アーバンネットワーク
[Wikipedia|▼Menu]
アーバンネットワーク

アーバンネットワーク(英語: Urban Network)は、西日本旅客鉄道(JR西日本)が1989年3月11日より使用を開始した、大阪駅を中心とした京阪神都市近郊区間(関西エリア)を指す愛称[1][2]であった。「アーバンネットワーク」の定義と、旅客営業規則に規定される大都市近郊区間としての「大阪近郊区間」(新幹線を除く)や、JRが便宜的に呼称する「近畿エリア[3][4]」とは完全には一致していなかった。

2006年10月21日のダイヤ改正以降、車内および駅の路線図と車内停車駅案内図が「アーバンネットワーク」の表記から「路線図」に変更される[5]など、2000年代後半以降はアーバンネットワークという名称を使わず、「近畿圏」や「京阪神エリア」と表現されることが多い。また、JR西日本が発行する冊子からも2013年度以降アーバンネットワークの名称は使われていない[6][7]。比較的、後年まで使用されていた月例社長会見における営業・輸送概況についても、2020年4月から「アーバンネットワーク」を「近畿圏」に改めている[8][9]。ただし2021年現在も、鉄道趣味雑誌などでは使用されていることがある[10]

JR西日本では公式に「アーバンネットワーク」の名称を使用しなくなったものの、本記事では過去に使用されていた範囲について、使用終了後の動きも含めて記述する。また路線名は、特に正式名称で記述する必要がある場合を除いて、路線愛称名がある場合はそれを使用する。
概要221系体質改善車の車内案内表示装置と停車駅図

JR西日本は関東地方に広大な通勤路線を持つ東日本旅客鉄道(JR東日本)や、東海道新幹線を持つ東海旅客鉄道(JR東海)と比べて経営基盤が弱いとされ、日本国有鉄道(国鉄)からの経営移管時には、山陽新幹線および大阪近郊の沿線の発展が著しい路線に経営資源を集中し、経営基盤を強化する方針が立てられた。また、「私鉄王国」と称される関西圏において、利用距離が長くなるほどJR利用の可能性が高くなるその特性や、東海道・山陽新幹線のフィーダーとしての役割とアドバンテージを一層強化するため、直通運転の拡大や、新快速を中心とした新型車両の導入・速度向上による所要時間の短縮を積極的に進めていくこととなった。

1988年3月13日のダイヤ改正を機に、分かりやすさと親しみを感じてもらえるよう、8線区9区間に地域ごとの利用実態に合わせた愛称を制定した。1989年3月11日には京阪神都市近郊区間に「アーバンネットワーク」の愛称が与えられた[1][2]。当初は、姫路駅以西や草津線湖西線和歌山線など一部線区は含まれていなかった[11]1990年3月10日には、不慣れな利用者にも分かりやすくするため、10線区[12]に線区別(琵琶湖線JR京都線JR神戸線は同色)のラインカラーを導入した。大阪駅を中心点に他線区への直通列車が多く、2015年3月14日から路線記号の導入にあわせた、ラインカラーの拡充・変更(例:加古川線姫新線のカラーを正式採用、山陰本線のラインカラー導入区間を城崎温泉駅まで延長、学研都市線のラインカラーを黄緑からJR東西線と同じ桜桃色に変更など)も行われている[4][13]
路線路線記号が付された駅の案内標(大阪駅中央口改札内コンコース)

各種路線図や駅の案内、アーバンネットワーク内の駅名標や、JR化後に登場した電車の種別幕には基本的にラインカラーと路線記号が使われている。国鉄型車両については一時期ラインカラーに準じた塗装変更も検討されたが見送られている[14]

主な報道機関(マスコミ)においては、朝日新聞および神戸新聞で路線愛称名が使用されている。朝日新聞は、愛称名の定着を踏まえ、2003年2月1日付けの紙面から愛称表記を原則としている[15]。2005年4月25日に発生したJR福知山線脱線事故の際も多くの報道機関が「福知山線」を用いた中、この2社は「JR宝塚線」を用いた。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:100 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef