィV 必勝攻略法(SFC):双葉社

Wizardry VI - Bane of the Cosmic Forge

詳細は「:w:Wizardry VI: Bane of the Cosmic Forge」を参照

Wizardry VI: Bane of the Cosmic Forge(邦題:ウィザードリィVI 禁断の魔筆)は書いたことが現実になるといわれる魔法のペン「コズミックフォージ」を求めて古城を探索する内容である[10]。発売時のタイトルには「6」という番号はついていなかったため、原題を略してBCFと呼ばれることもある[11]

シナリオ#5までとはがらりと変わった新時代WIZである。プラットフォームをIBM PCに移し、マウス操作を導入、システムが大幅に改訂された。グラフィックはワイヤーフレームの殺風景なものから床、壁、天井まで書き込まれ、モンスターもアニメーションするなど、『ダンジョンマスター』の影響を大幅に受けたものとなり、新しい種族や職業が多数追加された。

魔法体系も全面的に変更され、4系統(魔法使い、僧侶、錬金術、超能力)6領域(地水火風、精神、魔法)に分類され、魔法の威力を調節できるパワーレベルが導入された。呪文の名称も、プレーヤーに馴染み深かった名前が廃止され、英単語の名前になった。近接戦闘においてもスタミナの概念が導入され、麻痺や毒などのステータス異常以外にも、重過ぎる装備や力押しによる自滅を警戒する必要が生じた。また、戦闘や罠・ステータス異常の他、穴や崖などに落ちて死亡するケースも付加された。

新たに「フェアリー」、「リザードマン」、「ドラコン」、「フェルパー」(猫人間)、「ラウルフ」(犬人間)、「ムーク」の6種類の種族が追加された[12]。職業は「アルケミスト」、「レンジャー」、「モンク」、「バルキリー」、「サイオニック」、「バード」の6種類が追加されて[13]いる。

細分化されたスキル制度が本格的に導入され、それらの高低が威力や成功率を左右するなど、キャラクターの成長や戦闘のシステムも変更されている。この他、不正コピー防止のため、スタート時にマニュアルに書かれたパスワードを打ち込む必要があり、このシステムは#7にも継承された。迷宮探索ではNPCの存在が殊更に重要となっている。彼等は売買の拠点であり、貴重な情報源であるが、プレイヤーの判断如何によっては殺傷も可能である。

これまでのWIZと違う点として、拠点としての街が存在しないことが挙げられる。これによってパーティーの再編成ができず、一度古城に突入すると、後戻りはできない。その代わりにどの場所にいても最大8時間の休息をとることで順次HP及びMPなどを回復し、ステータス異常も死亡などの特に重篤なもの以外は解消できる。冒険のセーブや再開についてもプレイヤーの意思で任意の地点で実行できる。ただし、休息中に敵襲があった場合、パーティの大半が睡眠中、MPやスタミナの回復は中途半端と、危険な状況に陥る。また回復施設がないため、死亡時は数少ない蘇生アイテムを消費せざるを得ず、これらが枯渇した場合は手詰まりになる恐れもある。


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