インド語群
話される地域南アジア
言語系統インド・ヨーロッパ語族
インド・イラン語派
インド語群
下位言語
中央語群
東部語群
北部語群
北西語群
南部語群
ISO 639-5inc
インド語派の分布(ウルドゥー語はHindiの範囲に含まれている。ロマ語、ドマリ語、ロマヴレン語はこの地図の範囲に含まれていない。) .mw-parser-output .legend{page-break-inside:avoid;break-inside:avoid-column}.mw-parser-output .legend-color{display:inline-block;min-width:1.5em;height:1.5em;margin:1px 0;text-align:center;border:1px solid black;background-color:transparent;color:black}.mw-parser-output .legend-text{} 中央語群 東部語群 北部語群 北西語群 南部語群 シンハラ・モルジブ諸語
インド語群(インド・アーリア語群、Indo-Aryan languages)とは、インド・イラン語派の下位分類のひとつで、インド・ヨーロッパ語族に属する。主にインド亜大陸に分布する。
SILの推計によれば209言語が属し、母語としている人口は9億人以上と最も多い言語群である。代表的なものとして、ヒンディー語とウルドゥー語をまとめたヒンドゥスターニー語(5億4000万人)、ベンガル語(2億人)、パンジャーブ語(1億人)、マラーティー語(7000万人)、グジャラート語(4500万人)、オリヤー語(3000万人)、シンド語(2000万人)がある。 インドにはインド・ヨーロッパ語族の言語のほかにもドラヴィダ語族、ムンダ語派、チベット・ビルマ語派などの言語が話されている。インド語群(英語: Indic)という名前では「インドの言語」という意味だと誤解される可能性があるため、インド・アーリア語群(英語: Indo-Aryan)と呼ぶことも多い[1]。 インド語群のうち最も古いものは、ヴェーダで用いられているヴェーダ語である。ヴェーダ語の中でも最古の部分はアヴェスター語などの古代イラン語ときわめてよく似ている。ほかに紀元前14世紀の小アジアにあったミタンニ王国の王名や神名、およびミタンニ人キックリの文書の中にインド・アーリア語と思われる語彙が出現する。 続いて紀元前5世紀頃に、サンスクリット語が文法家のパーニニの手で標準化・成文化された。これが後の紀元前2世紀頃に古典サンスクリット語として完成する。しかし、パーニニの時代、既にヴェーダ語からの変化が目立っている。また、パーニニが確立したサンスクリットは古いヴェーダに回帰したわけではなく、同時代に既に分化していたインド諸語にも影響を受けている。 古い時代に現れるサンスクリット以外の俗語的な言語を総称して中期インド・アーリア語またはプラークリットと呼ぶ。プラークリットの最も早い刻文は紀元前3世紀のアショーカ王碑文に現れている。プラークリットは全体的にサンスクリットよりも新しい語形・文法を持つが、語彙によっては古典サンスクリットやヴェーダ語よりも古い起源を持つものもある。 10世紀以降になると現代につながる新インド・アーリア語の文献が出現する。デーヴァセーナのスラーヴァカチャール(930年頃)がヒンディー語では最古の書物とされる。 そして13世紀から16世紀にかけてのイスラム勢力の拡大がインド語派に大きな影響を与えた。ムガル帝国の繁栄のもとで、イスラーム宮廷の権威によりペルシア語が支配的になったのである。しかしそのペルシア語の地位は、現地語文法をもとにアラビア語とペルシア語語彙を大量に導入したヒンドゥスターニー語に取って代わられた。
名称
歴史