イソトレチノイン
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イソトレチノイン

IUPAC命名法による物質名
IUPAC名

(2Z,4E,6E,8E)-3,7-dimethyl-9-(2,6,6-trimethylcyclohex-1-en-1-yl)nona-2,4,6,8-tetraenoic acid

臨床データ
胎児危険度分類

AU: X

US: X




法的規制

AU: 処方箋薬(S4)

UK: 処方箋のみ (POM)

US: ?-only

JP: 未承認医薬品

投与経路経口外用(局所)
薬物動態データ
生物学的利用能Variable
血漿タンパク結合99.9%
代謝肝臓
半減期15(10?20)時間
排泄腎臓、糞便
識別
CAS番号
4759-48-2
ATCコードD10AD04 (WHO)
PubChemCID: 5282379
DrugBankDB00982
KEGGD00348
化学的データ
化学式C20H28O2
分子量300.44 g/mol
SMILES

O=C(O)\C=C(/C=C/C=C(/C=C/C1=C(/CCCC1(C)C)C)C)C

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国際一般名でイソトレチノイン(: isotretinoin)は、13-シスレチノイン酸(: 13-cis-Retinoic Acid)とも呼ばれ、主に尋常性?瘡(ニキビ)の治療で使用される。日本では未承認医薬品で[1]、重大な健康被害のおそれのため医師の指示がない限り個人輸入も禁じられている[2]。海外では経口製剤をアキュテイン(Accutane)[3]またはロアキュテイン(Roaccutane)としてロシュが販売している。

2012年の欧州の?瘡治療ガイドラインにおいて、重度の丘疹膿疱性?瘡と中程度以上の結節性?瘡に勧告強度・高で推奨されている[4]。2016年の米国のガイドラインにおいて、従来通り勧告強度・Aで推奨されている。中程度の?瘡への低用量の治療も勧告強度・Aで推奨されている[5]。2007年のフランスのガイドラインにおいて、イソトレチノインを使用できない場合に限定し、病院の医師によるミノサイクリン治療を認めている[6]

米国における?瘡治療薬のシェアは、イソトレチノインが65.2%、ドロスピレノンが9.4%、ミノサイクリン[注 1]が7.0%、ドキシサイクリンが2.1%、などとなっている[7]

イソトレチノイン内服治療の前に、抗生物質内服を長期間試行するケースが多い。しかし、近年では抗生物質内服の有害性についても議論があり、イソトレチノイン内服治療に移行するかを早期に判断すべきとの意見がある[注 2][8]
用量

通常は0.5-1.0mg/kgを1日1回服用する。重症の場合は2mg/kgまで使用する。殆どのケースは標準的な12-16週の治療期間で大幅な改善がみられる。総摂取量120-150mg/kgが関係する。治療効果は通常8-10ヶ月間持続する。延長して治療を行う場合もあるが殆どのケースは標準治療期間で改善する。90%の患者は総摂取量150mg/kgでより良い治療成果がみられる[9]

通常は20mg/日から開始し、その日の最大の食事と一緒に服薬する。2-3ヶ月後に40mg/日に増量することもある。副作用が許容できれば60mg/日まで増量することもある[9]

毎日20mg群(A)と隔日20mg群(B)の比較では、24週目の改善率は両群でほぼ100%であった。8週頃まではA群の改善率が良好であった[10][注 3]。別の研究でも、8週目までは高用量を使用し、以後は低用量で維持できると結論付けている。軽度の?瘡へイソトレチノイン内服治療は安全な選択肢と考えられる[11]
薬物動態

12-15歳が80mgを反復摂取したときの最高血中濃度 (Cmax) は約730ng/mLで、血中濃度半減 (T1/2) は約15.5時間とされる[9]血漿タンパク質結合率は99.9%であり、主にアルブミンとの結合である[注 4][9]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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