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アンデス文明(アンデスぶんめい)とは、1532年のスペイン人(白人)によるインカ帝国征服以前に、現在の南米大陸、ペルーを中心とする太平洋沿岸地帯およびペルーからボリビアへつながるアンデス中央高地に存在した文明。
メソポタミア文明・エジプト文明・インダス文明・黄河文明といったいわゆる世界四大文明などと異なり文字は持たない。その担い手は、1万2千年前に、ベーリング海峡を渡ってアジアから移動してきたモンゴロイドの中の古モンゴロイドとされる。
メソアメリカ文明との関係性についてはよく分からず、現時点では、独自に発生した文明とされ、全く独自に生まれたオリジナルな文明を意味する一次文明として、メソポタミア、古代中国、メソアメリカ文明と並んで、「世界の四大一次文明」と呼ばれることもある[1]。 アンデス文明の中心地帯は、主に、海岸部、山間盆地、高原地帯に分かれる。山間部と高原地帯は一緒に扱われることも多い。アンデス文明において荷運びに使われたリャマ(ラクダ科) アンデス文明の大きな特徴としては次の7点が挙げられる。
特徴
文字を持たない。これは、旧大陸の四大文明や新大陸のメソアメリカ文明とは異なる最も大きな特徴である。代わりに縄の結び目で情報を記録するキープというものがあった。
青銅器段階。鉄を製造しなかった。また、利器として青銅はほとんど利用されることはなく、実際には新石器段階に近かった。
金や銀の鋳造が発達していた。これらの製品は、そのほとんどがスペイン人によって溶かされインゴットになってスペイン本国へ運ばれていった。
家畜飼育が行われていた。ラクダ科動物のリャマが荷運び用の駄獣として、アルパカが毛を利用するために、また食用としてテンジクネズミ(クイ)が飼育されていた。しかしながら、旧大陸のそれとは異なり、ラクダ科動物の乳の利用(ラクダ科動物は乳が少ないため)はなかった。
車輪の原理を知らなかった。駄獣はいたがこの原理を知らなかったため、戦車や荷車などは発達しなかった。
塊茎類を主な食料基盤とする。アンデス文明では、塊茎類(ジャガイモやオカ、マシュア(イサーニョ
アンデス特有の生態学的環境と文化・文明の発展に深い関係が見られる。生態学的環境とのかかわりが非常に強く、また複雑に結びついている。他の旧大陸の文明がすべて大河沿いに発展してきたのに対して、アンデスでは、山間部や高原地帯の果たした役割が非常に大きい。