イライト
分類雲母 - フィロケイ酸
シュツルンツ分類09.EC.60
Dana Classification
イライト(Illite)は、粘土サイズの雲母鉱物である。フィロケイ酸塩鉱物または層状のアルミノケイ酸塩鉱物である。2022年現在ではあくまでも通称であり、独立した鉱物とは認められていない。
イライトは四面体-八面体-四面体(TOT)の繰り返しの層構造を持つ[3]。層間空間は、主に水和の少ないカリウムイオンで占められているため、TOT層でできているにもかかわらず膨らまない。構造的には、白雲母にかなり近いが、ケイ素、マグネシウム、鉄、水がかなり多く、四面体アルミニウムと層間カリウムがかなり少ない。化学組成は(K,H3O)(Al,Mg,Fe)2(Si,Al)4O10[(OH)2,(H2O)]で与えられるが[2]、イオンの置換はかなり存在する。小さな単斜晶系の、灰色から白色の結晶の集合体となっている。サイズが小さいため、同定にはX線回折やSEM-EDS分析を用いる必要がある。イライトは、白雲母や長石が風化作用や熱水作用で変質して形成され、絹雲母の成分の一つであると考えられている。堆積物や土壌中でも一般的であり、粘土質の堆積岩や低質の変成岩にも含まれる。堆積物中の鉄が多いイライトのグループである海緑石は、X線分析により区別できる[3]。
イライトの陽イオン交換容量は、スメクタイトより小さいがカオリナイトより大きく、約20 ? 30 meq/100 gである。
初めて記載されたのは、1937年、イリノイ州カルフーン郡のマコケタ頁岩から見つかったものである。模式地となったイリノイ州の地名に因んで命名された[1]。
ブラマライトは、ナトリウムの多いアナログである。アヴァライトはクロムを含む変種で、セルビアのアヴァラ山で見られる[4]。 イライト結晶度
イライト結晶度
出典
Mitchell J.K. (1993) Fundamentals of soil behavior. Second edition. John Wiley and Sons, Inc., New York. 437 pp, see Chapter 3, Soil Mineralogy, p. 32. ISBN 978-0-471-46302-3
^ a b ⇒http://www.mindat.org/min-2011.html Mindat
^ a b ⇒http://webmineral.com/data/Illite.shtml
^ a b http://pubs.usgs.gov/of/2001/of01-041/htmldocs/clays/illite.htm Illite group, USGS
^ ⇒http://www.mindat.org/min-435.html Mindat - avalite