イシダイ
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イシダイ

分類

:動物界 Animalia
:脊索動物門 Chordata
亜門:脊椎動物亜門 Vertebrata
:条鰭綱 Actinopterygii
上目:棘鰭上目 Acanthopterygii
:スズキ目 Perciformes
亜目:スズキ亜目 Percoidei
:イシダイ科 Oplegnathidae
:イシダイ属 Oplegnathus
:イシダイ O. fasciatus

学名
Oplegnathus fasciatus
(Temminck et Schlegel, 1844)
和名
イシダイ(石鯛)
シマダイ(縞鯛)
サンバソウ(三番叟)
クチグロ(口黒)
英名
Striped beakfish
Barred Knifejaw
幼魚(シマダイ)。雄の老生魚。イシガキダイとイシダイの天然交雑個体。2008年に長崎半島沿岸で捕獲され長崎ペンギン水族館で飼育されていたもの[1]

イシダイ(石鯛、学名 Oplegnathus fasciatus) は、スズキ目イシダイ科に属する魚の一種。日本近海に分布する大型肉食魚で、同属のイシガキダイと並んで食用や釣りの対象として人気が高い。また、特に若魚をシマダイ(縞鯛)、サンバソウ(三番叟)、老成したオスをクチグロ(口黒)とも呼ぶ。
特徴

成魚は全長50cm程度だが、稀に全長70cm・体重7kgを超える老成個体が漁獲される[2]。体型は左右から押しつぶされたような円盤型で、顎がわずかに前方に突き出る。は細かい櫛鱗で、ほぼ全身を覆う。口は上下の顎ごとにが融合し、頑丈なくちばしのような形状になっている[3][4]

体色は地に7本の太い横縞が入るが、成長段階や個体によっては白色部が金色灰色を帯びたり、横縞が隣と繋がったりもする。幼魚や若魚ではこの横縞が明瞭で、この時期は特にシマダイ(縞鯛)とも呼ばれる。ただし成長につれて白・黒が互いに灰色に近くなり、縞が不鮮明になる。特に老成したオスは全身が鈍い銀色光沢を残した灰黒色となり、尾部周辺にぼんやりと縞が残る程度になる。同時に口の周辺がくなることから、これを特に「クチグロ」(口黒)、または「ギンワサ」「ギンカゲ」などと呼ぶ。一方、メスは老成しても横縞が残る[4][5]

自然環境下でのイシガキダイ O. punctatus との交雑も確認されている[6]。「グラバー図譜」にはこの交雑個体が載っており、「ナガサキイシダイ」という名前で呼ばれたことがある。交雑個体 (Oplegnathus fasciatus × Oplegnathus punctatus) はイシダイの横縞とイシガキダイの黒斑の両方が現れるが、鰭条数等は母親の影響が強いとされている。2010年11月11日には北海道寿都町の沖合で漁師に捕獲されている[7]。人工交雑は近畿大学水産研究所で1970年に成功した。この雑種は「イシガキイシダイ」、または交雑に成功した近大に因み「キンダイ」とも名付けられている[4][1]。雑種は生殖機能を持たないため子孫を残せず、学名もつけられていない。
生態

北海道以南の日本各地、朝鮮半島南部、台湾に分布するが、ハワイ州でも記録がある。特に西日本沿岸で個体数が多い[4][8]。よく釣れる水温は18-24度で、極度の高温・低温は好まないとされる。また、水温により成長に差がつくとも考えられている。7kgを超える個体は九州南部、四国南部、紀伊半島伊豆半島南部、伊豆諸島ベヨネース列岩で捕獲又は釣られているが、小笠原諸島男鹿半島等では見られないことから推測出来る。

暖流に面した、浅い海の岩礁域に生息する。成魚は海底の岩陰や洞窟に潜んだり、海底付近を泳ぎ回る。

魚類にしては好奇心が強いことでも知られ、スクーバダイビングなどの際に人が近づいても逃げないことがある[4]。稚魚は波打ち際付近にもやってきて、タイドプールで見られたり、海水浴場で泳ぐ人間の身体を口で突いたりもする。これは同属のイシガキダイでも見られる。また、同じスズキ目で、知性が高いとされるホンソメワケベラと一緒にいる場合がある[9]

食性は肉食性で、甲殻類貝類ウニ類などのベントスを捕食する。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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