この項目では、学術上または外交戦略上のインド太平洋地域について説明しています。日本国政府の外交方針については「自由で開かれたインド太平洋戦略」をご覧ください。
濃い青の部分がインド太平洋
インド太平洋(インドたいへいよう、英語:Indo-Pacific
)とは、インド洋から太平洋にかけての地域・暖流域[1][2]。アフリカ東部沿岸およびマダガスカル付近から、二つの大洋の間にあるフィリピン、インドネシア周辺の海域を経て、オセアニアの東縁までの範囲に渡る。2007年8月インド議会で安倍晋三首相の演説「二つの海の交わり」にて、「インド洋・太平洋」と二つの海を一体として見ることの戦略的な重要性を説いた演説「太平洋とインド洋は自由と繁栄の海」にて、「アジア太平洋」の代わりに「インド太平洋」を用いた。 [1][3][2]。アメリカ合衆国政府も、2018年5月には米太平洋軍を「米インド太平洋軍」に名称変更している[4][5]。2022年5月には東京でインド太平洋経済フレームワーク(IPEF)という経済協議体を発足させている[3]。
地理インド洋
インド洋
インド洋は、インド、パキスタン、バングラデシュ、ミャンマー、スリランカから、西はアラビア半島およびアフリカに接し、紅海とつながる。東はマレー半島、スマトラ島、ジャワ島、オーストラリア、南は南極海に囲まれる。主なチョークポイントは、バブ・エル・マンデブ海峡、ホルムズ海峡、マラッカ海峡、スエズ運河の南側入り口、ロンボク海峡。アンダマン海、アラビア海、ベンガル湾、グレートオーストラリア湾、アデン湾、オマーン湾、ラッカディブ海、モザンビーク海峡、ペルシャ湾、紅海を含む。太平洋の位置
太平洋
太平洋は地球表面のおよそ3分の1を占める世界最大の海洋であり、面積はおよそ1億6525万平方キロメートルである[6]。太平洋はマラッカ海峡でインド洋 とつながり、東南部にあるドレーク海峡およびマゼラン海峡で大西洋とつながり、北部のベーリング海峡で北極海とつながる[7]。付属海は、北からベーリング海、オホーツク海、日本海、黄海、フィリピン海、東シナ海、南シナ海、スールー海、セレベス海、ジャワ海、フロレス海、バンダ海、アラフラ海、サンゴ海、タスマン海。主な海流に黒潮、親潮、カリフォルニア海流、北赤道海流、ペルー海流などがある。 インド洋と太平洋に共通して分布しながら、大西洋には分布しない海洋生物は非常に多い。それらの分布などに言及する場合や、それらの生物相を総じて表現する場合に用いられる。具体的には、そのような生物の分布域を示す場合に「インド太平洋」と記したり、それらの生物種を「インド太平洋種」と呼んだりする。
生物地理学