アボガドロ定数
Avogadro constant
記号NA
値7023602214076000000?6.02214076×1023 mol−1[1]
定義物質 1 mol の中に含まれている構成要素の総数
相対標準不確かさ定義値
語源アメデオ・アヴォガドロ
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アボガドロ定数(アボガドロていすう、英: Avogadro constant )とは、物質量 1 mol を構成する粒子(分子、原子、イオンなど)の個数を示す定数である。国際単位系(SI)における物理量の単位モル(mol)の定義に使用されており、その値は正確に 7023602214076000000?6.02214076×1023 mol−1と定義されている[2][3]。アボガドロ定数の記号は、 NA または L である[4]。
当初はアボガドロ数(アボガドロすう、英: Avogadro number )と呼ばれたが、1969年のIUPAC総会でアボガドロ定数に名称が変更された。
目次
1 2019年の再定義
2 歴史
3 測定
4 脚注
5 参考文献
6 関連項目
7 外部リンク
2019年の再定義詳細は「SI基本単位の再定義 (2019年)」を参照
旧来の定義では、物質量の単位モルの定義はキログラムに関連づけられていた。2019年5月20日から施行された新しい定義では、この関連性を解消し、系に含まれる構成要素の数を定義値とすることでモルを定義する。旧定義: モルは、7001120000000000000?0.012 kgの炭素12に含まれる原子と等しい数の構成要素を含む系の物質量である。モルを使うときは、構成要素が指定されなければならないが、それは原子、分子、イオン、電子、その他の粒子またはこの種の粒子の特定の集合体であってよい。新定義[5]: モル(記号 mol)は物質量の単位である。1モルは正確に7023602214076000000?6.02214076×1023 の要素粒子を含む。この数値は単位mol−1による表現でアボガドロ定数
NAの固定された数値であり、アボガドロ数と呼ばれる。この定義により、モルはキログラムの定義に依存しないものになった。
この再定義により、12C原子のモル質量、統一原子質量単位(ダルトン)、キログラム、アボガドロ定数の間の関連性はなくなった。
モル質量定数は、以前の定義では正確に 1 g/mol であった。しかし2019年5月20日に、モルの定義が変更されたので、モル質量定数は定義値ではなくなり、実験値となった。その値は、0.999 999 999 65(30) g mol-1 である[6]。
また、1モルの炭素12の質量(molar mass of carbon-12)も12グラムではなくなり、11.999 999 9958(36) グラムという実験値となった[7]。
歴史 アメデオ・アヴォガドロ
定数の名称は、イタリア出身の化学者、アメデオ・アヴォガドロにちなんだものである。アヴォガドロは、気体の体積は(同一の気圧・温度の下では)気体の種類に関わらずそれに含まれる原子または分子の数に比例することを1811年に初めて発見した(アボガドロの法則)[8]。1909年、フランスの物理学者であるジャン・ペランがアヴォガドロにちなんで定数の名前を付けることを提案した[9]。ペランは、いくつかの異なる方法でアボガドロ定数を決定した業績により、1926年にノーベル物理学賞を受賞した[10]。
アボガドロ定数の値は、ドイツの物理学者・ヨハン・ロシュミットによって初めて示された。彼は1865年に、与えられた体積の気体中の粒子の数を計算することと等価の方法によって、空気中の分子の平均直径を推定した[11]。この値、理想気体中の粒子の数密度 n0 は、彼の名前をつけて現在はロシュミット数と呼ばれており、アボガドロ定数 NA とは次の関係がある。 n 0 = p 0 N A R T 0 {\displaystyle n_{0}={\frac {p_{0}N_{\rm {A}}}{RT_{0}}}}
ここで、p0 は圧力、 R は気体定数、 T0 は絶対温度である。ロシュミット数との関連は、アボガドロ定数に使用されることがある記号 L の起源であり、ドイツ語圏においてはアボガドロ定数のことも「ロシュミット数」と呼ぶことがあり、つける単位によって区別をする[12]。
アボガドロ定数を正確に決定するには、同じ測定単位を使用して、原子スケールと巨視的スケールの両方で同一の量を測定する必要がある。これは、1910年にアメリカの物理学者・ロバート・ミリカンが電子の電荷を測定したときに初めて可能になった。