「アンドロステノン」とは異なります。
アンドロステロン
IUPAC命名法による物質名
IUPAC名
(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S)-3-hydroxy-10,13-dimethyl-1,2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16-tetradecahydrocyclopenta[a]phenanthren-17-one
識別
CAS番号
53-41-8
アンドロステロン(androsterone)または5α-アンドロスタン-3α-オール-17-オン(5α-androstan-3α-ol-17-one)は、内因性ステロイドホルモン、神経ステロイド、推定上のフェロモンである[1]。テストステロン(英語版)の約7分の1の効力を持つ弱いアンドロゲン(雄ホルモン)である[2]。アンドロステロンはテストステロンおよびジヒドロテストステロン(英語版)(DHT)の代謝物である。加えて、3α-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ(英語版)および17β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼによって、アンドロステンジオンやテストステロンといった従来型中間体を迂回してDHTへと元に戻る。そのようなものとして、アンドロステロンはそれ自体で代謝中間体を考えることができる[3][4]。
アンドロステロンは、GABAA受容体の正のアロステリック調節因子として働く[5]抑制性(英語版)アンドロスタン神経ステロイドとしても知られており[6][7]、また抗てんかん作用を有する[8]。アンドロステロンの非天然型エナンチオマーはGABAA受容体の正のアロステリック調節因子や抗てんかん薬として天然型よりも高い効果を示す[9]。アンドロステロンの3β-異性体はエピアンドロステロン(英語版)、5β-異性体はエチオコラノロン(英語版)、3β,5β-異性体はエピエチオコラノロン(英語版)である。 アンドロステロンは一般的にテストステロンの不活性代謝物と考えられており、グルクロン酸抱合や硫酸抱合といった抱合を受けた時にテストステロンを人体から取り除くことができる。しかし、アンドロステロンは脳に入ることができる弱い神経ステロイドであり、脳機能に影響を与え得る[8]。 アンドロステロンはヒトの腋の下や皮膚、尿中に見出される[10]。アンドロステロンはヒトの皮脂腺によっても分泌されているかもしれない[10]。アンドロステロンはアンドロステノール 生合成アンドロステロンとその5β-異性体のエチオコラノロンはテストステロンの代謝物として人体で生産される。テストステロンは5α-レダクターゼおよび5β-レダクターゼによってそれぞれ5α-ジヒドロテストステロンおよび5β-ジヒドロテストステロンへと変換される。3α-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼはこれらの還元型を5α-アンドロスタンジオール アンドロステロンは、硫酸抱合を受けると硫酸アンドロステロン アンドロステロンはマツの花粉中に天然に存在することが知られており、多くの動物種においてもよく知られている[11]。 アンドロステロンは1931年にアドルフ・フードリヒ・ヨハン・ブーテナントとクルト・チェルニンク(Kurt Tscherning)によって初めて単離された。彼らは1万7千リットルの男性の尿を蒸留し、50 mgのアンドロステロン結晶を得た。この結晶から、アンドロステロンの化学式がエストロンと非常に似ていることが明らかになった。
生物学的機能
フェロモン
生化学
代謝
化学「en:List of neurosteroids」も参照
所在
歴史
出典^ Motofei, Ion G. (2011). “A dual physiological character for cerebral mechanisms of sexuality and cognition: common somatic peripheral afferents”. BJU International 108 (10): 1634?1639. doi:10.1111/j.1464-410X.2011.10116.x