アントラー
ウルトラシリーズのキャラクター
初登場『ウルトラマン』第7話
作者成田亨(デザイン)
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アントラーは、特撮テレビドラマ『ウルトラマン』をはじめとする「ウルトラシリーズ」に登場する怪獣。別名は磁力怪獣[出典 1][注釈 1]。
モチーフはクワガタムシとカブトムシ[7][12]。名前の由来は、アリジゴクの英語名であるアントライオンを縮めたものとする説[12]、シカの角を意味するantlerとする説などがある[12]。円谷英二は、放送当時の雑誌でアリの英語名「ant」から取ったと述べている[12]。 諸元アントラー 『ウルトラマン』第7話「バラージの青い石」に登場。本編に先立ち、1966年7月9日に杉並公会堂にて開催されたイベント「ウルトラマン前夜祭 ウルトラマン誕生」(放映は翌10日)にも登場している。 中東・アララット山の麓にある幻の街・バラージ付近の砂漠の地中に太古から生息していた怪獣[15]。5千年前に交易地として栄えていたバラージの街を襲ってシルクロードの交易を衰退させたことがあり、当時は初代ウルトラマンに酷似した姿の巨人「ノアの神」によって倒された。その姿はアリジゴクのようで、頭部には巨大な1対の大顎を持つ。砂漠にすり鉢状の巨大なアリジゴクを作り、獲物を捕食する習性を持つ[15]。大顎の間から発射する、金属を含んだ物体だけでなく初代ウルトラマンさえも吸い寄せる強力な虹色の磁力光線[出典 4][注釈 2]により、航空機を墜落させる。 唯一苦手とするのは、かつてノアの神が持ってきたと伝えられる「青い石」だけである。現代に復活してバラージの街を襲撃した際には科学特捜隊のスーパーガンも受けつけず、逆に磁力で吸い寄せる。初代ウルトラマンとの戦いでも磁力光線や砂煙、大顎による締めつけなどで苦しめたうえ、スペシウム光線も硬い皮膚で平然と受けきる。激しい格闘戦で右の大顎をねじ切られても大ダメージには至らなかったが、青い石をムラマツキャップによって頭部へ投げつけられると体中から大爆発が起き、地面に倒れて絶命する。 第35話では、怪獣墓場に漂っている姿が描かれている[4]。
『ウルトラマン』に登場するアントラー
ANTLAR[11][5]
ANTLION[3]
別名磁力怪獣
身長40 m[出典 2]
体重2万 t[出典 2]
出身地
中近東・バラージ[出典 3]
宇宙→中近東[3]
スーツアクター:荒垣輝雄[3][7]、中村晴吉(ノンクレジット)
当時の製作日報によればクランクイン当初は中村が演じていたが、スケジュールの変更を受けて5月30日と31日の撮影で荒垣に交代したという[17]。
デザインは成田亨[18]。成田は人体にカブトムシのイメージを被せたものとしている[18]。高山良策が初めて『ウルトラマン』で新規造型した怪獣である[19]。頭部はFRP樹脂製[20]。
資料によっては、隕石に乗って地球へ飛来した宇宙怪獣であった可能性が記述されている[出典 5]。また、中近東地域に落下した隕石によって活発化したとも記述されている[14]。
鳴き声はラドンのハイスピード再生[21]。角の開閉音は、録音担当の西本定正による歯ぎしりの音を加工したもの[12][22]。
書籍『ウルトラマン ベストブック』(竹書房・1993年)では、最終話に登場するゼットンの角はアントラーのものを参考にしているとの岩本博士による推測を記述している[23][24]。
『ウルトラマン』の放送開始前週に放送された『ウルトラマン前夜祭』では、暴れる怪獣の1体として先行登場し、ウルトラマンと戦う。他の着ぐるみとは違ってファスナーの位置が前にあり、着ぐるみの胴体が前後逆になっていた[25]。このスーツアクターは泉梅之助。
劇中に登場する「ノアの神」の正体には諸説ある。
『ウルトラマン列伝』第39話では、ゾフィーとウルトラマンゼロが「ウルトラマンノアとの関係があるかもしれない」と驚く。
『新ウルトラマン列伝』第28話では、ゼロが「ノアの神とウルトラマンノアと関係があるのかもしれない」と語り、「大昔からウルトラマンは平和のために戦い続けてきたのだろう」と締めくくった。
漫画作品『ウルトラマンSTORY 0』では、バラージを訪れたゾフィーであると示唆する描写が存在する。#『ウルトラマンSTORY 0』も参照。