イエスズメ
イエスズメ Passer domesticus
上: 雄(オーストラリア)、下: 雌(イングランド)
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
イエスズメ(家雀、学名 Passer domesticus)はスズメ目スズメ科の鳥類。和名は学名を含むヨーロッパ各言語からの直訳に由来する。目次 全長14-16cm、体重24-38g[4]。大きさはスズメ (Passer montanus) よりやや大きい。翼長6.9-8.5cm[3]。雌雄で体色が異なり、雄はスズメに似るが、頭に帽子を被ったような灰色の部分があり(ただし、イタリア半島やコルシカ島産の亜種イタリアスズメ P. d. italiae はこの灰色の部分が赤褐色になっている[3])、頬の黒斑がない。雌や若鳥は全体的に淡い茶褐色をした地味なカナリアといった風情で、特徴的なのは目の上に眉状の模様がある点ぐらいである。くちばしは、スズメ同様、若鳥は黄色いが成鳥は黒い。鳴き声はスズメに似る。 南極を除く全大陸に分布する汎存種で、世界一分布域の広い鳥類である[5][6]。アフリカではナイル川下流域と大陸南部、セネガル周辺に分布する。近年はケニアのナイロビ周辺でも見られる。 ユーラシアは分布の中心であり、温帯域のヨーロッパ、中央アジアを中心として、インド、中東、東南アジアといった熱帯域、寒帯域のシベリアと、全域に分布する。ただし東アジアは分布の空白域になっており、朝鮮半島、日本列島、台湾、フィリピン群島、インドネシアには自然分布していない。中国も分布はしているが数は少ない。こういった空白域にはそのニッチとしてスズメが人里に進出している。 アメリカ大陸には元々生息していなかったが、1850年から1875年の間にイギリスから複数の都市に害虫駆除の目的で放されてから盛んに繁殖し、鉄道網の発達と共に穀類を積んだ貨物列車に便乗して分布域を広げた。同様にして、オーストラリアなどのオセアニア地域や、ハワイなどの島嶼にも導入された。空白域であった東アジアでもインドネシアには人為移入され現在定着している。 日本では、1990年以降に、北海道の礼文島[7]、利尻島(1990年8月)[8][2]、天売島(1998年5月)[2]、積丹半島の積丹町[7](1992年4月[2])[9]で観察されたことがある。
1 形態
2 分布
3 亜種
4 生態
5 Sibley分類体系上の位置
6 人間との関係
7 脚注
8 関連項目
形態
分布 自然分布 移入分布