インドシナ
Indochine
監督レジス・ヴァルニエ
脚本レジス・ヴァルニエ
ルイ・ガルデル
エリック・オルセンナ
カトリーヌ・コーエン
製作エリック・ウーマン
ジャン・ラバディ
出演者カトリーヌ・ドヌーヴ
ヴァンサン・ペレーズ
音楽パトリック・ドイル
撮影フランソワ・カトンヌ
『インドシナ』(Indochine)は、カトリーヌ・ドヌーヴ主演のフランスの映画。1930年代のフランス領インドシナを舞台としたドラマ。 1930年代、フランスの植民地だったインドシナに独立運動が起こり始めた頃、インドシナを深く愛しつつも引き離されていくフランス人女性と、独立運動に身を投じたその養女の人生を描く。 1930年代、インドシナは植民地としてフランスに支配されていた。インドシナ人は、一部の特権階級を除いて虐げられ、苦しい生活の中で共産主義による独立の機運が高まっていた。 インドシナ生まれのフランス人エリアーヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ)は、アンナンの王族である友人夫妻を事故で失い、遺児のカミーユ(リン・ダン・ファン)を養女として、遺産である広大なゴム園の経営も引き受けた。 エリアーヌは成熟した魅力的な女性だが、実父の面倒を見るうちに婚期を逸し、独身のままゴム園の運営を続けていった。養女のカミーユが美しい娘に成長した頃、エリアーヌは、年下のフランス海軍士官ジャン=バティスト(ヴァンサン・ペレーズ)と恋に落ちる。しかし、共産主義者による発砲事件に巻き込まれたカミーユが、偶然ジャン=バティストに助けられたことで、カミーユはジャン=バティストに熱烈に恋をしてしまった。 カミーユのことでエリアーヌと口論になったジャン=バティストは、人々の面前でエリアーヌを殴り、へき地のドラゴン島に左遷された。カミーユは、幼馴染のタン(エリック・グエン)との結婚を承諾するが、タンに全てを打ち明け、ジャン=バティストを追って単身ドラゴン島に向かった。カミーユを逃がしたタンもまた特権階級の暮らしを捨てて、独立運動に参加する覚悟を決めていたのだ。 途中から徒歩の旅となったカミーユは、ようやくドラゴン島に辿り着くが、そこはフランス軍が統治する奴隷売買の拠点であった。フランス人将校を撃ち殺してしまったカミーユは、ジャン=バティストと共にドラゴン島を脱出し、共産主義者の地下組織に匿われる身となった。 カミーユとジャン=バティストの物語はインドシナ中の話題になり、カミーユは独立運動の『ジャンヌ・ダルク』と見なされるようになった。やがてカミーユは男の子を産んだが、父親であるジャン=バティストは赤ん坊と共に警察に囚われた。赤ん坊はエリアーヌが引き取ったが、ジャン=バティストは何者かによって暗殺された。 夫や息子とは別に逮捕されたカミーユは、5年後に釈放されたが、愛する我が子には会わぬまま独立運動に身を投じた。エリアーヌは、エティエンヌと名付けられたカミーユの息子を安全なフランスで育てるために、生まれ故郷であるインドシナを後にした。 時は流れ1954年。カミーユたちの努力でジュネーブ会談が開かれ、南北二つのベトナムの誕生によって独立戦争は終結した。だが、成長した息子のエティエンヌはエリアーヌの元に留まり、母に会おうとはしなかった。老いたエリアーヌにとって、彼女が愛した過去のインドシナは、もはやエティエンヌの中にしか残ってはいないのだった。
概要
あらすじ
キャスト
カトリーヌ・ドヌーヴ:エリアーヌ・ドュブリー
リン・ダン・ファン:カミーユ
ヴァンサン・ペレーズ:ジャン=バティスト
ジャン・ヤンヌ:ガイ
ドミニク・ブラン:イヴェット
アンジェイ・セヴェリン
備考
作中に、ベトナムの世界遺産に登録されているハロン湾の風景が登場する。
多和田葉子の小説『旅をする裸の目』にて、物語の重要な要素の一つとして描かれている。
受賞歴
1992年 アカデミー外国語映画賞
1992年 ゴールデングローブ賞 外国語映画賞
1992年 セザール賞 主演女優賞(カトリーヌ・ドヌーヴ)、助演女優賞(ドミニク・ブラン)、撮影賞、音響賞、美術賞
外部リンク
インドシナ - allcinema
⇒インドシナ - KINENOTE
Indochine
Indochine - IMDb(英語)
表
話
編
歴
アカデミー国際長編映画賞(外国語映画賞)
特別賞
靴みがき (1947)
聖バンサン (1948)
自転車泥棒 (1949)
名誉賞
鉄格子の彼方 (1950)
羅生門 (1951)
禁じられた遊び (1952)
受賞なし (1953)
地獄門 (1954)
宮本武蔵 (1955)
1950年代
道 (1956)
カビリアの夜 (1957)
ぼくの伯父さん (1958)
黒いオルフェ (1959)
1960年代
処女の泉 (1960)
鏡の中にある如く (1961)
シベールの日曜日 (1962)
8 1/2 (1963)
昨日・今日・明日 (1964)
大通りの店 (1965)
男と女 (1966)
厳重に監視された列車 (1967)
戦争と平和 (1968)
Z (1969)
1970年代
殺人捜査 (1970)
悲しみの青春 (1971)
ブルジョワジーの秘かな愉しみ (1972)
アメリカの夜 (1973)
フェリーニのアマルコルド (1974)
デルス・ウザーラ (1975)
ブラック・アンド・ホワイト・イン・カラー (1976)
これからの人生 (1977)
ハンカチのご用意を (1978)
ブリキの太鼓 (1979)
1980年代
モスクワは涙を信じない (1980)
メフィスト (1981)
Volver a Empezar (1982)
ファニーとアレクサンデル (1983)
La Diagonale du fou (1984)
オフィシャル・ストーリー (1985)
追想のかなた (1986)
バベットの晩餐会 (1987)
ペレ (1988)
ニュー・シネマ・パラダイス (1989)
1990年代
ジャーニー・オブ・ホープ (1990)