イェーナ市電
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イェーナ市電
イェーナ市電の主力車両・ブレーメン形2008年撮影)
基本情報
ドイツ
テューリンゲン州
所在地イェーナ
種類路面電車
路線網5系統(2021年現在)[1]
開業1901年[2]
運営者イェーナ地方交通(ドイツ語版)[1][2]
使用車両ブレーメン形トラミーノトラムリンク2024年現在)[1]
路線諸元
路線距離26.45 km[1]
営業キロ50.6 km[1]
軌間1,000 mm[1][2]
複線区間24.15 km[1]
最高速度24.8 km/h(平均速度[1]

路線図(2012年時点)


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イェーナ市電(イェーナしでん、ドイツ語: Strasenbahn Jena)は、ドイツの都市・イェーナ市内に路線網を有する路面電車2021年現在は路線バスと共にイェーナ市が所有するイェーナ地方交通(ドイツ語版)(Jenaer Nahverkehr GmbH)が運営している[1][2]
歴史

イェーナ市内に路面電車が開通したのは20世紀初頭、1901年4月6日であった。開通当初は2軸車が導入され、1両(単行)での運行が主体であったが、利用客の増加に伴い1909年からは付随車の連結運転が本格的に行われるようになった。また、その前年の1908年以降は路線網の延伸も実施された。第一次世界大戦後のインフレーションの影響により1922年から1924年にかけて運行を停止する事態に見舞われたものの、同年以降は線形改良による移設を含めた延伸が進み、1936年時点で18.33 kmの路線網が存在した[2]

第二次世界大戦中は従業員の徴兵による人員不足に見舞われ一部の路線が運休する事態になりながらも運行を続けたが、1945年4月の空襲によりカムドルフ橋(Camdorfer Brucke)が崩壊した事で全路線の運行が停止した。再開したのは終戦後の5月5日以降となったが、以降も部品不足などにより本格的な再開には数年を費やした[2]

戦後、東ドイツの路面電車となったイェーナ市電には東ドイツ製の車両が継続して導入された一方、1950年代から1960年代前半には路線の複線化や改修工事が継続して行われたが、モータリーゼーションの進展により路線網の多くを路線バスへ転換する動きが1960年代以降強まり、多くの路線が廃止された。だが、利用客の増加と共に路面電車の輸送力の高さが評価されたことに加えてオイルショックの影響でバスの運行がままならなくなった事態を受けて路面電車が見直されるようになり、1980年代以降は複線化工事の再開に加えて延伸計画も立てられるようになった[2]

ドイツ再統一後、イェーナ市電は再度存廃が議論されたものの、1991年に市議会は路面電車網の拡充を含めた今後の存続および近代化を決定した。これに基づいて劣化が進んだ既存の路線の改修工事が進められた他、1993年から新規路線の建設が始まり、1996年1997年に開通した。更に2009年にも再度延伸が実施されており、2021年現在の総延長は26.45 kmに拡大している他、2023年には同年時点での1号線の終点となるツヴィッツェン・ループ(Zwatzen Schleife)から北部への全長1.1 kmの新規路線の建設がチューリンゲン州から助成金を獲得する形で承認され、2025年に建設を開始し2027年までに開通する予定となっている。車両についても1995年以降超低床電車の導入が継続して行われ、2003年以降は全列車が超低床電車に統一されている[1][2][3][4]

東ドイツ時代の主力車両であった2軸車(1989年)撮影

運行系統図(2020年時点)

2021年現在、イェーナ市電では以下の5系統が運行している[5]

系統番号起点終点備考・参考
1Zwatzen SchleifeLobeda-West4号線とは経由区間が異なる
Lobeda-West - Lobeda-Ostは深夜のみ運行[6]
Zwatzen SchleifeLobeda-Ost
2Jena-OstWinzerla[7]
3WinzerlaLobeda-Ost[8]
4Zwatzen SchleifeLobeda-West1号線とは経由区間が異なる[6]
5Ernst-Abbe-PlatzLobeda-Ost[9]

車両
営業用車両

2021年現在、イェーナ市電に在籍する営業用車両は全て超低床電車に統一されている[1]

ブレーメン形 - 複数の企業によって展開された超低床電車。イェーナ市電には両運転台式の3車体連接車が導入され、1995年から2003年にかけて33両(601 - 633)が製造された。それまでの主力車両であった2軸車に代わるイェーナ市電の主力車両として長年にわたり使用されているが、老朽化が進んだ事から後述のように一部車両の置き換えが予定されており、そのうち10両はポーランドウッチ市電ウッチ)への譲渡が予定されている[3][10][11][12]

トラミーノ - ポーランドソラリスが開発し、2021年現在はスイスシュタッドラー・レールが展開する超低床電車。イェーナ市電では2013年以降両運転台式の3車体連接車が5両(701 - 705)導入されており、ポーランド製の路面電車車両がドイツに導入された初の事例となっている。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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