インデペンデンス・デイ
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この項目では、映画について説明しています。その他の名称については「インデペンデンス・デイ (曖昧さ回避)」をご覧ください。

インデペンデンス・デイ
Independence Day

監督ローランド・エメリッヒ
脚本ディーン・デヴリン
ローランド・エメリッヒ
製作ディーン・デヴリン
製作総指揮ローランド・エメリッヒ
ウテ・エメリッヒ
ウィリアム・フェイ
出演者ウィル・スミス
ビル・プルマン
ジェフ・ゴールドブラム
ジャド・ハーシュ
マーガレット・コリン
ランディ・クエイド
ロバート・ロッジア
ジェームズ・レブホーン
ハーヴェイ・ファイアスタイン
音楽デヴィッド・アーノルド
撮影カール・ウォルター・リンデンローブ
編集デヴィッド・ブレナー
製作会社セントロポリス・エンターテインメント
配給20世紀フォックス映画
公開 1996年7月2日
1996年12月7日
上映時間145分
154分(エクステンデッド版=特別版)
製作国 アメリカ合衆国
言語英語
製作費$75,000,000[1]
興行収入$817,400,891[1]
配給収入 66億5000万円[2]
次作インデペンデンス・デイ: リサージェンス
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『インデペンデンス・デイ』(Independence Day)は、1996年アメリカ合衆国SF映画。監督はローランド・エメリッヒが務め、セントロポリス・エンターテインメントによって製作、20世紀フォックス映画によって配給された。

本作には、多くのSF映画やパニック映画へのオマージュが見られる。特にストーリーはH・G・ウェルズの『宇宙戦争』からの引き写しといえるようなものだが、『宇宙戦争』の宇宙人は地球人の思惑と無関係に(自然の)細菌によって敗北するのに対して、インデペンデンス・デイの宇宙人は地球人の意図的なコンピューター・ウイルス攻撃によって敗北するといった違いがある[3][4]2016年6月24日に続編『インデペンデンス・デイ: リサージェンス』が公開された[5][6]
あらすじ

アメリカ独立記念日を控えた7月2日[注 1]、直径24kmにも及ぶ円盤型の宇宙船(シティ・デストロイヤー)がニューヨークロサンゼルスワシントンD.C.などアメリカや世界中の大都市上空に出現した。世界中が混乱に陥る中、ホイットモア大統領率いるアメリカ政府は国民の不安を鎮めるべく、宇宙人との交信を試みるが、ケーブルテレビの技師デイヴィッドは衛星通信にノイズとして隠されていた信号が宇宙人同士の攻撃指令であることを察知する。デイヴィッドは離婚した妻でホワイトハウス首席報道官を務めるコニーの助力を得てホイットモアと会見し、それを伝えるも、アメリカ政府が彼らが侵略者であることを理解した時には既に遅かった。宇宙船の主砲攻撃によって主要な大都市は爆発し、破壊され、廃墟と化してしまう。

7月3日、戦闘機による宇宙船への反撃が開始されるも、宇宙船のバリアーに攻撃を無効化され、ロサンゼルスに向かった海兵隊航空部隊はスティーブン・ヒラー大尉を除いて全滅する。NORAD(司令部)も破壊されたアメリカ政府首脳部は、かつて捕獲した宇宙人や小型宇宙船戦闘機(アタッカー)を秘密裏に研究している秘密施設「エリア51」に避難する。ヒラー大尉が捕虜にした宇宙人との対話を通じて、彼らの狙いが地球人類の根絶やしと地球資源の収奪であることを知ったホイットモア大統領は、廃墟と化したヒューストンでの核兵器の使用を決断するが、宇宙船のバリアーは核攻撃さえも阻むのだった。

独立記念日の7月4日、もはや人類に打つ手なしと思われた。そんな折、デイヴィッドが父ジュリアスと交わした何気ない会話をきっかけに、宇宙人が地球の人工衛星を利用したように、人類の側からコンピューターウイルスを彼らのマザーシップに感染させ、バリアーを一時的に無効化し、その間に全世界で一斉攻撃する反撃作戦を思いつく。ホイットモア大統領もこの作戦に全てをかける決断を下し、世界各国に短波無線のモールス信号でその計画を伝達して協力を取り付ける。

ヒラー大尉とデイヴィッドはエリア51で研究されていたアタッカーに搭乗してマザーシップへ向かう。ホイットモア大統領や、かつて宇宙人に誘拐されたと主張する飲んだくれのラッセル・ケイスら寄せ集めのパイロットたちはエリア51に接近してくるシティ・デストロイヤーの迎撃へ出撃し、最後の戦いに挑む。

アタッカーに搭乗した二人は予定通りマザーシップ内に侵入し、駐機するとコンピューターウイルスを発信する。一旦は失敗したかのように思われたが、バリアーの無効化は成功し、パイロットたちはシティ・デストロイヤーへの攻撃を開始する。シティ・デストロイヤー側も迎撃のためアタッカーを出撃させ、壮絶な空中戦が展開される。パイロットたちは多数のミサイルを撃ちこむものの有効打は与えられず、ついにシティ・デストロイヤーが主砲を発射しようとした時、最後のミサイルを引っ提げて飲んだくれのケイスが駆けつける。だが、ミサイルはパイロンの故障により発射出来なくなった。彼は意を決し、家族への別離の言葉を残すと、戦闘機ごと発射直前の主砲の砲口へと特攻する。ケイスの犠牲によってシティ・デストロイヤーは崩壊し、人類は反撃に成功した。砲塔が弱点であると全世界に伝えられ、人類の反抗により世界中の宇宙船は落とされ、マザーシップもヒラー大尉とデイヴィッドが艦内から撃ち込んだ核ミサイルの炸裂で壊滅した。辛くも地球へ帰還した二人は験担ぎの葉巻に火を点けて脅威が去ったと祝杯を挙げるのだった。
登場人物
主要人物
デイヴィッド・レヴィンソン
MITを卒業した天才エンジニアだが出世欲や野心とは無縁で、現在はニューヨークのケーブルテレビ放送局に技師として勤務している。衛星通信にノイズとして隠されていた信号が宇宙人の暗号であることを突き止め、彼らの目的が侵略であることを誰よりも早く理解する。現大統領のホイットモアが、大統領就任前に妻のコンスタンスに手を出したと誤解して殴り合いの諍いとなり、以来ホイットモアとは犬猿の仲となり、妻とも離婚。エコロジストでありゴミの分別にうるさく、環境に多大な悪影響を与える核兵器の使用には断固反対の立場であった。劇中の終盤、核攻撃を実施しながらも効果がなく、打つ手がなくなったため絶望的になっていたところ、父のジュリアスとの会話で宇宙人反撃のヒントを得て、反撃作戦を立案する。飛行機に弱く、エアフォースワンの機内では乗り物酔いに悩まされていた。このため終盤でマザーシップへ乗り込む作戦に出撃する際に、ジュリアスから「念のため」と嘔吐用パックを渡されている。
トーマス・J・ホイットモア大統領
アメリカ合衆国大統領。元戦闘機パイロットで、湾岸戦争の英雄。その後政治家に転身するが政治の世界で悪戦苦闘し、支持率が40%にまで落ちてしまう。当初エイリアンに対し融和的な姿勢で臨むが、デイヴィッドの警告や接触を試みたヘリが攻撃されたことから、彼らが敵対的な存在であると判断する。ヒラー大尉が捕まえたエイリアンとの対話によって、彼らが交渉の余地がない侵略者であることを確信する。そのため核攻撃を承認するのだが、何も損害を与えられなかったことから攻撃の継続を主張するアルバートを退け、作戦の中止を命じる。その後妻マリリンとの死別により失意の底に沈んでいたが、デイヴィッドが立案した反撃作戦に、パイロットが不足していたことから戦力となるべく自ら志願・参加する。そして作戦が成功に終わった後、娘パトリシアから祝福された。
スティーブン・ヒラー大尉
アメリカ海兵隊第314戦闘攻撃飛行中隊(VMFA-314、通称ブラックナイツ)所属のF/A-18戦闘機パイロット。長らく宇宙飛行士を夢見てNASAに志願してもいるが叶わずにいる。宇宙人の襲撃時に飛行部隊を率い、ロサンゼルスを攻撃した巨大円盤の迎撃に向かうが僚機がすべて返り討ちに遭い、自らを追跡してきたアタッカーを奇策で撃破。自身は機体から緊急脱出して地上に降下し、撃破されたアタッカーに乗っていた宇宙人を捕獲して、現場近くのエリア51にたどり着く。その後配属先のエルトロ基地が壊滅したことを知りショックを受けるものの、恋人ジャスミンとエルトロ基地で合流する約束を思い出し、ヘリで基地へ向かい彼女と再会する。後にデイヴィットと共にマザーシップに乗り込み、その過程で宇宙飛行を自らの手で行う。縁起を担ぐタイプで、マザーシップに乗り込む作戦の際にはブラックナイツで出撃時に渡される勝利の葉巻が無いのに気付くが、ジュリアスから彼の最後の2本の葉巻を受け取った。
ラッセル・ケイス
かつてベトナム戦争で戦闘機乗りだった経歴を持つ。現在はロサンゼルスの郊外で農薬散布業を営む軽飛行機パイロットで、昼間から酒浸りの冴えない初老男。10年前に宇宙人に誘拐(アブダクション)されたと主張し、周囲の人々からは変人扱いされているが、家族を心から愛している。反撃作戦の行動が映画版(正確には劇場公開版および後述の#ソフト化)と小説版では異なっている。劇場公開版では迎撃作戦に志願・参加し、その変人ぶりから周囲に不安を抱かせつつも、エリア51にあったF/A-18戦闘機に乗り込む。シティ・デストロイヤーが主砲を発射しようとした際、他の機体がミサイルを全て撃ち尽くしていた中、唯一ミサイル1発を残していたが、発射装置の故障により発射されなかった。だが家族のために意を決して、戦闘機ごと主砲へと体当たりし壮絶な最期を遂げる。同時にシティ・デストロイヤーを撃破したことにより、人々から英雄と称えられた。小説版では10年前に実際にアブダクションに遭ったとされ、その詳細と事件後から精神を病み人生を転落していく様が彼の回想によって描かれている。基地にあった最も大きい爆弾を自らの軽飛行機に括り付けて人類側の反撃作戦に紛れ込み、敵宇宙船の主砲に対して体当たりを敢行、復讐と名誉回復を果たした。
政府・軍関係者
コンスタンス・スパノ
ホワイトハウス首席報道官。愛称コニー。デイヴィッドの元妻。デイヴィッドとは対照的に勝気で上昇志向が強い。政治運動に熱心で、家庭・夫婦関係を省みることがなくなっていった。ホイットモア大統領が大統領選立候補した際、スタッフとして参加。ホイットモア候補に傾倒していたため、デイヴィッドから浮気を疑われ離婚を選択する。
マリリン・ホイットモア
ファーストレディ。ロサンゼルスで宇宙人の攻撃に遭い、乗っていた脱出用のヘリコプターが墜落して致命傷を負う。通りかかったジャスミンたち避難民に救助されるものの、エリア51へ搬送後に息を引き取る。
ミッチェル空軍少佐
大統領にエリア51の案内をした同基地の総責任者。コンスタンスの提案を受けて、地上の敷地内にいた民間人避難者を地下へと避難させた。
ブラキッシュ・オーキン(地上波版ではオークン)博士
エリア51の宇宙人研究者。エイリアンが現れてからアタッカーの研究が急進したことを喜々として語り、その不謹慎な態度をホイットモアから叱責された。研究のためエリア51の外へなかなか出ることが出来ず、そのためか言動が少々浮世離れしている。スティーブンが捕獲したエイリアンの調査を行うが、意識を取り戻したエイリアンに首を絞められ声帯を利用される。劇中では死亡したかのように描写されたが、続編で再登場する。
ミルトン・アイザックス博士
オーキンの同僚の医学者。オーキンと違いまともなタイプの人物。作中では搬送されてきたマリリン・ホイットモアの手術を執刀。また、オーキンが倒れたあとは、彼がエリア51の研究者たちを纏める。小説版ではエイリアンが意思の疎通にテレパシーを用いている仮説を立てていた。
ウィリアム・グレイ将軍
アメリカ国防総省統合参謀本部議長を務める海兵隊大将。エイリアン襲来時に大統領執務室にて大統領に最後まで同行すると進言するなど猛将タイプの人物。
ジミー・ワイルダー大尉
ヒラーの親友で、同僚の海兵隊パイロット。スティーブンと共に円盤へ攻撃を仕掛けるも、叶わないと見て退却するが、追撃してきたアタッカーを振り切ろうと高速で上昇を試みたため呼吸困難に陥り酸素マスクを外してしまう。直後に撃墜され死亡。
アルバート・ニムジッキ国防長官
攻撃してきた巨大円盤に対する核攻撃を進言したタカ派。元CIA長官で、政権内で唯一エリア51の実状を知っており、真実をぎりぎりまで隠蔽していた(本人曰く、「記者会見で下手な嘘をつく必要が無くなる」「敵に対して味方の戦力がそれほど無力だとは思っていなかった」とのこと)。核攻撃を実施した際、失敗したにもかかわらず継続を主張するなど、頑迷な性格が強く表れている。しかし核攻撃が失敗して、打つ手がないと判明すると以降は消極的な姿勢を取るようになり、デイヴィッドの立てた作戦にも反対する。その結果、ホイットモアの逆鱗に触れてしまい、国防長官の職を解任される。小説版ではホイットモアと彼の周囲のスタッフに精神的に揺さぶりをかけて主導権を握ることを画策し、CIA長官時代に自身の権力闘争の手札とするためエリア51の情報隠蔽に関わるなど、冷徹な野心家としての面が強調されている。
民間人
ジャスミン・ダブロウ
スティーブンの恋人。報酬がいいストリッパー稼業をしながら、一人息子のディランを育てている。自分とスティーブンとの仲が彼の昇進の妨げになることを恐れている。ロサンゼルスでの宇宙人からの最初の攻撃をトンネルの
避難通路に逃げ込むことで生き残り、スティーブンが配属されているエルトロ基地へ生存者を救出しながら向かっている最中、マリリンを救助する。基地へ到着するものの、既に壊滅しており途方に暮れるが、スティーブンがヘリで駆け付けたことによって彼と再会する。
ジュリアス・レヴィンソン
デイヴィッドの父親。NYに住んでいたが、デイビッドに連れ出され最初の攻撃から難を逃れる。ユダヤ教徒。政府によるロズウェル事件の隠蔽工作を疑っている。本来は優しい人物だが、妻との死別をきっかけに信仰を捨て、他人にも刺々しく当たるようになる。劇中の終盤、彼の何気ない一言が人類の危機を救う鍵となる。息子とは異なり自動車の運転免許を持っているが、違反レベルの速度を出さずに安全運転で走る主義。
ミゲル・ケイス
ラッセルの息子。17歳。小説版ではラッセルの亡き妻マリアの連れ子であり、ラッセルとは義理の父子。過去の出来事と現在のていたらくからラッセルに反発している。そのためラッセルを父親と認めておらず、普段は彼を名前で呼ぶ(地上波版では初めから「親父」、ソフト版ではラッセルが戦死する直前に「父ちゃん」と呼んでいる)。
アリシア・ケイス
ラッセルの娘。14歳。小説版ではミゲルと同じくマリアの連れ子。
トロイ・ケイス
ラッセルの息子。11歳。小説版ではラッセルの唯一の実子。義理の兄と姉からも肉親同様に愛されている。副腎皮質に障害を抱えており、定期的な投薬を必要としている。
マーティ・ギルバート
デイヴィッドの同僚。母親を溺愛している。デイヴィッドが宇宙人の目的を最初に明かした人物。町からの脱出を図るが、シティ・デストロイヤーの攻撃時には渋滞の車列から抜けられず、火炎に巻き込まれ死亡。
エイリアン
エイリアン
地球人を遥かに凌駕する高度な科学力・軍事力を持ちつつも、和平や、共存の概念がなく、数々の惑星を征服しては、資源を喰い尽くすと、次の惑星を目指して宇宙を放浪することを繰り返してきた凶悪な種族(劇中でホイットモアは「
蝗害」に例えている)。実は以前から、地球と人類の調査を重ねて綿密な攻撃計画を練っており、過去に墜落死した数体が「エリア51」に保管されていた。劇中の描写、および小説版での記述から、人類とは違った科学技術の発展をしており、アタッカーやバイオスーツは、生物が元になっていることなど、特にバイオテクノロジーに精通していると推測される。また、後述するマザーシップとシティ・デストロイヤーとの通信に関しては、地球と同じく電波通信のテクノロジーを用いている模様であるが、人類側も墜落したアタッカーを解析して、そういった技術を発展させてきたことが示唆されている。


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