イオン化エネルギー
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出典検索?: "イオン化エネルギー" ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2011年6月)
元素順の第一イオン化エネルギー。アルカリ金属で最も小さく、貴ガスで最も大きくなる周期的な変化が見られる。

イオン化エネルギー(イオンかエネルギー、英語: ionization energy、電離エネルギー、イオン化ポテンシャルとも言う)とは、原子イオンなどから電子を取り去ってイオン化するために必要な最小のエネルギー[1]。ある原子がその電子をどれだけ強く結び付けているのかの目安である。

気体状態の単原子(または分子の基底状態)の中性原子から取り去る電子が1個目の場合を第1イオン化エネルギー(IE1)、2個目の電子を取り去る場合を第2イオン化エネルギー(IE2)、3個目の電子を取り去る場合を第3イオン化エネルギー(IE3)・・・(以下続く)と言う[2]。単にイオン化エネルギーといった場合、第1イオン化エネルギーのことを指すことがある。 M ( g ) → M + ( g ) + e − {\displaystyle {\rm {M(g)\rightarrow M^{+}(g)+e^{-}}}}  IE1 M + ( g ) → M 2 + ( g ) + e − {\displaystyle {\rm {M^{+}(g)\rightarrow M^{2+}(g)+e^{-}}}}  IE2 M 2 + ( g ) → M 3 + ( g ) + e − {\displaystyle {\rm {M^{2+}(g)\rightarrow M^{3+}(g)+e^{-}}}}  IE3

イオン化エネルギーの一般的な傾向は、s軌道p軌道の相対的エネルギーとともに、電子の結合に対する有効核電荷の効果を考えることによって説明できる。

原子核の正電荷が増すにつれ、与えられた軌道にある負に荷電した電子はより強いクーロン引力を受け、より強く保持される。ヘリウムの1s電子を除去するには水素の1s電子を除去するよりも多くのエネルギーを必要とする。 H ( g ) → H + ( g ) + e − {\displaystyle {\rm {H(g)\rightarrow H^{+}(g)+e^{-}}}}   I E 1 = 1312 k J m o l − 1 {\displaystyle IE^{1}=1312\;{\rm {kJ\;mol^{-1}}}} H e ( g ) → H e + ( g ) + e − {\displaystyle {\rm {He(g)\rightarrow He^{+}(g)+e^{-}}}}    I E 1 = 2372 k J m o l − 1 {\displaystyle IE^{1}=2372\;{\rm {kJ\;mol^{-1}}}}

周期表の同じ周期の中で最高のイオン化エネルギーは貴ガスのものである。これは貴ガス元素が周期表の右端にあり、同周期中で最も最外殻電子に対する有効核電荷が大きいことに由来する。

主量子数nの値が小さい内殻電子のイオン化エネルギーは価電子に比べ格段に大きい[3]。たとえば電子3個のリチウムではIE1は5.32eVであるが、1sからのIE2は75.6eVである[3]。2s軌道の電子は1s軌道の電子ほど強く保持されていない。

最低のイオン化エネルギーは周期表の左端にある第1族元素のものである。これらの原子のひとつから電子1個を除くと貴ガス原子と同じ閉殻電子配置を持つイオンになる。

どの原子からも最も容易に失われる電子は最高エネルギー軌道にある電子からである。
一覧

イオン化エネルギーの一覧 kJ/mol原子番号元素記号元素名第1第2第3第4第5第6第7第8第9第10
1H水素1312.0
2Heヘリウム2372.35250.5
3Liリチウム520.27298.111815.0
4Beベリリウム899.51757.114848.721006.6
5Bホウ素800.62427.13659.725025.832826.7
6C炭素1086.52352.64620.56222.73783147277.0
7N窒素1402.328564578.17475.09444.953266.664360
8O酸素1313.93388.35300.57469.210989.513326.57133084078.0
9Fフッ素1681.03374.26050.48407.711022.715164.11786892038.1106434.3
10Neネオン2080.73952.361229371121771523819999.023069.5115379.5131432
11Naナトリウム495.845626910.395431335416613201172549628932141362
12Mgマグネシウム737.71450.77732.710542.5136301802021711256613165335458
13Alアルミニウム577.51816.72744.811577148421837923326274653185338473
14Siケイ素786.51577.13231.64355.5160911980523780292873387838726
15Pリン1011.819072914.14963.66273.92126725431298723590540950
16S硫黄999.62252335745567004.38495.827107317193662143177
17Cl塩素1251.2229838225158.66542936211018336043860043961
18Arアルゴン1520.62665.8393157717238878111995138424076046186
19Kカリウム418.830524420587779759590113431494416963.748610
20Caカルシウム589.81145.44912.4649181531049612270142061819120385
21Scスカンジウム633.11235.02388.67090.688431067913310152501737021726
22Tiチタン658.81309.82652.54174.695811153313590164401853020833
23Vバナジウム650.91414283045076298.71236314530167301986022240
24Crクロム652.91590.62987474367028744.915455178202019023580
25Mnマンガン717.31509.0324849406990922011500187702140023960
26Fe762.51561.9295752907240956012060145802254025290
27Coコバルト760.41648323249507670984012440152301795926570
28Niニッケル737.11753.03395530073391040012800156001860021670
29Cu745.51957.9355555367700990013400160001920022400
30Zn亜鉛906.41733.33833573179701040012900168001960023000
31Gaガリウム578.81979.329636180
32Geゲルマニウム7621537.53302.144119020
33Asヒ素947.0179827354837604312310
34Seセレン941.020452973.741446590788014990
35Br臭素1139.921033470456057608550994018600
36Krクリプトン1350.82350.4356550706240757010710121382227425880
37Rbルビジウム403.0263338605080685081409570131201450026740
38Srストロンチウム549.51064.2413855006910876010230118001560017100
39Yイットリウム6001180198058477430897011190124501411018400
40Zrジルコニウム640.112702218331377529500
41Nbニオブ652.11380241637004877984712100
42Moモリブデン684.315602618448052576640.812125138601583517980
43Tcテクネチウム70214702850
44Ruルテニウム710.216202747
45Rhロジウム719.717402997
46Pdパラジウム804.418703177
47Ag731.020703361
48Cdカドミウム867.81631.43616
49Inインジウム558.31820.727045210
50Snスズ708.61411.82943.03930.37456
51Sbアンチモン8341594.924404260540010400
52Teテルル869.31790269836105668682013200
53Iヨウ素1008.41845.93180
54Xeキセノン1170.42046.43099.4
55Csセシウム375.72234.33400
56Baバリウム502.9965.23600
57Laランタン538.110671850.348195940
58Ceセリウム534.410501949354763257490
59Prプラセオジム5271020208637615551
60Ndネオジム533.1104021303900
61Pmプロメチウム540105021503970
62Smサマリウム544.5107022603990
63Euユウロピウム547.1108524044120
64Gdガドリニウム593.4117019904250
65Tbテルビウム565.8111021143839
66Dyジスプロシウム573.0113022003990
67Hoホルミウム581.0114022044100
68Erエルビウム589.3115021944120
69Tmツリウム596.7116022854120
70Ybイッテルビウム603.41174.824174203
71Luルテチウム523.513402022.343706445
72Hfハフニウム658.5144022503216
73Taタンタル7611500
74Wタングステン7701700
75Reレニウム760126025103640
76Osオスミウム8401600
77Irイリジウム8801600
78Pt白金8701791
79Au890.11980
80Hg水銀1007.118103300
81Tlタリウム589.419712878
82Pb715.61450.53081.540836640
83Biビスマス70316102466437054008520
84Poポロニウム812.1
85Atアスタチン890±40
86Rnラドン1037
87Frフランシウム380
88Raラジウム509.3979.0
89Acアクチニウム4991170
90Thトリウム587111019302780
91Paプロトアクチニウム568
92Uウラン597.61420
93Npネプツニウム604.5
94Puプルトニウム584.7
95Amアメリシウム578
96Cmキュリウム581
97Bkバークリウム601
98Cfカリホルニウム608
99Esアインスタイニウム619
100Fmフェルミウム627
101Mdメンデレビウム635
102Noノーベリウム642
103Lrローレンシウム470
104Rfラザホージウム580

イオン化エネルギーについての補足

アルカリ金属などでIEが低く、貴ガスに近づくにつれ値が高まる傾向があることは前述のとおりだが、ベリリウムホウ素窒素酸素などではその傾向が少しだけ逆転している[4]。この理由については原子軌道フントの規則を考慮する必要がある。

窒素原子と酸素原子を例に考える。二つの電子配置は次の表のようになる。(IEの単位はeV)

N: 1s2 2s2 2p3  IE1:14.53, IE2:29.60

O: 1s2 2s2 2p4 IE1:13.61, IE2:35.12

1s2s2px2py2pz
N↑↓↑↓↑↑↑
O↑↓↑↓↑↓↑↑

窒素原子より酸素原子のほうが第一イオン化エネルギーが小さいのは、2p軌道に入る4個目の電子が三重に縮重したp軌道のいずれかの軌道に異なるスピン角運動量をもって入り、電子間の静電的な反発エネルギーが電子を不安定にするためである。

ちなみに、第2イオン化エネルギーの場合は、どちらも区別のつかない2p軌道からひとつずつ取り去るので、有効核電荷が大きい酸素原子のほうがIE2は大きくなる。このことは他の周期でもみられる。

また電気陰性度(マリケンの電気陰性度)は、電子親和力とイオン化エネルギーの算術平均であるが、前者に比べ後者のほうがかなり大きいため、電気陰性度はほぼイオン化エネルギーに比例する。
脚注^ IUPAC, Compendium of Chemical Terminology, 2nd ed. (the "Gold Book") (1997). オンライン版:  (2006-) "ionization energy".
^ Shriver & Atkins (2001), p.39。
^ a b Shriver & Atkins (2001), p.43。


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