アンコウ
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この項目では、魚類について説明しています。麻雀用語の「暗刻」については「面子 (麻雀)#刻子」を、「アンコー」の愛称で知られるアナウンサーについては「斉藤安弘」をご覧ください。

アンコウ
ニシアンコウ(アングラー)
分類

:動物界 Animalia
:脊索動物門 Chordata
亜門:脊椎動物亜門 Vertebrata
上綱:魚上綱 Pisciformes
:硬骨魚綱 Osteichthyes
:アンコウ目 Lophiiformes
:アンコウ科 Lophiidae

学名
Lophiidae
Rafinesque, 1810
英名
Monkfish
Goosefish

4属25種

アンコウ属 Lophiomus

キアンコウ属 Lophius

ヒメアンコウ属 Lophiodes

ダルマアンコウ属 Sladenia
本文参照
生きた「キアンコウ」はアクアワールド・茨城県大洗水族館「深海の海ゾーン」などで見る事が出来る。

アンコウ(鮟鱇[1]、華臍魚)とは、第1義には、アンコウ目中の、アンコウ科に分類される日本語における総称である。しかし、アンコウ目全体をも指す。また、アンコウ科の中でも特に食用とするものだけを指す場合もある[注 1]。※本項は、古来の日本語でいう「あんこう」と、分類上の「アンコウ科」について解説する。

「アンコウ科」と結果的同義と言える英語としては goosefish と monkfish があり、日本語「アンコウ」の第1義とも同義と言える。英語には anglerfish という語もあるが、こちらはより広く「アンコウ目」および日本語最広義の「アンコウ」と同義と言える。
分類

アンコウ(クツアンコウ

分類

:動物界 Animalia
:脊索動物門 Chordata
亜門:脊椎動物亜門 Vertebrata
:条鰭綱 Actinopterygii
:アンコウ目 Lophiiformes
:アンコウ科 Lophiidae
:アンコウ属 Lophiomus
T. N. Gill, 1883
:アンコウ(クツアンコウ
L. setigerus

学名
Lophiomus setigerus
Vahl, 1797
和名
アンコウ(クツアンコウ
英名
Blackmouth angler

アンコウ類はタラ類の近縁にあたる[2]。アンコウ目は16科300種ほどであるが漁業資源となるのはアンコウ科に属するものだけである[3]。アンコウ科には25種ほどが含まれ、すべてが海水魚で、そのほとんどが深海魚である。以下は主に食用にされるアンコウ類。
キアンコウ(ホンアンコウ) Lophius litulon
メスは尾びれの根元までの体長 1.0mから1.5m程。オスは50cm前後太平洋北西部(日本、朝鮮半島、東シナ海)の水深500m程までの深海に生息。なお、一般にはキアンコウの別称として「アンコウ」あるいは「ホンアンコウ」と呼ばれることがある[4]
アンコウ(クツアンコウ) Lophiomus setigerus
全長40cm前後。インド洋、太平洋の全域の水深500m程までの深海に生息。キアンコウの口中は白っぽいのに対して、クツアンコウの口中は黒地に黄白色の水玉模様という特徴がある[4][5]

ヨーロッパで主に食べられるアンコウはアングラー、北アメリカで食べられるアンコウは、アメリカンアングラーと呼ばれ、いずれもキアンコウと同じキアンコウ属 ( Lophius ) に含まれる種である。
アングラーニシアンコウ) Lophius piscatorius
体長2m、体重60kg近くになる。大西洋東岸(バレンツ海西南部からジブラルタル海峡まで)、地中海、黒海の水深1000mまでの深海に分布。
アメリカンアングラー(アメリカアンコウ) Lophius americanus
全長1.2m、体重20kg。大西洋西岸(カナダ、ケベック州から米国フロリダ州まで)の水深100mまでの海底に分布。
特徴

日本では、キアンコウ(ホンアンコウ)とアンコウ(クツアンコウ)が主な食用の種である。両種は別の属に分類されているが、外見は良く似ている。そのため、一般に市場では区別されていない[4][5]。外見的な特徴は頭部が大きく幅が広いこと。体は暗褐色から黒色で、やわらかく平たい。
分布

北極海太平洋インド洋大西洋地中海に生息する。
生態

アンコウは水深30m-500mの砂泥状の海底に生息する[5]。手足のように変形したヒレで海底を移動する。このことから、アンコウ目の魚類全体に対して底生生活のイメージが持たれているが、アンコウ目のうちチョウチンアンコウなどは深海域の150m-2500mの中層域に生息し[6]ハナオコゼのように表層に分布するものもある[6]。「アンコウ目」も参照

擬餌状体という誘引突起による待ち伏せ型の摂餌法をとる魚である[5]。肉食性で、口が大きく、歯が発達している。海底に潜んで他の魚を襲うのに適するため、口はやや上を向いている。頭には2本のアンテナ状の突起があり、長い方には皮がついている。アンコウは泳ぎが下手なため、泳ぎの上手な魚を追い回しても逃げられてしまう。そこで、海底の砂に潜り、その突起の皮を水面で揺らし、これをエサだと思って寄ってきた魚を、丸呑みにして捕食する。突起の皮は擬餌針のような働きをする。

アンコウは主に小魚やプランクトンを捕食するが、種によっては小さなサメスルメイカカレイウニなどを捕食するものもある。さらに、たまに水面に出て海鳥を襲うこともあり、食べるために解体したら胃の中にカモメウミガラスペンギンなどが入っていたという報告もある。

体長は大きなもので2m近く、重さも60kg近い種(ニシアンコウ)もある。

アンコウ目の魚類には雌雄差がある[7]。アンコウのメスはオスよりも早く成長し体が大きく寿命も長い[8]。チョウチンアンコウ科に属するチョウチンアンコウではメスの体長が60cm程度なのに対してオスの体長は4cmに満たない。ただ、アンコウ科に属するアンコウは雌雄ともに大きくなる[6](東シナ海のキアンコウのオスは8歳にもなると全長55cm・体重2kgにも達する[8])。また、アンコウ目のうちヒレナガチョウチンアンコウ科、ミツクリエナガチョウチンアンコウ科、オニアンコウ科など一部ではオスがメスに寄生する習性を持つ[6]。なおキアンコウなどアンコウ科に属する種はそのような習性は見られない[9][6](ちなみにチョウチンアンコウ科に属するチョウチンアンコウもメスに寄生しない[6])。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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