インスタントカメラ・チェキ
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富士フイルム チェキ instax mini 10
(初代チェキ、1998年発売)

インスタントカメラ・チェキは、富士フイルム社のインスタント写真システム「instax(インスタックス)」をベースとするインスタントカメラである。「チェキ」および「instax」は、富士フイルム社の商標で、カメラ以外にカメラ用フィルムや同フィルムを使うスマホ用プリンターなどの商品群としても展開されている。
概要

1998年12月、インスタントカメラ・チェキ(instax mini 10、初代チェキ)発売。10代から20代までの若い男女をメインターゲットとしている。

フィルムサイズごとに、名刺程度のサイズ(縦長)の「instax mini」(愛称:チェキ)と、横幅が約2倍の「instax wide」(愛称:チェキワイド)、画角が1:1の「instax SQUARE」(愛称:チェキスクエア)の3種類がある。

インスタントカメラの他、同じインスタントフィルムを使用するスマホ対応携帯プリンターにおいても「チェキ」のブランドが使用されている。2014年に販売が終了した同社のモバイルプリンター「Pivi」の後継モデルにあたる。

プリクラブームを受けた2002年には年間販売台数が100万台に達し、最初のブームとなった。2000年代において、写真がフィルムカメラからデジタルカメラに移り変わる時代の中、2004年にはフィルムカメラであるチェキの年間販売台数が10万台まで落ち込み、インスタントカメラの当時最大手だったポラロイド(ポラロイド社の倒産に伴い2008年に販売を停止)の後をフジも追うと思われた時期もあった。2010年代に海外の若年層を中心としてチェキの販売を盛り返し、2014年にはチェキの年間販売台数(300万台)が富士フイルム社のデジカメの販売台数(200万台)を超え、2018年にはチェキの年間販売台数が1000万台を突破するなど、2010年代後半には富士フイルム社の経営の柱の一つにまで成長した。

2010年代において、写真がデジカメからスマホに移り変わる時代の中、デジカメメーカー各社がコンパクトデジカメ(コンデジ)を縮小して高級路線に舵を切る一方で、富士フイルムは逆にコンデジに力を入れ、2017年にはチェキにデジカメ機能を併せ持ったハイブリッドインスタントカメラ「instax SQUARE SQ10」を、2019年には「instax mini LiPlay」を発売。2021年に発売されたハイブリッドインスタントカメラ「instax mini Evo」は、フイルムカメラでありながら日本のデジカメ機種別販売台数シェアで1位となった[1]

「“チェキ” instax mini HELLO KITTY」など、他社の人気キャラクターとのコラボモデルも富士フイルム社から販売されている。タカラ(現・タカラトミー)の「めちゃハヤカメラ ポケピィ」など、他社から発売されたチェキのOEM製品も存在する。ライカのインスタントカメラ「ゾフォート」[2]など、富士フイルムの商標である「チェキ」や「instax」を使用してはいないものの、同一のinstaxフィルムを使用するサードパーティ製品も市場に存在する。

初代「instax mini 10」が発売された1998年当時は「フジカラーのお店」(富士写真フイルム特約店)を中心として大々的なキャンペーンが行われ、当時若年層の男女に大きな人気があった滝沢秀明がイメージキャラクターとして起用された。2000年には後継機「instax mini 20」の発売に合わせ、赤塚不二夫の代表キャラクター「ニャロメ」とユースケ・サンタマリアがイメージキャラクターとして起用され、ニャロメのノベルティグッズを抽選でプレゼントする「チェキでChance!」キャンペーンが行われた。
instax

instaxは、富士フイルムが1981年から展開しているインスタント写真システム「フォトラマ」[3]をベースに開発されたシステムで、1999年から展開している。特に「instax mini」による「チェキ」の商品群が、写真システムのディジタル化の中で、銀塩写真システムとして更新が続けられていることが特筆される。

富士フイルムの呼称で「モノシートタイプ」(他の呼称としては、シートフィルム方式、integral film 等)の手軽さと、露光面の裏に像があらわれる方式のため反転が不要でカメラの小型化に有利な点はフォトラマ譲りである。フォトラマは F・800・ACE の世代があるが、その 800 および ACE 世代のプロセスとISO感度 (800) をベースに、高感度ながらも良好な粒状性・シャープネスの向上・温度範囲の拡大・色再現性の向上が図られている。フィルムパッケージ中の、使用済みぶんの空間を押出すためのバネが、パッケージではなくカメラのフィルム室側にある構造もフォトラマACEを引き継いでいる。各種最適化により、薬剤室のための余白部分の割合もフォトラマに比べて小さく、自然に見えるものになっている。用途として「気軽に撮る写真」と「本格的な写真」の2種類を想定し、フィルムサイズに、縦横比が約1.3(約4:3)に近い縦長(画面サイズ 46mm×62mm)のinstax mini(チェキサイズ)と、縦横比が約1.6に近い横長(画面サイズ 99mm×62mm)のinstax(現 instax wide)を設定した。それぞれのカメラとして「インスタックス ミニ 10」と「インスタックス 100」を用意した。当初からプリンタも開発している[4]

2016年9月20日に、モノクロタイプのinstax miniフィルム「instax mini モノクローム」の同年10月7日発売と、画面サイズ62mm×62mmの「スクエアフォーマット」の2017年春からの展開およびPhotokina 2016への出展が発表された[5]

2017年4 - 6月期の富士フイルムグループ全体の純利益は358億円に達し、チェキの好調な売り上げが牽引している[6][7]
製品

対応するフィルムの大きさに合わせて、基本となるmini、miniを横方向に伸ばしアスペクト比を1:1としたSQUARE、miniを横に2枚並べて2倍の面積としたWIDEの3つのフォーマットが存在する。以下はフィルム製品を除いた2023年11月現在のラインナップ。
アナログ


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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