イェニセイ川
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エニセイ川
クラスノヤルスク付近の川岸
クラスノヤルスク橋シベリア鉄道の鉄橋)から
延長5,539 km
平均流量17,380 m³/s
流域面積2,700,000 km²
水源の標高-- m
河口・合流先エニセイ湾(英語版)
流域 ロシア
モンゴル
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エニセイ川(エニセイがわ、イェニセイ川、ロシア語: Енисе?й, ブリヤート語: Горлог м?рэн, トゥバ語: Улуг-Хем, ハカス語: Ким су?, エヴェンキ語: Ионэси 英語: Yenisei)は、ロシアを流れる河川である。北極海に流れ込む最大の水系で、世界でも第5位の長さである(オビ川を5,570キロメートルとした場合には世界第6位)。流域面積ユーラシア大陸で最大の河川でもある(バイカル湖の水を含めるとセントローレンス川を超えて世界最大の水量となる)。

沿岸では、木材、石炭、鉄などを産出し、それらの輸送(シベリアの河川交通)にも使われる[1]
名称の由来

エニセイ川という名前は、エヴェンキ人による呼び名のイオアネシ(エヴェンキ語: Ионесcи - Ioanessi)に基づくとされる[2]17世紀に西からコサック毛皮交易を求めて流域に入り、「イェニセイ」と呼び始めた。

エニセイという名称の由来に関しては様々な説がある。ウルグ=ヘム(Ulug Khem)の先住民はエニセイ川を「絶え間ない流れ」と呼んだ。エヴェンキ語では「大きな水」を意味するイオアネシ(Ioanessi)と呼んだ。またテュルク諸語に由来するという説もあり、「母」を意味する「アナ」と「川」を意味する「セイ」が合わさったと解説される。
歴史詳細は「en:Yenisei River#History」、「キルギス人」、「ケット人」、「ユグ人」、「タガール文化」、「匈奴」、「丁零」、「突厥」、「イェニセイ碑文」、「キマク・ハーン国(英語版)」、「イェニセイ・キルギズ」、「モンゴル帝国」、「ジョチ・ウルス」、「シビル・ハン国」、および「シベリアの河川交通」を参照

モンゴル系・テュルク系民族が住んでいたエニセイ川流域には、17世紀ごろからコサックが進入してきた。毛皮を求めてウラル山脈を越えてオビ川流域の西シベリア平原に進出していたコサックは、河川を利用してシベリアを東西に往復しながら次第に東へと進んできた。16世紀末にはオビ川から東へ伸びるケチ川へコサックが要塞を置き、流域のケット人にヤサク(ロシア語版)(毛皮貢納の税)を課し、ケチ川源流から丘を越えてエニセイ川流域に侵入した。17世紀以降にはエニセイスクアバカンスク、クラスヌイ・ヤール(後のクラスノヤルスク)などの要塞が次々に建てられた。エニセイ川流域は金や毛皮の産地としてロシア帝国に富をもたらしたが、同時に流刑地でもあった。
流域

モンゴルから北へ流れ、シベリア中央部を貫き、北極海の一部であるエニセイ湾(英語版)に注ぐ。河口は川幅1 - 3キロメートル幅の川が十数本に分かれており、幅50キロメートルの三角州になっている。

上流部は急流で洪水が多く、人口密度は非常に低い。中流部にはいくつかの巨大な水力発電用ダムが建設されており、ロシアの原料生産業を支えている。その一部はソビエト時代の強制労働によるものである。人口稀薄なタイガ地帯を流れ、多くの支流を集めたのち、一年の半分が氷に閉ざされるツンドラ地帯を抜けてカラ海に注ぐ。近年、流量は増加傾向にあり、地球温暖化による永久凍土の融解が要因として指摘されている。北極海の塩分濃度の変化が地球規模の影響をもたらすおそれなどが懸念されている。
上流部クズル付近にあるビー=ヘム川とカー=ヘム川の合流点

エニセイ川は二つの主な源に発する。

ボルショイ・エニセイ川(大エニセイ川)、またはビー=ヘム川(ロシア語版)(トゥバ語: Бий-Хем、Bii-Khem)は、トゥヴァ共和国の東サヤン山脈の南麓、およびタンドゥ山脈トゥバ語: Та?ды-Уула タンドゥ=オラ、英語: Tannu-Ola タンヌ=オラ 唐努烏拉)の北を源流とする。

マールイ・エニセイ川(小エニセイ川)、またはカー=ヘム川(ロシア語版)(トゥバ語: Каа-Хем、Kaa-Khem)はモンゴルのダルハド渓谷(英語版)(Darkhad)を源流とする。近年の研究では、ダルハド渓谷の狭い出口は定期的に氷河で閉ざされ、隣接するモンゴル最大の湖・フブスグル湖(Khovsgol)と同じくらいの大きさの氷河湖を形成していた。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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