イーハトーヴォ物語
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イーハトーヴォ物語ジャンルロールプレイングゲーム
対応機種スーパーファミコン
開発元ヘクト
発売元ヘクト
プロデューサー関雅行
ディレクターつるやじゅん
シナリオまわたりせいいちろう
プログラマーふくやままさかつ
音楽多和田吏
美術おだちひろよ
人数1人
メディア8メガビット+64キロRAMロムカセット[1]
発売日 199303051993年3月5日

デバイススーパーファミコンマウス対応
その他型式:SHVC-H8
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『イーハトーヴォ物語』(イーハトーヴォものがたり)は、1993年3月5日ヘクトから発売されたスーパーファミコン用ゲームソフト。メーカーの公称ジャンルはRPG宮沢賢治の童話を題材としている。
概要

童話作家の賢治が、作品の舞台として創造した理想郷イーハトーヴォの旅を描いたゲームである。発売時にメーカーが公表したゲームジャンルは「RPG」となっている。しかし、ゲーム本編の表示が『ウルティマ』(1981年)や『ドラゴンクエスト』(1986年)に代表される「2D見下ろし型」のマップであるものの、一般的なRPGのシステムとして頻出する「戦闘」「レベルアップ」「買い物」などの要素は全く存在しない。

人や動物の話を聞き、その情報をもとにどこかへ出かけて必要なものを取ってきたりする。そして再び誰かと会話をした時の新しい情報が次の行動目的となる。といったシンプルなシステム。[2]移動と会話、そして少数のアイテムの活用という実際の進行は、RPGというよりアドベンチャーゲームに近く、当時のゲーム雑誌などではアドベンチャーゲームとして紹介されていた事もある[1]。また、ゲーム内容それ自体も複雑な推理やパズル要素などは無く、元となった童話作品の筋書きに従って登場人物との会話を重ねていけば、自然と話が進む程度の難易度である。

全体的には、ゲームとして意思決定や射幸心の充足を楽しむことより、原作世界の再現という要素が大きい。 「雨ニモマケズ」や「やまなし」など有名な作品だけでなく、少し枠をはみだしたマイナーに近い作品の数々まで丁寧にフォローしている[3]。各章の終わりには、その章のテーマとなるビジュアルシーンが流れ、童話をもとにしたストーリーが明らかになる。BGMは20曲以上のオーケストラサウンドが収録されている[3]

ヘクト代表で本作のプロデューサーを務めた関雅行は、2007年にウェブサイト運営会社「イーハトーブ」を設立しているが、この社名は、本作の製作に携わったことがきっかけとなっている[4]

1997年にはサテラビューを用いた衛星データ放送によるサウンドリンクゲーム『BSイーハトーヴォ物語』が放送されている。
ゲームシステム

本作品は、ストーリー全体を9つの章に区切っている。各章には賢治作品から取られた小題が付けられている。ゲーム本編は「概要」の節で述べたとおり、2D見下ろし型のマップ上でプレイヤーキャラクターを歩き回らせ、情報を収集していく。また、ゲーム中にアイテムを入手することもあり、どのアイテムを持つか選択した上で適切な相手に話しかけると、そのアイテムを提示したことになりストーリーが進展する。ゲームの舞台となるのは、全編にまたがってプレイヤーキャラクターの行動の基点となる「イーハトーヴォ市街」と、各章ごとに異なる郊外の村や森などである。章が変わると、前の章で訪れた場所には行けなくなり、また前の章に登場したアイテムも一部を除いて自動的に消去されるため、プレイヤーの行動範囲はきわめて限定されている(その分、迷う可能性も少なくなる)。
ストーリー

汽車での旅の途中、イーハトーヴォの町を訪れた「私」は、この町の名士として名高い宮沢賢治に会うため、「羅須地人協会」を訪れた。しかし賢治は不在で、代わりに協会の人から、イーハトーヴォ各地へ散逸した賢治の七冊の手帳を集めてほしいと頼まれた。手帳を集めることが賢治と会うことに繋がるのではと感じた「私」は、この依頼を果たすためにしばらくイーハトーヴォに留まることを決める。
第一章 貝の火
手帳探しの第一歩として、物知りと評判の「ほらぐま先生」に会うよう促された「私」は、先生の住む「貝の火の森」へと向かった。気難しいほらぐま先生をなだめて話を聞き、身につけると動物の言葉が分かるようになるという「貝の火」を授けられた「私」は、かつて貝の火の持ち主だったというウサギのホモイに関する過去の出来事を知る。そして主人公は、我が身を振り返ってしまう物語となる。[5]
第二章 カイロ団長
動物と話ができるようになった主人公は更に多くの情報が聞けるようになった。手帳に関する噂をたどり、「私」はイーハトーヴォの街で専門の酒場を経営するトノサマガエル「カイロ団長」の元を訪れたが、団長はまったく取り合ってくれない。そこで「私」は、町の人から話を聞いて、カイロ団長の弱点を突くことにして主人公は手帳を手にすることができた。その結果、カイロ団長の商売に関する事が街中に広まり、団長は店をたたんで街を出ていくことになる。
第三章 虔十公園林
次なる手帳を求めて、「私」はイーハトーヴォ郊外の農村に住む少年、虔十の元を訪れた。しかし虔十は泣いてばかり。せっかく買ってもらったの苗が失せてしまったというのであるという。虔十と仲が悪いヘイジが怪しいが証拠はない。しかし、貝の火の力で動物と話せる「私」の介入で、事件は思いがけぬ展開を見せる。
第四章 土神と狐
土神の森に住むが手帳を持っていると聞き、「私」は森へ向かった。森では美しい樺の木をめぐって、物知りでたくさんの貴重な品を持っているという狐と、そんな狐に劣等感を抱く粗野な土神が対立していた。落ち込んでいる土神にまんじゅうを備えて労おうとする「私」だが、土神と狐の対立はついに越えてはならぬ一線を越えてしまう。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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