イヌクティトゥト語
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イヌクティトゥット語

??????
話される国 カナダ
地域カナダ北部
話者数およそ3万6千人 (イヌヴィアルクトゥン語 話者を含む) (2006)
言語系統エスキモー・アレウト語族

エスキモー諸語

イヌイット語

イヌクティトゥット語



方言Qikiqtaaluk nigiani (南バフィン)Nunavimmiutitut (ケベック)Inuttitut (ラブラドール)Inuktun (Thule)
表記体系カナダ先住民文字
ラテン文字
公的地位
公用語カナダの一部の州で準公用語。ヌナブト準州
ノースウエスト準州
少数言語として
承認ケベック州 (ヌナビク)
ニューファンドランド・ラブラドール州 (ヌナツィアヴト)
ユーコン準州 (イヌヴィアルイト居住地域)
統制機関Inuit Tapiriit Kanatamiその他、多数の地域機関。
言語コード
ISO 639-1iu イヌクティトゥット語
ISO 639-2iku イヌクティトゥット語
ISO 639-3iku ? マクロランゲージ イヌクティトゥット語
個別コード:
ike — 東部カナダ イヌクティトゥット語
ikt — イヌイナクトゥン語
Glottologeast2534  東部 カナダ イヌクティトゥット語[1]
 

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イヌクティトゥット語(原語表記: ??????、英語: Inuktitut [??n?kt?t?t])または東部カナダイヌクティトゥット語(英語: Eastern Canadian Inuktitut)は、カナダエスキモー系民族のイヌイットにより広範に話される言語である。「inuk」は「人」、「-titut」は「?のように、?らしく」の意で、言語名は「人のように、人らしく」を意味する。カナダ先住民文字で記す言語の一つ[2]
概要

カナダ北部のほとんどの地域に話者が存在する。具体的には、森林限界以南、ニューファンドランド・ラブラドール州ケベック州を中心に、マニトバ州北東部、ヌナブト準州ノースウエスト準州の数カ所で話されている。また以前はユーコン準州北極海側でも話されていた。

イヌクティトゥット語はヌナブト準州とノースウェスト準州でイヌイナクトゥン語とともに公用語で2つ合わせてInuktut と呼ばれ、ノースウェスト準州の公式先住民語8言語に数えられる[3]。また、ケベック州ヌナヴィク地域ではジェームス湾及びケベック北部協定(英語版)によって法的に使用が承認され、フランス語憲章には文字使用を含めてイヌクティトゥット語圏で学校教育を実施するよう定めた。ヌナツィアヴト(Nunatsiavut)地域はラブラドル半島のイヌイット地域で、カナダ連邦政府とニューファンドランド・ラブラドール州との協定批准により、同様に法的に使用が承認された。

カナダの人口統計(2006年)によると、国内に居住するイヌクティトゥット語話者はおよそ3万5千人と推計され、この数値はイヌイット居住地域外に定住する約200人の話者も含んでいる[4]

イヌクティトゥット語といいながら、イヌヴィアルクトゥン語(言語名はイヌヴャルクトゥン語またはイヌビアルクトゥン語とも表記)を含めたカナダのイヌイット語の地方語ほぼすべてを指すこともある。
歴史的背景
学制とイヌクティトゥット語

学校教育と接触する以前のイヌイットの教育とは、人のまねをして実際にやってみて覚えることを指し、イヌクティトゥット語には伝統的な習俗や自然現象を言い表す語彙が揃う[5]。記法をもたない音声言語として継承されてきた。植民地主義の台頭によりヨーロッパの学校制度がカナダに持ち込まれる。聖公会やローマカトリックの宣教師は自らの手でイヌイットの学校を開くと教育に乗り出した。みずから覚えた教師がイヌクティトゥット語で授業をしたり記法の開発に取り組んだ[6]

最初のイヌイット向け寄宿学校(英語版)は1928年に開き、授業は英語で行った。カナダ政府が北の国土に興味を強めるとイヌイットの教育にも影響が及び、第二次世界大戦後にはどの地方でも英語が公用語として定着する。雇用のチャンスを増やすために、英語で意思疎通ができなければ困ると役人は強調した。学校、職場あるいは遊び場でも、イヌイットは強制的に英語を使わされる[7]。イヌクティトゥット語は自分の感情を表現し自己証明を図る方法、英語は経済活動の道具として使われていく[5]

1960年代に入ると、ヨーロッパの人々はイヌクティトゥット語の認識を変えていく。絶滅させてはいけない言語と認められ、特に学齢が低く知識習得の早い段階では母語による伝達が最善という議論がかわされるようになる。すると英語と先住民族語の2言語を使う「バイリンガル校」が考案され、1969年の投票でイヌイットのほとんどが公立学校の廃止と「新ケベック支庁」Direction Generale du Nouveau-Quebec (DGNQ) に従った学校の創設に賛成票を投じた。そして現在、教科はイヌクティトゥット語と英語・フランス語で教えている[7]
法の整備

イヌクティトゥット語がノースウエスト準州の複数の公用語の一つに正式に採用されたのは1984年で、法的根拠として1988年改訂ノースウエスト準州公用語法[8]が定められた[注釈 1] ラブラドール半島のヌナツィアヴト地域ではイヌクティトゥット語を政府公用語に採用、あるいはヌナヴィク地域の教育現場でイヌクティトゥット語を用いることはジェームス湾及び北部ケベック州合意に記されたとおりである[9]
方言と派生語北極海周辺のイヌイット諸語の分布状況

グリーンランドアラスカを含むイヌクティトゥット語とイヌイット諸語の関係については、エスキモー諸語を参照。

イヌイットの生活圏は大変広く、イヌクティトゥット語には多種多様な方言と派生語が存在する[10][11]
ノースウエスト準州とユーコン準州

カナダ・ノースウエスト準州のイヌイットは、自分たちを イヌヴィアルイトと呼ぶ。ほとんどはイヌヴィアルイト居留地域で暮らすが、マッケンジー川北部の一部、ノースウェスト準州とユーコン準州の北極海沿い、バンクス島ヴィクトリア島の一部にも住んでいる。また、北極海の遠い島々にも不規則に住んでいる。

ノースウェスト準州のイヌイット諸語の派生語は、しばしばイヌヴィアルイト族の話すイヌヴィアルクトゥン語(イヌヴィアルイト語) としてイヌクティトゥット語と共に扱われるが、それは不適切で誤解を招く。イヌヴィアルイト族の話す派生語は次の3つの個別の方言を包含する。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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