アーキテクト
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アーキテクト(Architect建築家)は、建築家を意味する英語であるArchitectのカタカナ語であり、日本語においても本来の意味では一般的に建築家を指す。英語の語源としてはギリシア語で「ものごとの原理や根本的な知識を備えた上で、職人たちを指導し、技術を統合して、制作を企画しうる能力を持つ者」 [1] といったような意味であり、同じく日本語で建築を指す英語のアーキテクチャ(Architecture、建築)という語と密接な関係にある。また、上記のように近世以前の西洋社会では石工大工棟梁のような設計者でかつ現場の指揮者でもある者を指していたと考えられるが、近代以降では、純粋な設計者を指すのが一般的である。現代では、具体的な建築物の設計者の他にも、建築物のように複雑で高度な構築物を、関連する多岐に渡る技芸や職種を統合したうえで構想し実現に導くという元々建築家が司っていた職能から連想されるアナロジーとして、情報アーキテクチャのような建築以外の対象を構想し統合する者を指す言葉としても使われることがある。
概要

"arkhi"は英語で chief (主任)(接頭辞archi-も参照)、"tekton"は英語で builder (建築者)の意であることから、「主任建築者」というのが本来の意味である。現在「Architect」は、アメリカ、イギリスを初めとしたいくつかの国で建築設計者の職名として法定があるため、その資格者以外に使うのは避けられ、別の語が使われる。日本では諸外国とは違い「建築士」という名称が建築意匠設計のみならず、エンジニアリング分野で土木工学を含む構造設計や建築設備設計者ら工学設計にも従事し、また施工監理を実践する「技術者」も含む資格名称として法定されている。このため別の語として「建築家」を使うことがある。構造デザイン#概要も参照。

「builder」は工務店等の建設業者に対して使われる。「master builder」の場合は大工棟梁など建築現場での責任者を意味する。

建造物以外の分野の例では、造船技術者をNaval Architect (ネーバル・アーキテクト) と言う[2]
使用例

建築家

日本語の建築家の定義は曖昧であり日本の建築家でも建築士資格を持たない人物もいるが、そのような場合も含めてアーキテクトが使われる。建築家の職分の中でもマスター・アーキテクトエンジニア・アーキテクト構造技術者)、ランドスケープ・アーキテクト造園家)のような用例は、そのままカタカナ表記で使用される。なお、これらの用例の英語表記は、アメリカ、イギリス等でも直接使用が制限されているわけではないため資格者以外が名乗ることもできるが、資格者である Architect と誤認されるような使い方をした場合には違法となる。

建築士

日本では Architect に対応する語として建築士をあてていたが、1950年(昭和25年)に資格制度として建築士法が制定された。法務省作成の日本法令外国語訳データベースシステムでは、一級建築士の英訳として「first class architect」「class-1 architect」の2種が使われている。



都市計画家

都市計画に従事しその作業を行う専門家は英語圏では Planner と呼ばれるが、建築家が都市計画を行うことも多いことから、都市計画家をアーキテクトと呼ぶことがある。都市計画家として著名なウィリアム・ホルフォードの墓に「Architect」と刻まれているのはこのためであろう。


設計

建築における設計者は、建築士でなくともアーキテクトと言うことがある。更に、本来の意味から離れて他の分野における設計者もアーキテクトと言う場合がある。


コンピュータ関係

コンピュータ関係では、1960年代からコンピュータ・アーキテクチャという語があり、近年ではソフトウェアアーキテクチャや、より広くシステムアーキテクチャ情報アーキテクチャといった語もあり、そういったものを設計する者といった意味である。IEEEの定義では、アーキテクトとは、システムアーキテクチャを統括する個人、チーム、あるいは組織を指す。情報処理技術者試験では、その一区分としてシステムアーキテクト試験が行われている。


その他


映画「マトリックス」に出てくる、マトリックスを創造した人工知能のこと。

アーキテクト (企業) - 東京都にある市場調査、スポーツマネジメント、テレビ番組制作・観覧業務などを行う企業。

脚注[脚注の使い方]^ 建築学教育研究会編『建築を知る』鹿島出版会、2005年 (参考URL: ⇒http://www.y-nakamura.com/architect3.html)
^ 図解入門よくわかる最新船舶の基本と仕組み[第2版](著者: 川崎豊彦)

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