イル=ド=フランス地域圏
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「イル・ド・フランス」はこの項目へ転送されています。モーリシャスの旧名については「フランス領フランス島」を、客船については「イル・ド・フランス (客船)」を、国際列車については「パリ・ブリュッセル・アムステルダム間の列車」をご覧ください。

イル=ド=フランス
Ile-de-France
イル=ド=フランスの旗
位置

概要
首府パリ
Paris
地域圏知事ヴァレリー・ペクレス
人口12,271,794人
(2023年)
面積12,012km²
郡25
小郡317
コミューン{{{コミューン数}}}
ISO 3166-2:FRFR-J

イル=ド=フランス地域圏(イル=ド=フランスちいきけん、: Ile-de-France[† 1])は、フランスの首都パリを中心とした地域圏。海には面しておらずオー=ド=フランス地域圏ブルゴーニュ=フランシュ=コンテ地域圏サントル=ヴァル・ド・ロワール地域圏ノルマンディー地域圏と接する。首府はパリ市。パリ市、セーヌ=エ=マルヌ県イヴリーヌ県エソンヌ県オー=ド=セーヌ県セーヌ=サン=ドニ県ヴァル=ド=マルヌ県ヴァル=ドワーズ県で構成される。

1961年にパリ地域圏として作られたものが1972年に「イル=ド=フランス」に改名された。しかしフランスの人々は2000年になっても未だに旧称で呼ぶことが多い。

フランス本土の総人口約6500万人のうち、約19%が集中している。購買力平価換算のGDPは2018年の統計で7千億ユーロ(8800億ドル相当)を超えフランス全体の3分の1を占めており[1]、一人当たりGDPは国平均の1.5倍を超える。
歴史

イル=ド=フランス地域圏は10世紀のカペー朝時代から王の領有地となっていた。その範囲は王政の終わりまで変遷しており、現在と比較すると西方と北方にはより広く、東方と南方は狭かった。パリ商人の同業組合が経済圏を形成しており、それにより地域圏の境界が画定されていた。
フランス革命後、3つの県、すなわち、セーヌ県、セーヌ=エ=オワーズ県、セーヌ=エ=マルヌ県に分割された。1965年には、3つの県はパリを含む8つの県に再編成された。セーヌ県はパリ(県と同格の特別市)、オー=ド=セーヌ県、セーヌ=サン=ドニ県、ヴァル=ド=マルヌ県の4つに分割、セーヌ=エ=オワーズ県はイヴリーヌ県、エソンヌ県、ヴァル=ドワーズ県に再編された。
地理

イル・ド・フランスは直訳すれば「フランスの島」という意味である。セーヌ川をはじめ、オワーズ川マルヌ川などの川によって、島のような地形になっている。しかしながら有力な説ではイル=ド=フランスの由来は古フランク語に遡るとされる。この土地に根を下ろしたフランク人によって名付けられた地名Liddle Franke(小さなフランク人の土地)が変化したものと見られている。パリの周囲をオー=ド=セーヌ県、セーヌ=サン=ドニ県、ヴァル=ド=マルヌ県が囲み、その外側を他の4県が囲む形となっている。セーヌ=エ=マルヌ県は東部にあり、地域圏の面積の半分近くを占める。

フランス語圏の大都市郊外に広がるベッドタウンはバンリューと呼称されるが、パリの場合西部のバンリューは比較的裕福な住宅地が多いのに対して北東部のバンリューの一部には、比較的貧しい移民が多い団地が広がる。高い犯罪率や失業率からしばしば社会問題となる。2005年パリ郊外暴動事件は、パリ北東部のバンリューであるクリシー=ス=ボワで始まった。
行政

特別自治体であるパリ市を含む8つの県で構成されている。

名称人口(人)州都/主府/本部備考
パリ市
Paris2,164,000パリ
Paris
セーヌ=エ=マルヌ県
Seine-et-Marne1,257,000ムラン
Melun
イヴリーヌ県
Yvelines1,390,000ヴェルサイユ
Versailles
エソンヌ県
Essonne1,172,000エヴリー=クールクーロンヌ
Evry-Courcouronnes
オー=ド=セーヌ県
Hauts-de-Seine1,494,000ナンテール
Nanterre
セーヌ=サン=ドニ県
Seine-Saint-Denis1,417,000ボビニー
Bobigny
ヴァル=ド=マルヌ県
Val-de-Marne1,259,000クレテイユ
Creteil
ヴァル=ドワーズ県
Val-d'Oise1,139,000ポントワーズ
Pontoise

パリを中心とした同心円上にある3つの県(小さな王冠、petite couronne)まで都市化が進んでおり、パリ市と周辺3県を合わせた総面積は763km2(大ロンドンの約半分)ながら人口は670万人に達する。もう一回り大きい同心円(大きな王冠、grande couronne)まで都市圏が広がっている。


Departments in Ile-de-France (INSEE 2005 estimates)
同心地域県/特別自治体人口
2006 est.地域人口密度1999年-2006年
人口増減(年)
 パリ (75)2,168,000105 km220,648/km2+0.3%
petite couronne
小さな王冠オー=ド=セーヌ県 (92)1,532,000176 km28,705/km2+1.0%
セーヌ=サン=ドニ県 (93)1,485,000236 km26,292/km2+1.0%
ヴァル=ド=マルヌ県 (94)1,293,000245 km25,278/km2+0.8%
grande couronne
大きな王冠ヴァル=ドワーズ県 (95)1,153,5001,246 km2926/km2+0.6%
エソンヌ県 (91)1,193,5001,804 km2662/km2+0.7%
イヴリーヌ県 (78)1,398,5002,284 km2612/km2+0.5%
セーヌ=エ=マルヌ県 (77)1,267,5005,915 km2214/km2+0.9%

観光

イル=ド=フランス地域圏にある観光地のほとんどが、パリから日帰りで往復できる。ここでは代表的ないくつかの場所を紹介する。

ヴェルサイユ Versailles 世界遺産ヴェルサイユ宮殿があることで知られ、一年中多くの観光客が訪れる。パリから郊外電車RER-C線で約30分。

フォンテーヌブロー Fontainebleau 世界遺産フォンテーヌブロー宮殿がある。近郊の村バルビゾンバルビゾン派絵画の発祥の地であり、共に観光ルートとして人気が高い。パリ・リヨン駅からSNCF(フランス国鉄)で約50分。バルビゾンへはフォンテーヌブローからタクシーに乗る。

サン=ジェルマン=アン=レー Saint-Germain-en-Laye 城(現在内部は国立考古学博物館)と造園家アンドレ・ル・ノートル設計のテラスをもつイギリス式庭園があるほか、クロード・ドビュッシーの生家(観光局を兼ねている)、モーリス・ドニなどの作品を収めたプリウレ美術館がある。パリから近郊電車RER-Aで約20分。近郊にはアレクサンドル・デュマ親子の博物館もある。第一次世界大戦後の連合国と、帝国解体後のオーストリアとの講和条約であるサンジェルマン条約が締結された舞台としても知られる。


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