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インピーダンス整合(インピーダンスせいごう、英: impedance matching)とは、電気回路においては信号を送り出す側のインピーダンス(信号源インピーダンス・出力インピーダンス)と受け入れる側のインピーダンス(負荷インピーダンス・入力インピーダンス)を何らかの基準の下に合わせることである(インピーダンスの値を一致させる場合もあるが、必ずしもそうではない)。インピーダンス整合の概念は、機械工学や音響の分野でも用いられる。 一般に、エネルギー(電力量など)の伝送をスムーズに行うには様々な工夫が必要である。前段と後段の機器を、ただ単に電気的に連結すればよいというものではなく、エネルギーの反射や損失などによる不都合を生ずることがある。音響ホーンは一種のインピーダンス変換装置であり、インピーダンス整合をおこなって効率よく音響・振動を伝える装置である。 以下では、インピーダンス整合概念のうち、電気回路におけるインピーダンス整合の例と音響インピーダンス、機械インピーダンスについて述べる。ただし、電気回路におけるインピーダンス整合の例のうち、給電線と空中線の間におけるインピーダンス整合については、マッチング (無線工学)を参照のこと。 電気回路において負荷インピーダンスを変化させるとき、その値が信号源インピーダンスの複素共役となる場合に、伝達される電力が最大となる[1]。これは特に高周波回路や立ち上がりの速いパルスを扱うデジタル回路において重要で、多くの場合、伝送線路の特性インピーダンスも含めて一致させることになり、それをインピーダンス整合と呼んでいる。インピーダンスが整合していないと希望する出力が出なくなったり、伝送線路に反射波や定在波が生じ波形が乱れたり、感電や電波障害などが起きる場合もある。高周波回路においては何も接続されない終端には終端抵抗を接続し、無限長線路が接続されているのと同等にするのが普通である。無駄な電力を消費することになるが、品質保持のためには必要な措置である。 (参照→電力潮流制御)一方、電気回路における音声周波数などの低周波回路では、同じインピーダンス整合という用語が全く異なる意味で用いられる。低周波回路においては上記のことはほとんど問題にならないのでインピーダンスを合わせ込むことはせず、利便性と回路素子の特性から、単に比較的低い信号源インピーダンスで送り出し、高い負荷インピーダンスで受ける場合が多い。しかし雑音指数を最小にしたり(ノイズマッチング)、真空管アンプで定格出力を最大にするなど、なんらかの理由でインピーダンスを最適化することもあり、それをインピーダンス整合と呼んでいる。この意味で最適化されたインピーダンスの値は、ほとんどの場合、上記の信号源インピーダンスの複素共役とは一致しない[2]。つまり同じインピーダンス整合という用語を使っているが内容は全く別のことである。 トランス(変圧器)はインピーダンス整合のために使われる(この場合、変成器と呼ぶことがある)。 一つの例は真空管アンプの出力にスピーカーを接続する場合に用いられる出力トランスである。
概要
インピーダンス整合の意味
インピーダンス整合の例
トランスによる整合
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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