インティ
[Wikipedia|▼Menu]
.mw-parser-output .hatnote{margin:0.5em 0;padding:3px 2em;background-color:transparent;border-bottom:1px solid #a2a9b1;font-size:90%}

「インティ」のその他の用法については「インティ (曖昧さ回避)」をご覧ください。
太陽神インティ

インティ(Inti)は、インカ帝国の伝説上の太陽神。ケチュア語で太陽の意味。太陽の神ともいわれる。
概要

インカ帝国を興したケチュア族の人々は、太陽の神を天の序列の第一位に置き、インティという名前で神聖視した。さらに、インティにはより複雑で普遍的な人格が付与され、創造の神格を吸収して、イラ・コチャ(Ira-Cocha。ビラコチャ、Viracocha とも呼ばれる)、またはその正式名であるアプ・コン・チキ・ウィラ・コチャ神(Apu-Kon-Tiki-Uira-Cocha)になった。この神は、世界創造の基礎となる3要素(水・土・火)を統べる絶対権力であるとされている。

この新しく、とてつもなく強力な太陽神は、その王国内に留まることはなかった。彼は天の階級の一つの「」であるママ・キリャ(Mama Quilla)を妻とした(インカ伝承では、同時に妹であったともされる)。

インティはイラ・コチャママ・コチャの子供であるとする伝承もある。また、インティとその妻ママ・キリャは、インカ帝国を作ったマンコ・カパック(Manco Capac)とその兄弟たち(ママ・オクリョ (Mama Ocllo) 、コン(Kon)、パチャカマック(Pachacamac) ら)の父であるともされる。

インカ族の宗教では万物は、創造神ビラ・コチャ(Villa Kocha)によってつくられ、太陽もまたこの神が創造したと説明される。太陽は,インカ族の祖先でもあり,インカ族の首長すなわちインカ帝国の皇帝は太陽の子であった。これによりインカ帝国の支配者は、インティの現人神であるとされていた。

インティは、「アプ・プンチャウ (Apu Punchau) 」(昼の指導者の意)と呼ばれることもある。この太陽神は金の円盤に人面を描いたもので表され、しばしば雷光によって権力を表した。また、月は銀の円盤で象徴された。この金の円盤はスペイン人侵略者により発見されており、最も大きなものは1571年スペインからローマ教皇に贈られた。ただし、現在は失われている。

インティは、創造者として崇拝または畏敬されていたが、また同時に、助けを乞う者が駆けつけるところでもあった。インティだけが農作物を育て、病気を治し、人々の熱望に応えることができる存在であった。

当然のごとく、女神ママ・キリャには女性たちの熱い信仰が集まった。女性たちは女神の熱心な信者集団を形成した。彼女たちの望みや心配を聞き、庇護してくれるものはキリャを置いて他にはないと考えられた。

太陽神を祭る「インティ・ライミ祭り (Inti Raimi) 」は、インカ帝国の首都であったクスコの行事で、毎年幾千もの観光客が集まる。
関連項目

アルゼンチンの国旗

ウルグアイの国旗

ペルーの国旗

五月の太陽


記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:4553 Bytes
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef