単一自治体
Unitary authority
カテゴリーディストリクト
位置イングランド
所属リージョン
数55(2019年)
候補ステータス一体化した非都市カウンティおよび非都市ディストリクト (45)
バークシャーのディストリクト (6)
人口4万人 - 50万人
単一自治体(たんいつじちたい、英語: unitary authority)は、イングランドにおける、1つのディストリクト内の全ての自治体サービスを提供する責任を有する地方自治体である。1972年地方自治法
(英語版)を改正し、複数のディストリクトを有しないカウンティを認めた1992年地方自治法(英語版)に基づいて設置される。単一自治体制度により、大規模な町は、カウンティ内の都市化していないその他の地域と別の地方自治体を持つことができ、複数のディストリクトに分割するには小さすぎるカウンティが単一の権限を有することができる。単一自治体は、イングランドの全域に存在するわけではなく、そのほとんどは1990年代に設置され、その他の一部は2009年に設置された。単一自治体は、他の地域では非都市カウンティとそこに含まれる複数の非都市ディストリクトの議会により別々に運営されている権限と機能を一手に担う。 「単一自治体」という語は、1969年のレッドクリフ=モード報告書
歴史
背景
1889年から1974年まで存在したカウンティ・バラ(英語版)は、単一自治体とは呼ばれないが、事実上は、単一自治体と同じく一層の自治主体であった。1889年以前は、地方自治体はそれぞれ異なる権限と機能を有していたが、中世以来、いくつかの市や町は、カウンティ・コーポレート(英語版)として、高度な自治権を有していた。より小さな入植地についても、バラやリバティとして、通常の行政からの一定の自治権を有するものがあった。
1972年地方自治法において、大規模な町とその周辺地域を合わせて運営する地方自治体の地域が創設された。単一的自治主体の概念は廃止され、面積が狭く本土からの距離が遠いために不可能であったシリー諸島を除き、イングランドの全地域において、自治体はカウンティ議会とディストリクト議会の二層構造とされた。1986年、6つの都市カウンティとグレーター・ロンドンにおいて、広義の単一的地方自治体制度が導入され、上層の自治体が廃止された上、その機能は中央政府、大都市バラ議会および合同委員会(英語版)に分割された[2]。
1990年代の改革詳細は「en:Local Government Commission for England (1992)」を参照
1990年代の見直しは、新たな単一自治体を創設することができる非都市地域を選定するために始められた[3]。その結果、1995年から1998年までの間に、次のような行政構造の変更が実施された[2]。
ブリストル、ヘレフォードシャー、ワイト島およびラトランドが、ディストリクトを1つのみ有するカウンティとして設立された。
バークシャーにあったディストリクト議会が、単一自治体とされた。
エイヴォン(英語版)、ハンバーサイド(英語版)およびクリーヴランド(英語版)の3州が、解体されて複数の単一自治体となった。
多数のディストリクトが、カウンティから分離された。
このような変更により、典礼カウンティは、1974年以前のように、行政上のカウンティとは別に定義されるようになった。この見直しによって、46の単一自治体が創設された[2]。
2009年の変更詳細は「en:2009 structural changes to local government in England」を参照
2007年に、更なる見直しが開始され、2009年に次のとおり実施された。
コーンウォールおよびノーサンバーランドが、ディストリクトを1つのみ有するカウンティとして設立された。
ダラム、シュロップシャー、ウィルトシャーの各州のうち、1990年代の見直しでは分離されなかった部分が、単一自治体として設立された。
ベッドフォードシャーおよびチェシャーの残りの区域が、それぞれ2つの単一自治体に分割された。
これにより、9つの単一自治体が創設された。
今後の改革「en:2019?21 structural changes to local government in England」も参照
2016年、オックスフォードシャー・カウンティ・カウンシル(カウンティ議会)は、同カウンティ議会およびオックスフォードシャー内の4つのディストリクト議会を廃止してオックスフォードシャー全体を単一自治体とする「ワン・オックスフォードシャー」の提案を行った。2017年、オックスフォード・シティ・カウンシルは、この提案に反対の立場を示した。この提案を推進するかどうかの決定は、2017年3月に発表されることとなっていた[要出典]。
2017年、典礼カウンティであるドーセットの地域を2つの単一自治体とすることが提案された。その一方は、既存の単一自治体であるボーンマスおよびプールに非都市ディストリクトであるクライストチャーチを加えた区域とし、もう一方は、カウンティの残りの区域とするというものであった[4]。2017年11月、コミュニティ・地方自治大臣のサジド・ジャヴィドは、「提案を承諾するつもりである」と述べ、2つの単一自治体制を施行する最終的な決定は、2018年2月に確定した。この2つの単一自治体を、ボーンマス・クライストチャーチ・アンド・プール・カウンシル(英語版)およびドーセット・カウンシル(英語版)として創設する制定法文書が作成され、2019年4月1日の創設にむけ、新しい議会の区域を管轄する準備会が設けられた[5][6]。
既存のバッキンガムシャー・カウンティ・カウンシル(英語版)と、非都市ディストリクトであるエイルズベリー・ヴェイル(英語版)、チルターン(英語版)、サウス・バックス(英語版)およびウィコム(英語版)は、2020年4月1日に、バッキンガムシャー・カウンシル(英語版)として単一自治体となる予定である。既存の単一自治体であるミルトン・キーンズには影響はなく、これにより、2020年4月1日以降、典礼カウンティであるバッキンガムシャーは、2つの単一自治体が占めることとなる[7][8]。
2018年3月、住宅・コミュニティ・地方自治大臣の嘱託による独立報告書は、ノーサンプトンシャーにおける地方自治体の構造的変更を提案した。その内容は、既存のカウンティ議会とディストリクト議会を廃止し、新たに2つの単一自治体を創設するというものであった[9]。その一方は、既存のディストリクトであるダヴェントリー(英語版)、ノーサンプトンおよびサウス・ノーサンプトンシャー(英語版)の区域とし、もう一方は、コービー、イースト・ノーサンプトンシャー(英語版)、ケタリングおよびウェリングバラ(英語版)の区域とされている[10]。 単一自治体は、通常であれば非都市カウンティの議会と非都市ディストリクトの議会が別々に有する権限と機能を併せ持っている。これらの機能には、住宅供給、廃棄物収集・処理、住民税徴収、教育、図書館、社会サービス、交通、都市計画、消費者保護、許認可、霊園、火葬場がある。これらのサービスの詳細は次のとおり[11]。
機能