「イカ」のその他の用法については「イカ (曖昧さ回避)」をご覧ください。
イカ(烏賊・?・柔魚・?・墨魚・?・纜魚[1] 英語:squid(ツツイカ)またはcuttlefish(コウイカ))は、海生軟体動物の一群である。分類学上は軟体動物門頭足綱十腕形上目(または十腕形目) Decapodiformes とされる。十腕目 Decembrachiata とも。英語では体内に甲を持つものを英: cuttlefish、ないものを英: squidと呼んでいる。 神経系や筋肉がよく発達していて、たいていの種類は夜に行動する。漏斗からの噴水と外套膜の収縮・ひれを使って前後に自在に泳ぐ。10本の腕は筋肉質でしなやかに伸縮し、腕の内側にはキチン質の吸盤が並んでいる。吸盤にはスパイクのような歯の付いた角質の環がみられ、筋肉の収縮を利用するタコの吸盤とは構造が異なる[2]。実際の腕は8本で、残りの腕2本は吸盤が先端に集中する「触腕(しょくわん)」とよばれる構造である。この触腕を伸縮させて魚類や甲殻類を捕食するが、釣りの時に触腕をちぎって逃げることや、テカギイカの仲間では成長に伴い触腕を欠くことから、必ずしも必要というわけではないようである。 コウイカ目・ダンゴイカ目
形態
タコの仲間との違いは腕の数(イカは8本の腕に加え、1対の触腕をもつ)のほか、ミミ(ヒレ)を持つことであるが、これらには例外もある(腕が8本のタコイカやミミのあるメンダコなど)[2]。
体内には貝殻を持つが、種によって組成や形状が大きく異なる。閉眼目・開眼目では有機質の薄膜で、軟甲(gladius、イカの骨)と呼ばれる。コウイカ科では石灰質の舟形で、甲 (cuttlebone, sepion)と呼ばれる。トグロコウイカでは、オウムガイのように巻貝状で内部に規則正しく隔壁が存在し、細かくガスの詰まった部屋に分けられている。
皮膚には色素細胞がたくさん並んでおり、精神状態や周囲の環境によって体色を自在に変化させる。調理に際して、両目の間にある神経系の基部を刺してしめると、ただちに体色が白濁する。
イカは本来の心臓の他に、2つの鰓(えら)心臓を持っている。鰓心臓は鰓に血液を急送する働きを担っている。
イカの血は銅タンパク質であるヘモシアニンを含むために青色である(ほとんどの脊椎動物血液中に含まれる鉄タンパク質のヘモグロビンは赤色)。
特にダイオウイカなど一部の深海イカは、浮力を得るために、塩化アンモニウムを体内に保有している。特定のイカにある“えぐみ”はこのためである(特にダイオウイカなどは辛臭くて食えたものではないという報告もある)。
体の大きさに対しての眼球の割合が大きいことから、行動の多くは視覚による情報に頼っていると思われる。イカやタコの眼球は外見上脊椎動物の眼球とよく似ているが、まったく異なる発生過程を経て生まれた器官であり、内部構造に明確な違いがある(眼の進化)。研究によると同じタンパク質とツールキット遺伝子によって並行に獲得された器官である。脊椎動物と違い視神経が網膜の背面側を通っており、視認の邪魔にならない。そのため視力に優れ、盲点が存在しない。
嗅覚や味覚に関する研究はほとんどない。
敵に襲われた時など、漏斗から水を勢いよく噴出し、ジェット噴射の要領で空中に飛び出し、腕とヒレを広げた状態で滑空する種もいる[3]。
学術的には、「頭足綱」の名のとおり頭部に足を持つと解釈されているため、イカを縦長に表示する際には足がある方を上に配置する。 全世界の浅海から深海まで、あらゆる海に分布する。淡水域に生息する種類は確認されていない。体長は2 cm程度から20 mに達するものまで、種類によって差がある。 イカは小魚や甲殻類を主食とする。イカは自身の体の大きさに比べてかなり大きい獲物を襲う。アオリイカの幼体は自身より大きなムギイワシ
生態