イミダゾール
IUPAC名
イミダゾール
別称1,3-ジアゾール
1,3-ジアザ-2,4-シクロペンタジエン
グリオキサリン
識別情報
CAS登録番号 ⇒288-32-4
PubChem795
89-91 °C (362-364 K)
沸点
256 °C (529 K)
水への溶解度混和性
酸解離定数 pKapKa=14.5, pKBH+=6.993
構造
結晶構造単斜晶
配位構造五員環平面構造
双極子モーメント3.61 D
危険性
安全データシート(外部リンク)ICSC ⇒1721
⇒External MSDS
主な危険性Corrosive
RフレーズR20 R22 R34 R41
SフレーズS26 S36 S37 S39 S45
引火点146 °C
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。
イミダゾール(imidazole)は、分子式C3H4N2、分子量68.08の五員環上に窒素原子を1,3位に含む複素環式芳香族化合物のアミンの一種である。窒素原子の置換位置が異なる異性体としてピラゾールがある。グリオキサール(HCO-CHO)とアンモニアから合成された為、グリオキサリンとも呼ばれる。ImidazoleはIUPAC慣用名であるが、系統名は1,3-diaza-2,4-cyclopentadieneである。イミダゾール環構造を示す場合は1,3-diazole類と呼ばれる。 グリオキサールにアンモニアとホルムアルデヒドを反応させて初めて合成された(Debus、1858年)。 種々の合成法が存在するが、現在でも工業的には、アンモニアとホルムアルデヒドから高圧下液相中で合成される。エチレンジアミンを使った方法も知られているが、反応が2段階になり、コスト的、実用的には有用度が低い。 イミダゾールは水には易溶であり、塩基性はアゾール類では最も強く、ピリジンよりも強い塩基である(共役酸pKa = 6.95、ピリジンはpKa = 5.29)。エタノールなど極性の高い有機溶媒にも易溶であるが、ベンゼンにはわずかに溶け、ヘキサンにはほとんど溶けない。遷移金属に対しては一般によい配位子となる。 イミダゾールは1位のプロトンが引き抜かれても、3位の窒素がプロトン化されても対称的な構造となり、芳香族性を崩さないまま電荷を分散安定化することができる。このため酸性・塩基性どちらでもよい脱離基となりえ、有機合成において幅広く応用されている。例えばイミダゾールをアシル化したアシルイミダゾールは求核反応を受けやすく、いわゆる活性アシル・シントンとしてカルボン酸誘導体合成に利用される。水酸基にシリルクロリドを作用させ、シリルエーテルとして保護する場合にも、イミダゾールを塩基兼触媒として加えるのが標準的処方となっている。
目次
1 合成法
2 性質・利用法
2.1 イミダゾリウム塩
3 生体物質
4 参考文献
5 関連項目
6 外部リンク
合成法
性質・利用法 瓶に入ったイミダゾール