イタコ
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この項目では、巫女の一種について説明しています。地名の潮来(いたこ)については「潮来市」をご覧ください。
イタコ(2006年10月).mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}ポータル スピリチュアリティ

イタコは、日本東北地方の北部で口寄せ[1]を行う巫女のことであり、の一種。シャーマニズムに基づく信仰習俗上の職である。

南東北(東北地方の南部)においては、旧仙台藩領域(岩手県の南側約1/3と宮城県)でオガミサマ、山形県でオナカマ、福島県でミコサマ、オガミヤと呼ばれる。福島県・山形県・茨城県ではワカサマとも呼ばれる。
概要イタコの口寄せを聞けるという恐山

イタコには霊的な力を持つとされる人もいるが、実際の口寄せは心理カウンセラー[2]的な面も大きい。その際クライアントの心情を読み取る力(一種のコールド・リーディング)は必須であるが、本来は死者あるいは祖霊と生きている者の交感の際の仲介者として、氏子の寄り合い、祭りなどに呼ばれて死者や祖霊の言葉を伝える者だったらしい。

岩手県南部から宮城県北部の巫女で組織された大和宗の大乗寺縁起によれば、クチブクと呼ばれる招霊の秘法は目連救母伝説にその由来があるという[3]。大和宗では口寄せの用具には引磬を用いるが、巫女の周りに麻糸を付けた梓弓と桃や柳を置いて儀礼空間を創っている。

口寄せは、霊的感作によりあらゆる人種、動物でも呼び出せるとされる。

口寄せ以外にもイタコには「オシラアソバセ」を執り行う役目がある。「オシラアソバセ」とは、東北の民間信仰であるおしら様の御神体である二体の人形を遊ばせることである。オシラサマは各家庭に祀られており、一部地域ではその家庭の家族の代わりにイタコがおしら祭文を読み上げる。オシラサマのベースである杓子、瓢や柄杓に関する信仰を膨大に集め、これが「魂を集める採り物」であるとした柳田國男の説を承けた折口信夫によれば、これはマナを寄せるための依り代である。

イタコは憑き物のお祓い、悪魔祓い、虫封じ、魔除け、身体のおまじないなどの際、イラタカ数珠を用いる[4]。イラタカ数珠のイラタカは伊良太加、苛高、最多角、刺高などと書き、300個以上の黒いムクロジの木の実をつなぎ合わせたもので、雌雄の鹿の角、猪の牙、熊の爪、鷹の爪、狐の顎骨や狼等の野獣の骨などを付けたものである[4]。また津軽地方ではイタコが梓弓(カバノキ科の落葉高木である梓の木で作られた丸木の弓)の弦を細い竹の棒で叩いて音を出し、霊を梓弓に宿らせ、それをさらにイタコ自身の身体に憑依させる形態もみられたという[4]

東海道中膝栗毛等に登場する、イチコ[5]とよばれる巫女は、常陸[6]の国や京阪地方では、「神社に座し湯立てをする」巫女の称であるが、東京近辺ではイタコの様な巫女を指す。

沖縄県鹿児島県奄美群島にはユタという在野の霊能力者が、イタコに似た霊的カウンセリングを生業とすることで広く知られており、こちらは葬祭そのものを扱うことも多い。

東北地方の巫女習俗県地方名称無形民俗文化財
選択年月日
秋田県イタコ1983年12月16日[7]
青森県津軽地方1979年12月7日[8]
南部地方
岩手県
仙台藩(旧一関藩)領域オガミサマ1982年12月21日[9]
宮城県1981年12月24日[10]
福島県ミコサマ1980年12月12日[11]
山形県村山地方オナカマ1978年12月8日[12]

語意・語源

イタコの語源についてはいくつかあり、沖縄のユタの韻との共通性、「斎く」(いつ-く)が転化したイチコからの変化、神の委託をする委託巫女であるとするもの、アイヌ語の語るの意味イタック等からの変化、神降ろしの巫具としての板が用いられたこと等の通説がある[13]

柳田國男は、アイヌ語で「神がこう仰った」の意味のitak説や、御倉板挙神はミクライタケノカミと読み、神の御言を伝える物の神格化ではないかとする説等を紹介しながら、イタコの語源は斎(イツキ)であり、それが元の儀礼を襲いながら零落し神にせせられて放浪するようになった者の一部[14]が、イタコ、エチコ、イタカ、イチコ、モリコと呼ばれたとした。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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