イヴェコ
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イヴェコグループ
Iveco Group N.V.

トリノの本社
種類株式会社
市場情報BIT:  ⇒IVG
本社所在地 イタリア
ピエモンテ州トリノ
設立1975年1月1日 (49年前) (1975-01-01)
業種輸送機械
事業内容商用車や特殊車両の製造
代表者Gerrit Marx(CEO
営業利益 49億ユーロ
従業員数約25,000人
外部リンクコーポレートサイト
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イヴェコ(Iveco Group N.V.)は、トラックバスなどの商用車や、建設用・軍事用などの特殊車両製造する産業用車両メーカーである。イタリア証券取引所上場企業(BIT:  ⇒IVG)。

同社の組み立て工場はヨーロッパのほかにロシアアフリカアルゼンチンブラジルオーストラリア中国に構え、世界160か国以上、約5,000か所での販売とサービスを提供を行っている。年間総生産台数は約150,000台であり、総売上高は約100億ユーロ(約1兆2,500億円)である[1]
歴史Iveco Turbo Zeta

イヴェコは1975年1月1日に設立され、イタリア、フィアット社の一部門であるFiat Veicoli Industrialiを中心にOM(イタリア)、Lancia Veicoli Speciali(イタリア)、ユニック(フランス)およびマギルス=ドイツ(ドイツ)の5つの商用車部門のブランドが合併し設立された[2]

新しく設立されたイヴェコは、各々のブランドを維持しながら、製品範囲、製造工場、および販売ネットワークの合理化を開始。1975年から1979年にかけて、イヴェコシリーズには200の基本モデルと600種類のバリエーションがあり、GVW2.7トンの普通自動車から40トン以上となる大型車やバス、産業用エンジンまでがある[3][4]1977年、販売から20年を経過していた「OM Lupetto」に代わり、小型から中型までのモデルとなる「Iveco Zeta」シリーズが新たに導入されている。FIAT-OMシリーズとユニックおよびマギルスのラインナップの統合は1980年までに完了[5]。イヴェコは生産性の向上とエンジン開発の向上に取り組んでおり[5]1978年にイヴェコブランドとして初となる普通貨物自動車(バン)製品となる「イヴェコ・デイリー」の販売を開始[6]

1980年、イヴェコは大型産業車両用向けのターボ・ディーゼルエンジンの製造を開始[7]。この10年間は企業戦略として、ブランドのプロモーションに重点が置かれ、1980年のモスクワオリンピック1982年デビスカップ、複数のボクシングタイトルマッチ、ジャック=イヴ・クストー世界水中連盟会議などのスポーツイベントのスポンサーを務めている。このほかプロモーションの一環として1983年に特別に製造された車両「IVECO-FIAT 75 PC 4x4」を用いアマゾン盆地で行われたピガフェッタ・ラリーレイドや地球一周などのイベントも行い完走を果たしている[8]。なお同時期に、バスと消防車の部門が新たに形成されている[9]

1984年にイヴェコは新型車両となる「TurboStar」を発売[10]。この車両はイタリアでベストセラーとなり、ヨーロッパ市場でも成功を収めており、7年間で合計50,000台の販売実績を残している[11]

1985年、イヴェコ初となる直接噴射式の小型ディーゼルエンジンを開発[12]

1986年から社名はIVECO SpAへ変更され、フォード・ヨーロッパと事実上の合併となる合弁企業「Iveco Ford Truck Ltd」をイヴェコが株式の52%を保有する形で設立。フォード・ヨーロッパの工場はイヴェコ車両の製造と販売を引き継ぎ、フォード・カーゴとして継続販売を行っている[13]。 1980年代半ば、ホウルトラックの製造を行う産業機械系メーカーであるアストラがイヴェコ・グループ企業として傘下入りをしている[14]。特殊車両や重トラック部門としてアストラ・イヴェコブランドで軍用車両の開発も行う。

1989年、商用車と互換性のある汚染排出を削減するEGRを備えた最初のディーゼルエンジンが製造され、その年に発売された新型デイリーに採用が行われている[13]Stralis(ストラリス) Hi-Way

1990年に、グループは産業機械系メーカーペガソを所有するスペイン企業エナサ(Enasa)社の株式の6割を購入[13]。また、1990年代はユーロカーゴ(EuroCargo)ユーロテック(EuroTech)ユーロトラッカー(EuroTrakker)ユーロスター(EuroStar)各車両でフルモデルチェンジを行う[13]。ユーロカーゴとユーロテックはそれぞれ1992年1993年にトラックオブザイヤーに選出され、2年連続でイヴェコに授与されており、連続受賞としては初となるメーカーに輝いている[15]イギリスの商用車メーカーであるセドン・アトキンソンは1991年に買収され、この買収によって建設系およびごみ収集車などの特殊自動車分野に進出を果たしている[16]。同じ年、「TurboDaily」の組立ラインが中国南京汽車で発足している[17]

1992年、イヴェコはオーストラリアの産業機械系メーカーであり、元々はインターナショナル・トラックス・オーストラリアであった企業を買収しイタル社を設立[18]2000年に社名を「Iveco Trucks Australia Limited」に改名[16]。1996年にはドイツで行われていた消防車部門を「Iveco Magirus Brandschutztechnik GmbH」の下にまとめており[19]、翌年、オーストリアの消防設備企業レーアを買収したことで、レーア・マギルスとなっている[16]

1998年に「Cursor 8」が発売され、翌年には可変ジオメトリータービンを搭載したコモンレールディーゼルエンジンを搭載した「Cursor 10」を発売[19]第二次世界大戦以降に製造された5,000台目となるマギルスのはしご車の納入と同時に創業125周年記念式典が執り行われている[19]

2003年、イヴェコは元々ルノーとの合弁事業であったイリスバスを完全に買収[20]2004年に主にエンジン製造部門として「Iveco Motors」ブランドが誕生しており、翌年新設されたエンジン研究機関である「Fiat Powertrain Technologies(FPT)」に組み込まれている。2004年末にはFPTと中国の自動車メーカー上海汽車集団の間で技術協力に関しての契約が取り交わされている[21]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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